釣りにおいて切っても切り離せない根掛かり問題。水中に刺さりやすいハリを入れると言う時点で、切っても切り離せない問題と言えるでしょう。
特にアジングは細糸を使う分ルアーをロストする可能性は非常に高い。いくら単価が安いとはいえ、繰り返せば結構な金額になりますし、根掛かりはできるだけ避けたいもの。
今回は根掛かりの外し方と回避方法を解説します。
まずはアタリと根掛かりの違いを把握しよう
初心者と上級者の境目は結構曖昧ですが、仮にボーダーラインを引くなら「ある程度のアタリと根掛かりの違いを把握できるかどうか」でしょう。
これは非常に感覚的な問題になるため、文章化はまず不可能ですが、強いてヒントを出すとすれば、根掛かりは動かないけど、魚は動くと言ったところでしょうか?
例えば、手元にブルブルと言う感触があれば魚であることは誰でもわかるでしょう? 岩にバイブレーション機能が搭載されてるわけでもあるまいし。
理屈はこれと一緒。相手が大なり小なり動くと言うことは、アタリの一瞬でもある程度の変化があります。この変化でアタリかどうかを見極めることから初めてみましょう。
とはいえ、根掛かりをアタリと間違えるミスはプロでもよくある話だ。まずは釣った経験を増やすこったな
根掛かりは初期対応が大事!
では、実際根掛かりしてしまった時はどうすればいいのでしょう?
一番ダメなのは、根掛かりしたからと言って思いっきり引っ張ること。気持ちはわかりますが、これが一番最悪です。
言ってしまえば、根掛かりの原因である対象物に対してフッキングを決めてるようなもの。魚を逃がさないためのフッキングなのですから、根掛かりに対してそれをやっちゃえば外れないのも当然です。
「ロッドが軽く曲がるのすらよくない」と思うくらいがちょうどいいです。とにかく最初は引っ張らないことが重要です。
初期対応1 思いっきり緩める
根掛かりをしたら最初は思いっきりラインを緩めましょう。ベールを起こし、完全にフリーになるまでラインを出します。
場合によってはこれだけでも根掛かりが外れることもあります。シンカーの重みでフックが外れるというわけですね。
初期対応2 軽い力でちょんちょんと数回引っ張る
次に、穂先から出ているラインを手で持ち、ちょんちょんと軽く手で引きます。
外れるまで徐々にテンションをかけるようにしてみましょう。
掛かりが浅ければ、これだけでも十分外れます。
根掛かりが取れたらロッドを立てて巻き上げよう
よし! 根掛かり外れたー。……って、また引っかかった!?
さすがにこのようなパターンは楓が悪い。根掛かりしたあとまた誘いたくなる気持ちはわかりますが、まずは根掛かり地帯から抜けることが先決です。
そのためには、ロッドを起こし、少し早めに巻き上げるのが手っ取り早いです。
そのまま回収してしまうのも悪くはないですが、この動作がきっかけでリアクションバイトするケースもあるので、一度フォールを入れてみましょう。
初期対応でも取れない時の対応法
引く方向や立ち位置を変えてみよう
引っ張る方向を変えるだけで簡単に外れるパターンは案外多いです。
特に岩などの固いものに引っかかった場合は、ガッツリ刺さってるとは考えにくいので、気が抜けるほど簡単に外れたりします。
弓のようにラインを引いてテンションをかけ、一気に緩める方法
初期対応でも外れないなら、さらに強くテンションをかけ一気に緩めることによる衝撃で外すしかありません。
まずはラインを片方の手で軽くテンションが掛かるまで引っ張り、手を離す。ちょうど弓と同じような動きをします。だんだん引く力をこめていくと、衝撃で外れてくれます。
それでもダメなら、竿の曲がりも利用します。スピニングリールとガイドの間のラインを持って同じように引っ張り、手を離して衝撃を与えます。
ただし、あくまで軽く曲げるだけです。あまり無理やり曲げてしまうと、深く刺さってしまうどころか、最悪穂先が折れます。
最終手段 ラインを巻いて引き抜く
ラインが切れる可能性もありますが、最終手段としてラインをまっすぐ引き抜くという方法もあります。
こうすると高確率でラインブレイクするものの、運がよければルアーを回収することができます。
この時も、いきなり力をこめて引っこ抜くんじゃなく、じわーっと力を入れることが大切だ。ほんの少しだが、ルアー回収率が高くなるぜ
仮にラインブレイクをしたとしても大抵ジグヘッドの結び目で切れるので、少しでも海に放置されるゴミを少なくすることができます。
注意 間違えた方法をしないように
うーん。全然取れないよぉ……ラインをハサミで切っちゃえ
こらこら! そんなことをしたら大量のラインが海に残って大変なことになるぞ!
そうですね。根掛かりが外せないからと言ってラインを手元で切るのは絶対NG。そうやって海に残ったラインが魚や鳥を傷つけ、酷い環境問題を引き起こすのですから。
う……でもでも! 今日はPEを使ってて、手で引っ張ると食い込んで痛いんだよぉ〜
確かに、PEラインは頑丈ですし、無理に引っ張ると手を切ってしまいます。
アジングくらいのラインならグローブをつければ十分引き抜けますが、他の釣りだとグローブでも危険です。
こういう時はラインブレイカーを使うのが適切です。アジングでもライン強度が高い時は重宝するので一つ持っておくと便利ですよ。
最悪、ロッドのグリップでも代用できる。傷はついちまうが、海を汚すよりははるかにマシだな
根掛かり回避法を知るとは原因を知ることなり
あーん! また根掛かりだぁーーーー!これで10連続だよぉ!!!!
そりゃ多すぎだ! お前は、まず根掛かりをしない方法を身につけろ
何回も何回も根掛かりして気が滅入ってる人は、なぜ根掛かりをするのか? 楓と一緒に考えてみましょう。
フォール時間の取りすぎ
根掛かりするパターンで多いのが、フォール時間の取りすぎ。
いくらアジがフォールで食べる魚だからって、何十秒もほったらかしでフォールさせてたら地面に辿り着いて、流され、引っかかるのは当たり前です。
それに、根掛かりしないとしても、アジのいるレンジを外してしまうので、釣果にも影響してしまいます。
あくまで僕の感覚ですが、大体5秒前後。長くても10秒くらいを目安にフォールの時間を計算しています。
まぁこれも潮の流れによって感覚は変わる。払い出しの潮なら、フォールスピードは落ちるはずだし逆もまた然りだな
根掛かりしやすい場所を狙いすぎ
特にバス釣り経験者に多いトラブルですが、ピンポイントの場所を狙いすぎというケースもあります。
確かにアジングでもストラクチャーの概念はあります。何もない海よりは、ストラクチャーを絡めた潮の流れが変わるポイントの方が釣れる確率はぐんと上がります。
だからと言って、バス釣りのようにタイトにストラクチャーを攻める必要はありません。アジは基本群れで行動する魚なので、いるとしたらストラクチャーの周りに群がっています。つまり少しくらい離しても釣れる可能性はほとんど変わりません。
船の周りを攻めたい場合は特に注意。ロープに掛かってしまうと、高確率でロストする上、漁師さんがロープにかかったルアーを握ってしまい大怪我をしてしまう原因にもなります。犯人が特定されづらいとは言え、普通に賠償責任ものです。
最初のうちは、船の周りを避けておいた方が無難でしょう。慣れてから絶対にロープに掛けない自信があるならせめてもいいでしょう。
まとめ 根掛かりしても落ち着いて対処すること
いかがでしたか?
ともかく、根掛かりしたらまずは一呼吸置くなどして落ち着きましょう。
ルアーをロストしないようにと言うのももちろんそうなのですが、何より海を汚さないためにも、根掛かり回避をしてください。よろしくお願いします。
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