運の要素が強い釣りという分野にも、上手い下手は当然存在します。
違いは何か……といえば当然釣果。しかし、なぜ釣果に差が出るのでしょう。初心者と上級者の違いはなんなのか?
今回はアジングの上手い下手を分けているポイントを考えてみましょう。
前提として明確な境目は存在しない
タイトルを覆すようで申し訳ございませんが、「上手い」と「下手」の明確な境目は存在しません。
釣りは基本魚との勝負ではありますが、勝率という定義に一度当てはめるために、人間同士の勝負に当てはめ、仮に勝者を「多く釣った方の勝ち」。そして上手いといえる基準を勝率5割としましょう。
となると、結構この勝率5割を分けるのはかなり難しい。運の要素が介在する釣りという分野においては、普段の勝率が悪い人間でも、勝率が高い人間より日によって釣果がいいことが普通にあるのです。
ただし、平均した釣果だと、上級者が勝つ可能性が高い。では上級者は運が強いのか? というとそれも少し違うのです。
釣りのプロは実は存在しない?
そもそも日本において、釣り業界でプロが存在するのはバスフィッシングだけです。
バスプロについてはちゃんとしたプロ団体があるので、大会で実績を出してプロ団体に入ればバスプロとなります。賞金ももらえるようになります。
しかし、他の釣りにおいてはそういったプロ団体はありません。
でもさ。メーカーさんのホームページとかによく出演している人がいるでしょ? テレビに出てる人もいるし
あれはテスターさんですね。各メーカーと契約して商品をもらったりして簡単な契約だとSNSやブログにレビューを乗せる。金銭が発生するレベルだと雑誌社やテレビを通してテストしたり、メーカーのホームページで商品の良さをアピールしたりしています。
へぇ。てっきりみんな、すごいお金もらってるんだと思ってた
テスターの大半は本業の合間で仕事を請け負っているそうだ。商品が送られてくるだけで、金銭が発生しない契約も普通にあるぜ
テスターだからといって、釣りがうまいとは限らない?
でもさ、テスターさんってやっぱりみんな上手いんだよね! あこがれちゃうなぁ
……期待させておいて悪いが、テスターが上手いとは限らないんだ。……まぁ初心者とはいえないがな
まぁ、各メーカー基準が違うため、実力をどこまで判断されるかはあいまいなのですが、テスター=上手いは間違いといえるでしょう。
だってテスターってようするに、商品を宣伝して販売に結び付けるのがお仕事でしょう? そりゃ釣れた方がいいに決まってますが、釣れなくても拡散能力が高いなら、販売には結びつくでしょう。
なんかそれサギっぽくない?
まぁ、釣りが上手いからって文章能力が高いとは限らないからな。こればっかりは仕方ない事情もあるんだよ
その辺本当に難しいところなんですよね。僕も正直レビュー記事はめちゃくちゃ悩みますから。
一番無難なレビュー記事は「商品の利点だけ説明するから、弱点はみんなで考えて使い分けてねー」というパターン。まぁこれが一番当たり障りないですしね。
教えられるだけじゃ釣りはつまらねぇ。どのみち釣果を上げるためには自分で考えて答えを導き出すことが大切だ
釣り人なら、自分の道具の弱点も自分で考えてみなさいってことね
あえて違うとするなら、アジへの思い?
少し脱線しましたので話を戻しましょう。
もし、上級者と初級者の違いがあるとするならば、それはアジングにおける気持ちの持ちようだと思います。
え? 精神論じゃん
と、思われるでしょうが、実は少し違います。
一番わかりやすいのが高い釣り具と安い釣り具のお話。
はっきりいいますが、高い釣り具を買ってどのくらい釣果が上がるかといえば、1割も上がるかどうかわからないくらいのレベルといえます。腕が悪いと高い道具を活かす前に釣果を逃してしまいますし、腕が上がると今度は安い竿でもアジを釣っちゃいます。
ただ、その1割以下にこだわるかどうか。長い目で統計すると、結局は高い道具で釣果は上がるわけです。
道具以外の要素もそうです。マズメに常夜灯、潮目。どれもアジがいると断言できるものではありません。しかし、このちょっとした確率上昇の積み重ねで、釣果は確実に上がっていくわけです。
ちょっとした確率上昇を見逃さないことが、釣果を左右するというわけです。
なぜ釣れるのかを常に考えることでアジは釣れる!
では他にもアジングの釣果を上げる要素はないのでしょうか?
それこそ「どうしてアジがワームを食べるのか」を突き詰めれば釣果は自然と上がります。問題はそれをどこまで突き詰めるか。
まず基本は、エサのイミテート。ルアー釣りである以上「エサに似せる」という大前提はほとんどの釣法で変わりません。
アジングで釣れる範囲なら、基本的にエサはプランクトンとなるため、プランクトンがどういう理屈で集まり、どういう風に流れてくるのかをとにかく予想しておくことが大切です。
でも、たまーにそれよくわかんなくなるんだよね。だってさ、どんなエサだろうが、結局はプランクトンの周りに集まるんでしょ。だったら、プランクトンでもベイトフィッシュでも同じじゃない?
ところが、結構な違いがあるんだ
ですね。例えばエサが魚、ベイトフィッシュの場合。ベイトフィッシュは基本流れに逆らうように頭を向けています。これはエラ呼吸しやすいためなどさまざまな理由がありますが、トレースコースは基本的にこの行動を前提として組み立てます。
しかし、プランクトンの場合はほぼ遊泳力がありません。なので、流れに逆らうように動かすと違和感となります。なので、基本は流れに沿うように動かします。
プランクトンパターンで、どうしても流れに逆らうように投げるしかない場合も、考え方は変わらず、エサにイミテートすることを突き詰めれば必ず答えはでます。
ちなみに僕ならスローフォールを意識し、できるだけ大きな円を描くようにドリフトさせ、食いの間を長くとります。僕ならこうしますが、当然これも一例です。人によっては別の狙い方をするかもしれないし、フィールドによっては別の狙い方もあるのです。
人のいうやり方をやるだけじゃなく、自分の頭で考えるのが大事ってわけね
その通りだ。……ただ、ビギナーはとりあえず最初はものまねだけやることに集中した方がいいな。アクションのバリエーションは、いろいろ慣れてからだ
ゼロテンションを極めろ
アジング上級者の論争でもう一つ基準といわれることがあります。それがゼロテンションです。
ゼロテンションとは、フォール時のテンションのハリを張らず緩めずの絶妙な状況を保つこと。アタリが取れるギリギリのハリを維持しつつ、食わせやすいフォールを演出します。
このゼロテンションは、張り過ぎても緩めすぎても違うフォールになってしまうので、上級者の基準として意識している人も多いです。
うぅ……難しいかも
いきなりできるもんじゃねぇし、そもそもゼロテンションがいつもはまるってわけでもねぇ。最初のうちはとりあえずちゃんとラインを張ってアタリを取ることに集中した方がいいと思うぜ
まとめ 開き直りも重要!
いかがでしたか?
まぁ、偉そうに上級者、初級者と語ってきましたが、最初にお話しした通り、テスターさんでも釣りがあまりうまくない人はいますし、運の要素もあるため、あまり思いつめるのもよくありません。
ときには開き直って楽しく釣りをすることが大事ですよ。
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