現在加速的に釣り禁止、立ち入り禁止の釣り場が増加しています。
しかし、現状そうなっても仕方ない部分があります。このままだと良くて釣り場の有料化。釣りのライセンス化、最悪日本国内での許可のない釣りを全面禁止となる可能性も否定しきれません。
ふざけんな! 今まで釣りができていたのに何でできなくなるんだ! 誰の許可でそんなこと言ってるんだ!
と思われた方。おそらく一番大事な部分を勘違いされています。そもそも誰の許可で釣りをさせてもらっているのか、わかっていません。
ここでは釣り業界最大の危機。そしてそれに対して釣り人ができることをご紹介します。
釣り場はみんなのもの”じゃない”
釣り人が絶対把握しておかなくてはいけないのは、「釣り場はみんなのものではない」ということ。もちろん釣り人のものでもありません。
堤防は公園などと違い、他人の敷地。たとえるならほかの家の人の庭です。具体的には漁協を始めとした漁師さんたちのもの、あるいは市や誰かしらの土地だったりします。
つまり、釣り人は今まで他人の敷地に勝手に入ってきて、勝手に竿を出して勝手に釣りをしていたわけです。
なら、なぜ今までは釣りができていたのかといえば、土地の所有者の理解を得られていたから。自分の土地を開放して「日本人釣り好きやからなー。自由に釣りしてええよー」って言ってくれてたのが、今までの釣りです。親切で許可していたのに自分の庭で迷惑行為やり始めたら、そりゃ鍵かけますよね。
「俺らの税金で堤防作ったんなら俺らが自由に使えるのは当然やないか!」という言い訳を切る
なんとなく公園のようなものと勘違いしているのかもしれませんが、ほぼすべての漁港は国費で作られており、税金は使っていません。だから、見出しのような言い訳は全く通用しません。
そもそもこの理屈が通ると思ってるなら、あなたの家の前でどんちゃん騒ぎをしてもいいということになります。だって僕らの税金で道路整備をしているんですから。それをどう使おうが僕らの勝手ということですよね?
子供じみた言い訳をするのは恥ずかしいと思いましょう。何度も言うようですが、釣り場はみんなのものではありません。誰かしらが所有している土地です。ありがたいことに、今まで使わせてもらっているということを忘れないようにしましょう。
今まで釣りができていたは通用しない
「今までは釣りができてたやないか!」という言い訳をテレビで見たことがあります。前述したとおりまったく通らない話ですが、ただ、マナーだけが問題じゃないケースもあります。
たとえ土地の所有者が「本当は、自由に釣りしてほしいんだけどね」と思っていても、立ち入り禁止にしないといけない理由があったりします。有名なのはソーラス条約でしょう。
有名映画になったあの事件がきっかけ!? ソーラス条約
ソーラス条約ができたきっかけは、30代以上のおっさんなら絶対知っているであろう、あの映画の元ネタとなるタイタニック号沈没事件です。
簡単に言えば「世界中の国で人命救助のための条約を作りましょう」ってこと。ただ、この条約もいろんな事件がきっかけで肉付けされていきます。その最たる例が「9.11同時多発テロ」です。
9.11といえば飛行機をジャックして、アメリカのワールドトレードセンターに突っ込むという痛ましい事件ですが、一見すると海とは関係ないように思えますが、そうでもありません。だって、テロは別に飛行機の専売特許じゃありませんから。防犯の観点から鉄格子も必要なケースも当然発生するでしょう。
こうした釣り人以外の理由も、立ち入り禁止の中にはあるということを理解しておきましょう。
ゴミ問題だけと思ったら大間違い! 釣り人の迷惑行為
駐車の問題
マナーを守って近隣の有料駐車場などを利用してくれるならいいのですが、漁港の空き地などに車を止めるケースが結構あります。漁業関係者以外進入禁止って書いてあってもくるもんだから、本当に厄介です。
堤防に広く開けられた土地は本来、網を広げて乾かしたり、ゴミを取り除いたりするための場所なので、そんなところに車停められたらそりゃ迷惑です。一見すると意味のない空き地に見えますが、ちゃんとした設置理由があるんですね。
車を利用して釣りをするのは結構ですが、誰でも利用できる駐車場に停めましょう。距離があっても、有料でも必ずです。要するに少しは歩けってことです。
騒音問題
特にアイドリングストップをする人。
絶対やめてください。
気持ちはわかります。冬とは寒いですし、あったまりたいですよね。
でもあなたが寝ているときに、あなたの家の前でエンジンふかしたまま毎日のように来る奴がいたらどうですか? 寝られないでしょう。
漁師さんの中には、朝早いから職場で寝ている人もいます。そんな中アイドリングストップでずーっとヴォンヴォンされたら、ブチギれますよ。
当然そのほかの騒音も気を付けましょう。話し声もできる限り抑えてください。
ロープや船などにルアーを引っかける
船の近くというのは釣れます。これは理由もありますし、実際、僕も船の近くで狙うこと自体はあります。
ただ、キャストはしません。穴釣りみたいに下に落としてみるだけです。キャストしたとしても絶対にロープや漁具などに絶対引っかからないように投げてます。大半の船の近くで釣りをしているプロはこの配慮ができています。
ただ、これを真似しようとして素人がやると、大体ロープに引っかけます。
こういったロープは、後々漁師さんが引っ張って作業をするわけですが、ルアーがついてることに気付かずハリが刺さり大怪我をするという、大変な事件が実際発生しています。
基本的には、船の近くやロープのそばでは釣りをしないように配慮しましょう。やったとしても、絶対引っかけないという確信がある場合のみです。
また、船が目の前を通るときは、必ず仕掛けを回収しましょう。たった一人がこの配慮をしなかったせいで閉鎖された釣り場もあるのです。
ゴミ問題
ゴミのポイ捨ては当然ご法度。当たり前です。あなたの庭、何なら会社にゴミを投げ入れてもいいんですか? よくないですよね?
ただ、堤防に設置してある、ゴミ箱もなるべく使わないように配慮してください。だってそれお金を払って捨ててるの漁師さんたちですから。「なんでお金払ってあなたたちのゴミも捨てなきゃいけないの?」ってなるのは当然です。
さらに、エサや弁当などを漁師さんたちが用意したゴミ箱に捨ててしまうと、カラスや海鳥が食べにやってきて、フンなどの公害が生まれます。結果漁師さんたちがでかい損害を被るという結果に陥ることがあります。
下のようなゴミ用のケースも持っておきましょう。便利なのももちろんですが、ゴミを整理する意識もしっかり持つことができますよ。
有料釣り場に対しての理解をしよう
これだけ問題があっても、さらに解決しきれない問題があるんです。
たとえば、トイレの問題。釣り場の近くにトイレが設置してあるケースは多いですし、それを使うなとは言いません。漏らして末代までの業を背負うくらいなら、トイレを使ってください。
ただ、そのトイレ、誰が清掃しているのでしょう? 大半は漁師さんたちです。また、大体漁港に設置してあるトイレは汲み取り式ですが、その汲み取る作業は誰がやってるのか? そのお金は誰が出しているのか? 当然大半は漁師さんたちです。だから、有料の釣り場だったり清掃協力金の徴収だったりがあるわけです。それに協力しなかったら、まぁ釣り禁止になりますよね。
前述したゴミ問題もそうですが、堤防の清掃に対する労働や、それに掛かるお金の大半は、漁師さんが出してます。なので有料の釣り場がある場合は快く支払いましょう。
とりあえずできることからやろう
つ、釣りのマナーってこんなにあるんだね……全部覚えられるかな?
もちろん、全部最初から完璧にできるなら、それに越したことはありません。ただ、釣りのやり方も覚えなければならない初心者にマナーも完璧にしろというのは、それはそれで難易度が高いもの。
なので、せめて以下の三つだけ守ってください。
これさえ心掛けておけば、マナー違反の大半は守れるだろう。
まとめ そもそも釣りに関して規制が緩いのは日本くらいなもの
こんなに厳しい現状を話すと、海外も気になると思いますが、海外は日本よりもっと厳しいです。ライセンス式になっていたり、罰金も高かったりと、ここまで緩いのは日本くらいなもんです。
今後、釣り業界は大きな転換点を迎えるかもしれません。僕としてもライセンス制の導入が、一番あり得るかなと思っています。
アジンガーとして、ぜひ皆さんも真剣にこの問題に向き合ってください。
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