飛距離 is justiceと世間では叫ばれています。実際ほんの少しでもかっ飛ばすため、飛行姿勢までシビアに求め、各社さまざまな創意工夫がされています。
しかし、本当に飛距離は釣果を上げるのでしょうか？ 特にアジングでは飛距離が正義といえるのか？
今回は、飛距離は正義なのかについて考えてみようと思います。
飛距離を出すことの利点
そもそもかっ飛ばすとなぜ釣れるのか？ これは確率論で考えればわかります。
単純な話、水の中でアピールする時間が長ければ長いほど、釣果は上がります。そりゃそうです。ルアーが水に付かなきゃ魚が釣れるわけないんですから。当たり前です。
じゃあ、どうすれば水中で長くアピールできるか？ 方法は二つ。ゆっくり動かすか、飛距離を出すか。飛距離が長ければ、その距離分水中で長い時間アピールしていることになるため、当然その分釣れる確率も上がります。一方ゆっくり動かす方は、それが原因で食いつかなくなる可能性もあるため必ずしも釣果が上がるとは言えません。
また、沖にいる魚にもアピールできるという大事なポイントもあります。
後１ｍ遠くに飛ばせば釣れていたかもしれない群れいたかもしれない。そう考えれば飛距離 is justiceと叫びたくなったんじゃないでしょうか？
アジングの場合は飛距離が絶対じゃない
しかし、少なくともアジングの場合は飛距離がすべてではないと僕は思います。少なくともあって損ではない程度と思っていいでしょう。
そもそも、アジングで飛距離を出そうとするなら、基本的に仕掛けを重くする必要があります。アジングのリグはルアーゲームの中でも異質なほど軽いですので、それを重くすれば当然飛びます。
ただ、その分フォールスピードが早くなったり、フロートなどの仕掛けを用意する必要が発生します。そのせいで釣れないとなると本末転倒です。
さらに、アジのような魚は基本プランクトンを捕食するケースがほとんどです。プランクトンは流れが行きつく先に溜まるもんですので、これらを狙う場合、ヒットゾーンが割と陸から近い場所であるケースが多い。
結局沖まで「かっとべマ〇ナーーム！！！」と飛ばしまくっても、沖側に魚がいないんじゃ釣れない区間を無駄にアピールするため時間の無駄となり、その文釣果も減ってしまいます。時合は限られていますからね。
アジングで飛距離を出す利点
じゃあアジングで飛距離を出す理由はないの？
というわけでもないのが、この話の難しい所なんです。
確かに足元にアジがいる可能性は高いし、フォールスピードが早いとミスバイトが発生しやすくなるデメリットが発生します。
しかし逆をいえば沖にアジがいないわけでもないし、フォールスピードが早いほうが反応がいいケースもある。
何よりストラクチャー、つまりは地形変化が対岸側にある場合、ジグ単だと届かないけど、フロートだと届くなんてこともあります。こうなると、仮に狭い河川でも飛距離を求める利点が発生するわけです。
アジングで飛距離を出す方法
でもアジングで飛距離出すなんて……どうやったらいいの？
手っ取り早い方法はジグヘッドを重くする。もしくはタングステンを使用することです。
ジグヘッドの交換だけで飛距離が伸びるお手軽さがありますし、基本はこれだけでも十分対応できます。
ただし、タングステンに変えただけでは狙いの場所に届かない可能性もあります。また、スローに沈めないと食わない状況。もしくは底が浅い河川やサーフではフォールが早いタングステンは不利です。
そういった時は、フロートやキャロライナリグを使いましょう。
ふろーと……は確かウキの事ですよね？ それならわかるのですが、きゃろらいなりぐ？ というのは確か、オモリを使うんですよね？ それじゃ沈みやすくなっちゃうんじゃないですか？
アジングで使うキャロライナリグシンカーは比重が小さいんだ。だからむしろジグ単より沈みにくいって特徴があるんだ。ウキ釣りでいうところの沈みウキに近い性能だな
また、基本的に飛距離を出したいならロングロッドを使います。その方が遠心力がつけやすく、初速で力強く押し出してくれるからですね。
ジグ単なら6ft後半。ヘビーリグなら7ft台を使いましょう。エギングロッドなどで代用することもできますよ。
他のルアーゲームは飛距離が正義といえるのか？
では当サイトの存在意義をいったん度外視にして、他のルアーは飛距離が正義と言い切れるのか？ といえば、絶対でもありません。これはたとえシーバスや青物相手でも同じです。
当然アジングより利点が高いですし、基本は飛距離を求めるもんです。ただ同時に、足元の優位性というものも間違いなく存在します。
足元の優位性？
たとえば……あなたが猫を捕まえようとしているとします。その場合、広い公園と、道の入り組んでいて上る場所がないところ。どちらが猫を捕まえやすいか言うまでもありませんね。
そりゃもちろん、壁際に追い詰めてからのぉーー……とりゃあ！！
ちょ！ やめろ！ くすぐったい！！
これと同じことをフィッシュイーターも考えます。
水中より水面に。沖より岸側にと追い詰めてから捕食した方が楽に狩りができるというもの。だから案外沖にぶっ飛ばすよりも、手前をテクトロして足元集中狙いした方が釣れたりするのです。
僕がシーバスを狙うときも、絶対手前のテクトロは欠かしません。結構これで釣れます。
そういえば、泳がせ釣りでも手前に落とすだけって狙い方もありますね。それと同じ理屈でしょうか？
まぁ、泳がせの場合はそもそも投げられない仕掛けも存在するのですが、理屈はルアーの壁際攻めと同じですね。
かっ飛ばせる泳がせ釣りでも手前を探っておくに越したことはありません。
ただし、泳ぎに自信がある大型青物の場合、いちいち陸地に追い詰めなくてもめちゃくちゃ早く泳ぐから、水面に追い詰めれば十分エサを捕食できる。だから足元の優位性は薄れてしまうんだが、あくまでゼロではない。だから念のため足元を探るくらいはしておいた方がいいと言われているな
そうですね。まぁ足元をおろそかにさえしなければ飛距離とばす利点が大きくなる。結局飛距離 is justiceなわけです。
まとめ できる限りかっ飛ばす程度がちょうどいい
いかがでしたか？
少なくとも同じリグで飛距離を伸ばせるならそれに越したことはありません。どうやって伸ばすかといえば、キャストを練習しまくって精度を上げていくしかないという脳筋な戦法になっちゃいます。
普段はできるだけかっ飛ばす程度の気持ちでいて、遠投リグに変えるときは「どうして遠投したいのか」を考えてみるといいですよ。
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