電動アシスト自転車。免許が不要で坂道でも楽々移動できる。しかもガソリン代がいらないとかいう高コスパアイテム。
釣りの荷物を積んで激坂を漕ぐことができるという時点で、僕もこのアイテムに惚れ込んでいました。
しかし、実際に使っていると思わぬ落とし穴が……。その結果電動アシストからアシストなしの自転車に乗り換えることになりました。
今回はその理由と自転車の選び方を解説していきます。
電動アシスト自転車の魅力――“楽に釣り場へ行ける”と思ったが…
メリットは間違いなくあります。漕ぎ出しが軽くて、坂道もスイスイ。体力を温存できるので、釣り場に着いた時点で疲れていないのは本当に快適。
ランガンでも乗り回せるし、僕の最初に選んだアシスト自転車は押し歩き機能も搭載されており、堤防にスロープがあっても快適に移動できるのでとにかく使いやすいです。
「これは釣行スタイル変わるな!」と感動したのも事実です。しかし、いざ何度も使っていると見えてくる問題点が……。
実際に使って気づいた“大きな落とし穴”
スポークの故障率が高い――今回手放した最大の理由
今回電動アシスト自転車を手放すことになった最大の理由は、スポークの故障率の高さです。
自転車協会に確認したところ、そもそも通常の自転車より、電動アシスト自転車はスポークの故障率が高いそうです。この理由は以下の通り。
・足に加えてモーターのパワーも加わるので、加速時に通常の自転車よりホイールへのダメージが大きい
・車体が重たいため、サークル錠を閉じたまま漕いだ場合のダメージがでかい
・積載過多に気付きにくい。大量に荷物を積んでいても結局こげてしまうから
僕の場合は、なんと購入から1年経たずにスポークが4回。一回につき4〜6本も折れてしまいました……。
しかも僕が上記の問題を知ったのが、1回目の修理時なので、それ以降は積載量を少なくしたり、サークル錠を確認するのはもちろん、スタンドから下ろすときも、ゆっくりしたり少し持ち上げてから漕ぎ出したりと色々工夫してたんですよ? それでも折れるというね……。

なにそれ!? そんなの使い物にならないじゃん!

僕もさすがにこの故障率は不良品だと信じたいです……。メーカーや自転車屋は否定してますが、これがデフォルトだとすると、もはや電動アシストは使い物にならないですからね

一応フォローすると、タヌキはADHDだし注意力が足りずに故障した可能性や、元々購入した自転車が、軽量型だったため、他の商品よりは壊れやすかったこと。さらに偶然スポークが壊れやすい事象が重なった可能性もあるがな。

でも自転車についてはちゃんと自転車屋に自分の体重や使う用途は話てから相談してますからね! ……まぁ押し歩き機能がついている機種が少なかったので、結局今回の自転車になったというポイントもあるし、お店の人もまさかこんなに壊れるとは思ってなかったでしょうけどね……。
ちなみにこの件、メーカー側が検証する場合、有償になる可能性があるとのこと。現在消費者センターと協議しながら進めていますが……上記の通り不注意で壊した可能性があることも事実なので、難航しそうですね……。
バッテリー切れの恐怖
「帰りにバッテリーが切れたらどうする?」
これが地味に怖いです。特に夜釣りで長時間ライトをつけてたり、寄り道して遠回りしたりすると残量が不安に。
バッテリーが切れた電動アシストは、もはやエクササイズバイク。普通のママチャリよりめちゃくちゃ負荷が大きいのです。
ただでさえママチャリは自転車の中でも重たい方なのに、さらにモーターや電池が入るんです。そりゃきついですよ。

ただ、一部の電動自転車。特にe-bikeは電源入れてなくてもそれなりにこげたりします。購入前の試乗で試しておくといいでしょう。
積載力の限界
釣具って案外かさばりますよね。クーラーボックス、ロッドケース、タックルバッグ…。
電動アシストは荷台付きが多いけど、それでも積載には限界があります。安定感がないと倒れるリスクもあるし、結局「持ち物を減らすしかない」って状況に。
さらに先ほどのスポーク故障率の問題もあります。結局自転車のリアキャリアの積載量自体は通常の自転車も電動アシストもさほど変わらないのです。

パワー的にはこげるのに、乗せる量は制限しないといけないってなんだか矛盾だね……
電動アシストは重量が重い
電動アシストって本体がとにかくクソ重い!
通常の自転車と違って加速力と速度に大きな影響はないものの、漕ぐ事ができない小スペースで方向転換するなどの、自転車を抱えて移動させるシチュエーションは割とあります。
その度にバーベルの代わりに自転車を持ち上げるのは重労働です。

か弱いアタシには重たいかもぉ〜(媚)

美穂ちゃんこの前、片手で自転車持ち上げてたよね?

へへん! これでも毎日筋トレを欠かしてないからね
意外と速度が出ない
意外と思う人もいるかもしれませんが、電動アシスト自転車よりはクロスバイク、ロードバイクの方が圧倒的に速いです。
加速こそ電動アシストは利点があるものの、ある一定の速度まで到達すると、電動アシスト自転車はアシストしなくなります。
実際僕が電動アシストで出していた平均速度がだいたい12km/hくらい。ロードバイクは20km/hは出せるので、まぁ遅いです。
ただ、頑張って踏み込めば当然それなりに速度はでます。結局は筋肉ですから。ただ、早く移動したいという使い方であれば、ロードバイクが最適解です。
他の自転車との比較

じゃあ、他の自転車だとどうなんですか?
ということで、釣行視点でのメリット・デメリットをまとめてみました。
自転車タイプ | メリット | デメリット |
ママチャリ | 積載力◎、荷台・カゴで道具が積みやすい。安価。 | 長距離・坂道に向かない。電動なしなのにそれなりの重さがある |
クロスバイク | 軽快でスピードも出やすい | 積載力が弱い、泥よけがない場合あり |
ロードバイク | 長距離・スピード最強 | 積載力はないに等しい。釣りだとかなり制限されてしまう。 |
マウンテンバイク | 悪路・段差に強い | 積載量は意外と少ない。またリアキャリアなどがつけられないケースも多い。 |
電動アシスト | 坂道・漕ぎ出し楽々、体力温存できる | 重量・バッテリー・積載量など隠れたデメリットが多い |
さらに付け加えると、「クロスバイク」「ロードバイク」「マウンテンバイク」にはそもそも荷物を乗せる機能が初期装備についていません。なので、釣り用と考える場合は、ほぼ確実に追加料金が必要となります。

うぅ……そっか。釣り用にママチャリ以外を買おうと思ったけど……お小遣いが足りないかも

アジングならリュックに入るくらいの量でも成立するので、そんなに心配する必要はないと思いますよ。ただ、キャリアがある方が疲労が軽減できるので、自転車を先に買って、後から追加で買うようにする方がいいかもしれませんね
ちなみに僕が今回のことを踏まえて選んだ自転車はログアドベンチャーです。キャンプ用自転車としても人気なマウンテンタイプですが、積載量と拡張性が高く、人気の高い商品です。
釣行スタイル別おすすめ自転車はこれだ!
以上のことから、それぞれの自転車の釣りにどのくらい適しているかを評価してみました。
自転車タイプ | 速度 | 積載量 | 移動距離 | 体力消耗量 | 本体重量 |
---|---|---|---|---|---|
ママチャリ | × | ⚪︎ | △ | × | △ |
クロスバイク | ⚪︎ | △ | ⚪︎ | △ | ⚪︎ |
ロードバイク | ◎ | × | ◎ | △ | ◎ |
マウンテンバイク | △ | △ | ⚪︎ | ⚪︎ | ⚪︎ |
電動アシスト自転車 | × | △ | ⚪︎ | ◎ | × |
安価+近場+積載量多め → ママチャリ
軽装+移動距離中くらい → クロスバイク
装備はリュック程度の超軽装なら → ロードバイク
キャンプで山でも使いたい→ マウンテンバイク
坂道多い+体力温存したい → 電動アシスト
個人的にアジングでおすすめの自転車はクロスバイク。アジングだとかなり荷物を少なくできるので、リュックだけでも十分。
ロードバイクよりはタイヤが幅広で車体も軽量。拡張性も高いので、ロッドスタンドやリアキャリーをつけて自分好みに仕上げるのも楽しいですよ。
次にマウンテンバイク。本来荒れた山道を走る目的のマウンテンバイクですが、海沿いは結構荒れた地面も多い。車やバイクなら軽い段差ですが、自転車にとっては結構な振動になります。
振動があると当然転倒を防ぐために筋肉を使うため、それなりの体力を使います。なので、少しでも衝撃を和らげるために、サスペンションや幅広のタイヤはありです。
ただし、クロスバイクにせよマウンテンバイクにせよ、その多くが初期装備ではキャリアも前カゴもありません。そもそもつけることができない車種も多いのでご注意ください。
初期装備である程度の荷物を乗せられるものを選ぶなら、ママチャリか電動アシスト自転車。ママチャリは圧倒的な安さがあるので、とりあえず自転車釣行をやりたいならおすすめです。
本体重量こそ問題ですが、まぁ結局疲れることに変わりないと考えれば、ママチャリも全然ありです。
電動アシスト自転車は、僕が今回たまたまハズレを引いたものの、やはり疲れにくさと坂道でのトルクは魅力です。
とにかく楽に釣り場へ移動したいなら電動アシスト自転車。ただしそれなりにお値段するので覚悟は必要ですね。
一番向いていないと言わざるを得ないのはロードバイク。あの自転車は車道で速度を出す場合は利点が多いのですが、荷物を持った状態で走るのはあまり向いてません。
ただし、アジングの場合はかなり荷物を少なくすることができるので、使えないとまでは言えません。ロードバイクでも十分楽しむことができるでしょう。
なので、自転車も本格的な趣味にしたくて、釣りもついでに楽しみたいならロードバイクという考え方もいいでしょう。そういう意味ではアジングとロードバイクはいい組み合わせですよ。
例外 やはり折りたたみ自転車が最強か?
とある前提条件を踏まえれば、釣り用自転車の最強格は折りたたみ自転車といえます。そのため、実際に釣り用自転車を調べると、まず間違いなく折りたたみ自転車がでてきます。
その前提条件というのは、堤防内以外は車で移動するというもの。釣り人は平気で県外に出るレベルの長距離遠征をするので、やはり最強の組み合わせとなると、車+折りたたみ自転車となるのです。
……まぁ、それ言っちゃうと身も蓋もなさすぎるので今回は特別枠での紹介とさせていただきました。ただ、素晴らしい商品であることは疑い用もありません。自動車を持っているなら購入を検討してみてもいいでしょう。
まとめ 釣り人にとっての最適な自転車選びとは
いかがでしたか?
電動アシストは便利だけど、決して万能じゃありません。
「釣具をどれくらい運ぶか」「釣り場までの距離や道のりはどうか」――この2つを基準に選ぶのが一番失敗しないコツだと感じました。
自分に合った自転車を選ぶためにも、それぞれの特徴をよく理解しておきましょう。
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