「月は出ているか?」――その問いがアジンガーにとってどれほど重要か、知っているだろうか。
月の光と潮の流れが織りなす自然のリズムは、アジの動きを把握する鍵となります。
この記事では、月とアジングの関係、その真実に迫ります。
潮汐は月によって決まる?
まず基礎的なお話として潮汐の話からしましょう。
月と潮汐は密接な関係があります。

ちょうせきって?
潮汐とは、海水が周期的に上下する現象です。その主な原因は月と太陽の引力によるものとされています。
潮汐は、月と地球の間に働く重力と遠心力のバランスによって発生します。月が地球に近づくと、月の引力によって海水が引っ張られ、その部分が「満潮」となります。一方、地球の反対側では、遠心力が優勢になるため、同様に海水が持ち上がり、そこでも満潮が発生します。このため、1日におおよそ2回、満潮と干潮が訪れる「半日周潮」が見られます。
また、月の満ち欠けも潮汐に影響を与えます。新月と満月の時期には、月と太陽が一直線に並ぶため、それぞれの引力が合わさり、潮の動きが大きくなる「大潮」となります。一方、半月(上弦・下弦)の時期には、月と太陽が直角の位置関係にあるため、引力が相殺されて「小潮」となります。このように、月の周期的な変化が潮汐の強弱を作り出しているのです。
潮汐は、海洋生物の活動にも大きな影響を与えます。アジをはじめとする魚たちは、潮の流れに乗って移動したり、エサを取りやすいタイミングを計ったりします。そのため、釣りをする際には、潮汐を把握することで効率的に魚を狙うことができます。特に大潮の時期は潮流が強まり、アジが活発に行動するため、アジングの好機といえるでしょう。
このように、月と潮汐の関係は単なる天体現象ではなく、自然界の生物活動や人間の暮らしにも深く影響を与えているのです。
満月の夜はアジが釣れない?
さて、こんな話を知っているでしょうか? 「満月の夜はアジが釣れない」。もちろん絶対ではないのですが、釣りづらいとされているのは事実です。
その主な理由は潮汐を除くと光量にあります。満月ということは夜でもそれなりに明るいというわけですが、光量が多いと、その分あちこちで植物性プランクトンが光合成を初めて増えていきます。
そうなると、常夜灯周りだけでなく、海辺のあちこちでアジはエサを捕食してしまう。つまり散ってしまうわけです。
一応常夜灯効果が完全に失われるわけではないのですが、最初からアジが散っていると考えて行動する必要はあるでしょう。
満月対策
深場を狙え!
満月は常夜灯効果を薄れさせますが、海に届く光量でいえば当然常夜灯の方が勝ります。するとどういうことになるかというと、深場では月明かりが届かず、常夜灯の光だけ届くという状況が発生します。
すると、明暗の境目が深場では発生するということになり、そこにアジが待ち構えてる可能性が生まれるのです。
また常夜灯近く以外でも、深場のサーチを忘れないようにしましょう。
確かに月明かりでプランクトンは散っているでしょうが、そもそもアジは非捕食者でもあるのです。なら、よく見える表層よりはボトムで落ち着いている可能性があるのです。

頭が働く大物ほどボトムでエサが落ちるのを待つもんだぜ
ハイアピールで広範囲を釣り歩け!
魚が散ってる時こそ、ランガンを忘れては行けません。
広範囲に散ってるといっても、潮流れが変化する岸近くは、比較的寄りやすいことに変わりはありません。
なら、諦めずに足を使って広範囲をサーチすればアジの群に当たる可能性は高いのです。

釣れないときこそ足を使え。ルアーフィッシングの基本だぜ
また、アジに見つけてもらいやすいハイアピール系のカラーを使うといいでしょう。グローやケイムラ、常夜灯下以外だとソリッド系もシルエットがくっきりしてみやすくなります。
影を見つけろ!
常夜灯は明暗の差が狙い目。実は月明かりでもまったく同じことがいえます。

え? でも常夜灯と違って月明かりは海面全体を照らしちゃうじゃん。明暗なんてできないんじゃ……。
そんなこともありませんよ。太陽と同じく月明かりでも影は生まれますから。堤防の際、建物によってできた影など、いろんな所にヒントは隠されています。
うまく影を見つけられたら、満月以外でも影自体は発生するわけですから、あらゆる状況で狙い目となります。
ただし、影ができるからといって無理に狙い、船やロープには引っ掛けないように注意しましょう。
まとめ 月は出ているか?
いかがでしたか?
月とアジング。遠く離れた宇宙と海でこんな影響があるっていうのは一般的な生活を送っているとなかなか経験し難いことですよね。それだけに興味深いテーマなのです。
上手く月を利用すればツキも巡って釣果がアップするかもしれませんよ?
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