アジのバイトを誘うためには、ルアーを効果的にアクションさせることが重要です。
そのために、ロッドアクションを加えてリトリーブするわけですが、実際にルアーの動きに直接影響を与えるのはラインです。ロッドアクションもリトリーブも直接ルアーを動かしているわけではなくラインを動かすことにより、それに付随してルアーも動くというわけです。
つまりこのラインをどのように操作するかによって、アタリ感度が大きく変わり、ルアーを自分の思い通りに動かせるということになります。そのために、ラインの管理が重要になってくるわけです。
今回はアジングにおけるラインメンディングの基本と、それに付随して覚えておきたいドリフトについてご紹介します。
ラインメンディングとは?
ラインメンディングとは、簡単に言えば仕掛けを動かす上でラインのたるみを管理しましょうということ。
アジングの場合、初心者相手には毎度のことながら「ラインを張りましょう」といわれますが、厳密にいえば少し違います。正しくは「ジグヘッドの重みを感じられる程度にはラインを張りましょう」となります。いわゆる「ちょんちょん」と引っ張ったときにジグヘッドの感覚があればOK。
風や潮にラインが流されるからといって全部巻き取ってラインを張る必要はありません。とりあえずジグヘッドの重みが感じられるなら、アタリくらいはわかるはずです。(まぁ、もう一つ問題が発生するのですが、そこは後でまとめてご紹介します)
ともかく、緩めすぎず、適度に張る。これがアジングのラインメンディングの基本です。
ラインを張らないことによる問題とは?
一番の問題はアタリが取れないこと。ジグヘッドの重みがまったく分からない状態ならほとんどわかりません。
たまにいるのが「軽量ジグヘッドがいいと聞いたから」といって、どんな状態でも軽量ジグヘッドを使い、結果アタリがまったく取れないという人。めっちゃジグヘッドが流される上にラインも潮に流されてゆるゆるになっているのでそりゃわからんし釣れない。
ジグヘッドの重みがしっかり穂先に届いている場合は、ラインが風に流されていてもアタリ自体は取れます。
もう一つの問題は「アワセが遅れやすくなってしまう」ということ。アジにハリをかけるときは、必ずラインはピンと張っていないといけないことになります。アタリが取れるラインが流された分だけアワセに必要なロッドの動きは大きくなるわけですから、その分アワセ遅れのリスクも増えます。
とりあえず最初のうちは「とにかく張る」と覚えておいて問題ありません。慣れてきて、ラインが風にある程度流されてもアタリがしっかり取れるようになってきたら、最もいいラインの張り加減を見つけ、ラインの緩みも考慮してアワセのストロークを入れるようにしてみましょう。
ラインメンディングを活かしたテクニック ドリフトとは?
ドリフトというと車のテクニックに聞こえますが、それとは関係なく、多くのルアーに使われるテクニックで、ものすごく単純に言えば潮に流しながらリトリーブやフォールなどのアクションすること。
トレースコースが潮に流されてカーブしたように動くことが特徴で、基本流せばドリフトになるため、特に意識していなくてもドリフトといえるアクションをしているということになります。うまいかどうかは置いといて。
ってことは、私もドリフトマスターってこと?
んなわけねぇだろ。ドリフトってのは極めようとすると結構難しいんだぜ。
ドリフトを活かすために必要なのは、ヒットゾーンの把握
この話をする前に、まず理解しておかなければならないのは、アジがいると思われるエリアのこと。ヒットゾーンという風に言われることが多いですね。
ヒットゾーンを選ぶ際に考慮する必要があるのは、「明かり」「風」「流れ」の3つです。
明かりはナイトゲームだとプランクトンの増殖につながりますし、風は上潮の方向に影響します。潮の流れは言わずもがな。流されるベイトを意識するアジングでは重要な要素になります。
ドリフトでは、カーブの頂点で最も食わせやすい形になるので、カーブの頂点あたりでヒットゾーンに入るのがベストということになります。
言うは易し……ドリフトマスターへの道は険しい!?
本来流れは上潮だけではなく底潮も考慮する必要がありますが、そうなるとかなり説明が複雑になりますので、以後、単純に風の方角=潮流の方向という前提でお話します。
まず、単純にラインを張ったと考えた場合。この場合は穂先を支点として円を描くようにトレースコースが描かれることになります。ラインが巻かれることも考慮すると、おおよそ上の図のような流され方になると予想できるでしょう。
これなら私でもわかるよ! ワームが流されるんだからこんな感じのトレースコースになるはず!
さぁて。それはどうかな?
では、ここでラインがある程度流されていると考えてみるとどうでしょう? ここでラインを巻き取ると、流されたラインに沿ってルアーが引かれることがわかるでしょうか? なので、最初の図のように単純な弧を描くことはあまりありません。
そ、そっか……で、でもこれくらいなら……
残念だが、ここからさらに難しくなるぜ
さらに、ジグヘッドの形や重さ、ワームの潮への流されやすさなどが影響するため、確実なトレースコースを描くことはかなり難しくなります。
なので理屈でいえば見える範囲のラインの方向、手元に伝わるジグヘッドの重みなどの情報からトレースコースを予測し、狙いのエリアでルアーが反転するように仕向ける。といった形になります。
うぅ……難しい
感覚と経験がものをいうテクニックだからな。シーバスにつかうトップ系のルアーならまだしも、アジングのドリフトは見えない分、感覚に頼るところが大きい。ま、とりあえずはドリフトで流される方向の法則性だけ頭に入れておいて、あとは経験で身に着けるってとこだな
まとめ 実戦で覚えよう
いかがでしたか? 正直むずかしい内容にはなってしまいますが、ドリフトの理屈は頭に入れておいて絶対損はありません。
ドリフトを完全マスターして、自分の思い描いたトレースコースでヒットしたときの達成感による喜びは格別ですよ。
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