超軽量リグを使うアジングにとって風は天敵。しかし、同時に強い味方にもなってくれます。
風を味方に付ければ、アジの釣果は確実に上がります。なんせ釣れる場所がわかったうえで的確に狙えるのですから。
今回は、風を味方に付けるアジング釣法について考えてみましょう。
そんな風で大丈夫か? 一番いい風を頼む
そもそも、釣りやすい風とは何なのか? 少し複雑な斜めのパターンは置いておき、向かい風、追い風、横風のパターンで考えてみましょう。
向かい風こそ最強の環境
一見一番投げにくく、厳しいように見える向かい風ですが、アジングでこれほどいい風の条件はありません。
というのも表層の波は少なからず風の影響を受けます。つまり表層に浮かぶプランクトンは、風の方法に流される可能性が高いわけです。
もちろん実際の潮の流れは風だけの影響を受ける訳でもないので、ルアーを流してみて確認する必要がありますが、向かい風がプランクトンを呼び寄せる確率は非常に高く、大抵足元流していれば釣れるくらいの好条件と言えるでしょう。
向かい風は低弾道キャストが必須
でも向かい風ってキャスト全然飛ばないし……。この前なんて、前に飛ばしたのに真後ろに落ちたんだよ?
そりゃ投げ方が悪いだけだ
向かい風が苦手な人は、いつもと同じ投げ方をしていませんか? それじゃあいくら投げてもうまく投げれないはずです。
どういうことかというと、通常通り上に飛ばすと、無風時は一番距離が稼げるかもしれませんが、風に飛ばされる時間が長いので、その分大きく流されてしまうから。
しかし、低弾道で飛ばすと、勢いがある間はまっすぐ飛び、勢いがなくなって風に飛ばされる時には重力で着水するわけだから、向かい風時には飛距離が稼げる。というわけです。
この低弾道に飛ばすことをよく「ライナー気味に投げる」という風に表現します。野球用語で「空中を低く直線的に飛ぶ打球」とすぐわかるでしょう。余談ですが僕は野球をよく知らないので「ライナー=ブラウン」くらいしか思い浮かびませんでした。当然ですが鎧の巨人とはまったく関係がありません。
追い風は投げやすそうに見えるけど罠?
風で飛ばされるなら、追い風に乗ってびゅーんって飛ばしちゃえばいいじゃん!
……と考えがちですが、追い風は罠になることが多いです。
というのが、前述した向かい風の利点。それがそのまま追い風時の弱点になるからです。どんどんプランクトンは流されるし、方角的にはプランクトンの動きと真逆にリトリーブするわけですから、アクション的にもよろしくない。
もちろん、追い風がすべてアウトというわけではありません。風は表層の流れを決める一つの事象ではありますが、絶対ではありません。潮がこちらに動くことももちろんあります。底潮ならなおさら。
条件が揃えばルアーは飛ばしやすいし、釣りやすいという最高の条件になるかもしてません。
意外と釣りやすい? 横風対策
多くの釣りで嫌われがちな横風。「一番嫌い!」というアジンガーも多いのではないでしょうか?
ただ状況次第となりますが、追い風よりは好条件になることや、場合によっては向かい風よりいいかもしれません。
まず、横風が好条件となる条件としては、できるだけ両隣に釣り人がいないこと。なるべく流れに逆らいたくないので、これはほぼ必須条件です。当然ですが、先行者がいる場合は、そっちに向けてキャストするのはお行儀がよくありませんのでやめましょう。
次に流れがやや手前側に向いていること。あとは足元をサーチしてれば釣れるので、正直向かい風より簡単に釣れます。
もし、やや沖側に流れていたとしても、ドリフトさせてれば釣れるというケースもあります。最悪正面に投げるしかない状況でもまったく釣れないというわけではありません。
ようは、流れをよく見て釣れってこったな。横流れは堤防ではよくあるシチュエーションだから、色々試して見るんだな。
風対策のリグを考察
どんなに優れた戦略を立てても、人生ままならないもの。どうしようもないくらい流されるなら、リグを変える以外の選択肢はありません。
では具体的にはどんなリグがあるのでしょうか?
あくまでジグ単 タングステン(TG)で狙う
まずはタングステンジグヘッドを使う戦略。比重が高いため、ただ重くするより風に流されにくくすることができます。
ジグヘッドを重くするだけじゃダメなの?
無論それでも大丈夫だが、ヘッドがその分大きくなることと、タングステンをチョイスした場合より重いジグヘッドを選ぶ必要があることを忘れるなよ。状況次第ではそっちの方がいいかも知れんが……なんとも言い難いところだな。
個人的な意見ではありますが、僕ならまずまっさきにタングステンを使いますね。重たいリグを使うことで吸い込みバイトしづらくなるし、大きなシンカーのせいで違和感が増える可能性があるからです。
お手軽風対策? ハードルアー(ミノー、シンキングペンシル、メタルジグなど)
手軽にできる風対策としておすすめしたいのは、ハードルアーを使うこと。特に表層を攻略したい時は、こいつがパターンにハマる時があります。
ベイトフィッシュパターンならメタルジグも選択肢に入ります。
え? でもハードルアーってほとんど小魚の形だよね? だったら、全部ベイトフィッシュパターンしか使えないんじゃないの?
それがそうとも言えないんだよな。アジング、メバリング用のプラグは、透明度が強く、ラメが強いルアーが多い。こういったルアーは、プランクトンやイカの子供を意識して作られているんだ。このタイプは、小型でも結構食ってくるぜ
これは実際にやってみてもらった方が早いですが、プラグを使っていると結構プラグより小さなサイズの魚が掛かったりします。これは、小魚として見ているわけではなく、それより小さな小イカやプランクトンと勘違いして食っているというわけです。
風対策リグと言えばこれ キャロライナリグ
風対策リグの代表格といえば、キャロライナリグです。どんな風でも軽量ジグヘッドを飛ばすことができるし、ボトムだけでなく、中層、表層も狙えます。
また、リグの重さに対して案外スローに沈んでくれるのも大きな魅力です。
サッと取り付けて狙いたい時は、スプリットショットリグを使う手もありますが、時間があるなら、できるだけキャロを組みたいですね。
表層狙いならこれ フロートリグ
表層を流したいなら、断然フロートリグ。
特に、ウキ釣りのようにフロートを潮に馴染ませて広く探る独特のドリフトは、フロートリグならでは。
表層でアジがライズしているけど、風で狙いにくい時は、固定型のフロートでもいいので、狙ってみるといいでしょう。
まとめ 足元をすくわれないよう注意!
いかがでしたか?
風対策でよくあるミスは、飛ばすことばかりに目が言って、足元が疎かになること。遠投リグだからって手前が絶対に釣れないというわけでもありませんので、しっかりリグを通すことを心掛けましょう。
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