夏は豆アジのシーズン。比較的アタリが取りやすく釣りやすいとされる反面、極小のアタリに悶絶すること間違いなしのユニークなシーズンです。
アジング初心者はもちろん、玄人が修行するのにも最高のタイミング! しかし大きな落とし穴も待ち構えているのです。
今回はスキルアップにオススメな、夏の豆アジシーズンの攻略法をご紹介します。
夏アジングはどんなシーズン?
そもそも、夏のアジはどんなシーズンなのでしょう?
まず、春にいた大型アジの大半は、沖に行ってしまいます。特に尺を超えたサイズは、プランクトンでは満足いかなくなっている可能性が高いため、よりイワシなどの小魚を捕食しやすい沖に出て、やがて船サビキで釣れるような、ギガアジクラスになるわけです。
その代わり、堤防に居つくのは、春の乗っ込みやそれ以前に生まれた小アジ。これが成長し、ワームを捕食できるようになり、豆アジシーズンとなるわけです。
豆アジの定義
と、見出しを出したもの、明確な定義はありません。スズキのような成長したら名前が変わる魚というわけでもなく、釣り人が作った造語のようなものですし、割と感覚論で話す人もいますので、十分なサイズでも豆アジと言っちゃうアジンガーもいます。
一般論で話すと10cm前後からそれ以下のアジを豆アジと呼びます。大まかな表にするとこんな感じです。
豆アジ:~14cm
小アジ:15~20cm
中アジ:20~30cm
尺アジ(メガアジ):30~40cm
ギガアジ:40~50cm
テラアジ:50cm
小さいほど優秀? 豆アジング特有の文化
豆アジの定義は説明したものの、前述した通りかなりあいまいです。特にエサ釣りをしていた人は、上の定義を見て違和感を感じているかもしれませんね。
どういうことかというと、エサ釣りで言われる豆アジは、おもに10cmにも満たないサイズでエサ取りの代表格とされているから。サビキだと10cm以下でもターゲットに入りますが、フカセの場合だとチヌやグレを狙う事からハリがデカい。その為、エサを取ってしまう厄介な存在という意味で有名なのです。ある意味フグと同列クラスで厄介という意見も聞いたことがあります。
しかし、アジングの場合はその真逆。体が小さいほどアタリが小さいわけですから、小さい魚を釣った人間ほど優秀とされる独特な文化があるのです。
小さければ小さいほど褒められるなんて……なんだか不思議
そのため、豆アジングを楽しむ人たちは10cm以下のアジを「アンダー10」と呼び、釣れた人は称号のように扱われることもあるのです。
まぁ、釣られるアジからしたらたまったもんじゃないだろうがな……。まぁ、俺もアンダー10はよく目標にするから、オレが言えた話じゃないが
ちなみに豆アジは南蛮漬けやから揚げにするとめちゃくちゃ美味しいので、おいしくいただいちゃいましょう。
豆アジに潜む罠 極小ワームは必須だけど……?
豆アジ専用のワームってやつ買ってきた! これで私も豆アジ爆釣だよ!
ま、待った! 楓。まさか最初からそのワーム使う気じゃないだろうな?
そう、実は豆アジング特有の落とし穴が、この極小ワームという罠です。
ええ!? でもパッケージに豆アジ特化って書いてるよ?
確かに極小ワームは豆アジングでは持っていた方がいいアイテムですが、同時にアジに見つけられにくいという大きな弱点があるのです。
そのため、アジがどこにいるかまったくわからない最初の段階で、極小ワームを使うのはよくありません。
まずは掛からなくてOK!2in前後のワームで効率的にサーチ
大事なのは、最初にアジがどこにいるかサーチすること。そのため、序盤は2in前後のワームを使い、広くサーチすることが大切です。
でも、それだとアジがハリまで食べきれなくない?
なかなか鋭い質問ですね。その通り。それでいいんです。
まずは、どこで、どのレンジに、どのカラーでアタるのか把握することが、豆アジ攻略に大切な事なんです。
ちなみに、この後詳しく紹介しますが、このサーチ段階でアシストフックを付けておくと安心です。
極小ワームの使いどころは、アジを見つけてから!
どのレンジにアジがいるか分かったら、今度こそ極小ワームの出番です。同じレンジを通してあげれば、今度こそ釣果につながること間違いなし。
……と、思うかもしれないが、これが案外難しい。ワームを変えるという事はフォールスピードも変わるという事だからな
そうですね。なのでフォールスピードが変化したことも計算に入れて、カウントを調節してみましょう。
また、極小ワームに変えた瞬間にアタリがなくなるという事もあります。小さすぎて発見されづらくなったり、比重が高くなりすぎてフォールスピード上がってしまったり、理由はさまざま。
その場合、ちょうどいいワームサイズを見極める必要があります。そんなときのために、100均ワームやコスパのいいワームを多めに用意しておくといいでしょう。
アシストフックは豆アジングのマストアイテム
ひえぇ……使いこなすの難しそう……私にはできなさそうだなぁ
という方のために、豆アジング本当の必須アイテムをご紹介しましょう。それは「アシストフック」です。
アシストフックとは、単一のハリに短いラインを取り付けたアイテムで、アジングでは、サビキ針を途中で切ったようなものが使われます。
これなら、豆アジがショートバイトしても、アシストフックに掛かるので、高確率でアジを捕獲することができます。ミスバイトをしてもスレ掛かりするので、非常に効率がよくなります。
また、もう一つ注目すべきアイテムが、シマノの「ソアレ カケガミ」というジグヘッドです。これは、ジグヘッドのハリをなくす代わりに、アシストフックを二つ取り付けたという、なんともユニークなアイテム。
弱点は、ハリの曲がりがない代わりにワームキーパーが付いているのですが、ワームキーパーはどうやってもワーム本体が使い捨て状態になってしまうという事。普通に避けますしね。
ただ、元々ワームズレがイヤでワームキーパーを使っている人にはまったく問題じゃないので、イチオシのアイテムです。
豆アジングで本当に大切なのはジグヘッド選び
アシストフックなんて持ってないよぉ……
だろうな……。だが、アシストフックを使わなくても豆アジは釣れるぜ。大事なのはジグヘッド選び だ
アジがワームを加えても、ハリが口の中に入らなければ意味がありません。そのため、豆アジングで本当に重要になるのは、ワーム選びでもアクションでもなく、ジグヘッド選びです。
特にハリサイズは超重要。豆アジを狙うときは、できるだけハリのサイズが小さいものを選びましょう。
ゲイプ幅には特に注意しましょう。ちなみにアジングではオープンゲイプがよく使われますが、オープンゲイプだとハリが若干開くため豆アジだと不利になるケースもあります。
シャンクを長めにして、後ろから食ってもハリ掛かりするように調整するって方法もあるぜ
豆アジは元気!? コロコロ変わるタナに気を付けろ!
あれ……? さっきまで何度もアタックしてきたのに、急にアタリがなくなった……色を変えるべきかな?
いい着眼点だが、豆アジの場合は色より前に変えるべきポイントがあるぜ
豆アジは、タナがコロコロ変わるという性質があります。子供だから元気なのでしょうか?
そのため、アタリがなくなったら、とりあえずタナを変えることが大事です。
豆アジは釣られた経験が浅い分、見抜く力よりタナが変わったことによってアタリがなくなる可能性の方が高いため、アタリがなくなったら、まずはレンジや狙う場所を変えてみましょう。
まとめ 豆アジを制する者はオールシーズンを制す
いかがでしたか?
豆アジシーズンを難なく攻略できるようになれば、すべてのシーズンで強い武器になります。尺アジでもかなり微弱なアタリになるケースがあるため、アジングだけでなく、多くの釣りにおいてレベルアップできること間違いなし。
また初心者でも、アタリが得られる可能性が非常に高いため、いい経験になるはずです、そういう意味ではデビューにもオススメですよ。……まぁ、苦労はしますがね。
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