アジングで、ものすごくよく聞くお話の中にフォールスピードというものがあります。
ざっくりいうとゆっくり仕掛けを落とせばアジも食いやすいし、じっくりアピールできるよねっていうkことなんですが、実際にどうやってフォールスピードを調整するのかよくわからないという人もいるでしょう。正直僕も座学的なお話は知っているものの、実際にどんな動きをするかは懐疑的でした。
そこで、今回自分自身の勉強という意味も込めて、小さな水槽を購入し検証してみました。なかなか面白い結果になりましたので、今回お話してみようと思います。
フォールの基本 フリーフォールとカーブフォール(テンションフォール)
さて、まずは基本のお話。アジングで使うフォールの種類は、大きく分けて二種類あります。
まずは、フリーフォール。ラインのテンションをかけずにジグヘッドをそのまま落とす方法。まっすぐ落ちていくのでフォールスピードが速いことが特徴です。
フリーフォールは基本的にキャストごのタナ取りに使われることが多く、リアクションバイトを誘発させるためのテクニックとして用いられることもあります。しかしこれで食わせるということはあまりありません。
次にカーブフォール。テンションフォールともいいます。ラインを張った状態で落とす方法で、穂先を中点として円を描くように落ちていくので、非常に食わせやすい落とし方になります。
アジングでは基本的にこのカーブフォールで食わせるということになります。「ロッドを徐々に上げる」「逆に下げてラインを送り込む」などの派生形はありますが、アタリが取れる程度にはラインを張るという前提はみな同じです。
ワームはブレーキ ジグヘッドは加速力と例えて考える
さて、ここからは僕なりの考え方で説明していきます。
まずジグヘッドの重さ。これは言うなら加速力と考えています。
あれ? ジグヘッドって重ければ重いほど沈むスピードが速くなるんじゃないの?
基本的にはそうだな。ただ、理屈としては沈むスピードの速さは、重さというより比重が大きい方が重要だ。ほら。ジグヘッドよりはるかに重たい船や水草だって浮くだろ?
比重とは?
ある物質の密度とそれと同じ体積の基準となる物質の密度との比のこと。ちなみに真水が1として比較され、海水は1.02~1.03とされています。
まぁワームも含めた比重で話すと、ジグヘッドの重さを上げれば比重は大きくなるわけですから、重くすればより速く沈むということになりますが、ジグヘッドのみで沈めた場合の、いわゆる最大速度はほとんど変わりません。
じゃあ、ワームがブレーキって例えは、比重が小さくなるから沈みにくくなるっていうこと?
そうですね。ワームの体積を大きくすれば大きくするほど、比重が小さくなり、沈むスピードも落ちます。試しにイージーシェイカーの3.5inのような、アジングワームの中でも最大ボリュームなワームを付けて足元に沈めてみてください。フリーフォールでもはっきりわかるくらい沈むスピードが遅くなりますよ。
フォールスピード調整にはワームの形も大事
さて、フォールスピードを調整するには比重以外にもポイントがあります。
それはリブ。ワームに無数にできた溝のことですね。このリブが多く、深いほど水の抵抗が掛かりやすくなる。つまり潮流に流れやすく、沈むときの抵抗も増えるわけです。
水槽で試した結果、ワームの形状を変えるだけでもワーム形状が小さくてもスローになることがわかりました。
そのほかにも細かい違いも分かるので、結構便利ですよ。……できればもっと大きな水槽が欲しいところですけどね。
よくある勘違いを切る!
よくある勘違い・1 ジグヘッドを軽くしただけじゃ変わらない?
ジグヘッドを軽くしたとしても、たいして変わらないというお話を聞いたことがあります。確かに0.2~0.3g程度変えただけだと、様々な条件を加味しなければ、普通そこまで変わりません。
ただ、その根拠としてフリーフォールで検証している人がたまにいます。
それまったく意味ありません。
前述したとおり、フリーフォールでアジを食わせることはまずありません。フォールが速くなるからですね。なんで速くなるのかというと、雷とかと同じで、水の抵抗を受けにくい形になるようにうねりながら落ちていくからです。自転車が下り坂で、ブレーキを緩めているような状態です。そんな状態で比べてもさほど違いは発生しません。
じゃあ、カーブフォールの場合はどうか。水の抵抗によるブレーキが利いていますので、「ジグヘッドの加速力がブレーキに勝った分のスピードで沈む」ということになります。そうなると、ジグヘッドの重さが変われば、その分フォールスピードが変わるわけです。
さらに言えば、リグ全体の比重が小さくなった分流されやすさも上がります。
とはいえ、0.2~0.3gだとさすがに微調整レベルです。場合によってはジグヘッドを変えるよりワームを付け替えた方がスローに落とすこともできますので、アジのサイズなどデータと総合して考え、ジグヘッドを変えるべきか、ワームを変えるべきか考えてみましょう。
よくある勘違い・2 アジは吸い込みバイト?
「アジは吸い込みバイトだから、軽量ジグヘッドは食う」メーカーさんがよく使うこの文言ですが、これ多くの人が間違いと言われています。……というより、メーカーが嘘をついているというよりも「嘘っちゃ嘘だけど、分かりやすい表現ってこれくらいしかない」というお話になります。
まず、アジが海水を吸い込めるのかといえば、吸い込めません。
人間には肺があるので、肺を膨らませることで吸い込ませることができます。しかし、ご存じの通りアジには肺がなくエラ呼吸です。少なくともアジには、体の構造上に吸い込むという食い方は不可能です。
じゃあ、どうやって食ってくるのかというと、泳ぎながら口を開け海水ごとエサを食べるのです。これがいわゆる吸い込みバイトと呼ばれています。
え? じゃあメーカーは嘘つきってこと!?
う~ん、これが難しいところで、嘘つきとまでは言い難いんですよね。というか、それ以外にちょうどいい表現方法が今のところあまりないんですね。
そもそもルアーフィッシングでは、海水ごとベイトを捕食する食い方全般を吸い込みバイトと表現することが多いんです。ブラックバスも吸い込みバイトという表現がよく言われますが、吸い込むというよりアジと同じく海水ごと飲み込むというような食い方ですしね。
つまり実際に吸い込む、吸い込まないというより、そういう言葉しかないって感じだね
まぁ、海水ごと吸い込むという捕食方法は、実際に吸い込むのと同じく水噛みのいいワームの方が捕食しやすい。そういう意味では初心者にもわかりやすい吸い込むという表現はあっていると思うぜ。
まとめ アジに食わせるベストなセッティングを見つけよう!
アジが食いやすくするためにも、フォールスピードの調整は大事なポイントです。とはいえ、スローにしすぎて流されすぎたり、タナを外したら意味がありません。
その時の状況に合わせたベストなリグを選択してみましょう!
コメント