荒波は釣り人のロマンを詰め込んだフィールド。そんな磯でもアジングはできます。荒波に回遊してきたアジですからデカアジも期待できます。
さらに、近年は漁港の閉鎖も多いため、磯アジングは結構注目されています。
が、磯には普段漁港で釣りをしている人たちは知らない危険がたくさんあるのです。今回は磯アジングに必要な装備と釣り方についてご紹介します。
釣り方の前に超重要 磯には危険がいっぱい!
え~~! 装備なんてテキトーでいいじゃん! 釣り方を早く教えてよ!
絶対ダメです!
磯は漁港と違って、人が通ることを前提とされていません。自然にできた岩場を歩くことになります。
正直な話、専用装備なしで岩山を登るのと同じ、いやさらに危険といっていいでしょう。岩山でコケてもケガで済むケースが多いですが。磯場でコケたらそのまま落水、荒波にもまれて岩に何度もぶつかって死亡。事実こういう事故は珍しくありません。
う……ちょっとなめてたかも……言われてみればそうだよね。……女の私でも磯アジングできるのかな?
無論、装備はしっかりそろえなければいけませんが、磯釣りという点では女性釣り師も多くいます。大事なのは正しい知識と装備です。
命を守るために必須級の装備! 安全のためにこれだけは押さえておこう!
ライフジャケットは固定式を選ぼう
ライフジャケットには主に二種類あり、膨張式と固定式があります。このうち落水した後に膨らませる膨張式は持っている人が多いでしょう。
しかし、膨張式は磯場には不向きな装備です。というのも、風船のように膨らませるという特徴のため、磯場の鋭い岩に生地が裂けることがよくあり、肝心な時に膨らまないことがあるからです。
その点固定式ならある程度裂けても浮いてくれるので安心です。
特に俺の着ているようなゲームベストはポケットが多いから、道具をサッと取り出せて便利だぜ。ただし、ゲームベストのほとんどがオフショア……つまり船の釣りには使えないので、その点は注意だ
へぇ~! 安全を守るためにも、使い分けが重要なんだね
重要なスパイクシューズ(磯靴)選び
さて、ライフジャケット選びももちろん重要ですが、そもそも落水しないことも大切です。
磯場の落水原因の大半が足を滑らせたことによる事故です。そのため、必ず専用のスパイクシューズを用意しましょう。
以前、動画サイトでサンダルで磯釣りをしている方を見かけましたが、案の定足を滑らせていました。たまたま浅場で助かりましたが、これが崖に近いフィールドならそのまま亡くなっていました。専用の磯靴は絶対そろえてください!
注目すべきは靴底 おすすめはフェルトピンタイプ
釣り用のシューズの靴底……ソールには主に5種類あります。まずは一般的なスニーカーにも使われているラジアルソール。ラジアルよりフラットで船の上で滑りにくいデッキシューズ。フェルト生地で使われているフェルトソール。岩場でしっかりと噛んでくれるスパイクソール。そして、フェルトとスパイクの両方の特徴を持つフェルトピンタイプです。
このうち、論外はラジアルとデッキです。この二つは漁港や船で使うものであり、岩場では滑りやすくなってしまいます。また、フェルトもどちらかというと渓流のウエーディングなどに使うタイプなので候補から外していいでしょう。
なので、磯靴のマストはスパイクソールとフェルトピンソール。どちらも岩場との相性がよく、愛用者も多いのですが、個人的にはフェルトピンソールがおすすめです。
スパイクソールはコケなどでぬかるんだ場所では滑ってしまうことがあるため、不向きとなることもあるのです。
フェルトピンタイプも弱点はあり、スパイクが食い込み切らないことがある。「スパイクをつけているから大丈夫」と思い込むだけでなく、注意深く歩くことが大事だぜ。
また、スパイクは磯場やテトラの上以外では使わないよう注意しましょう。特に船の上では絶対NG。
磯場に渡るための渡船ならスパイクOKなところがほとんどですが、船釣りの場合はデッキを傷つける上に岩場より噛まないので結局滑りやすい。相性最悪どころか普通に船長から乗船拒否されます。
ライトは必須 ヘッドライトだけでなくランタンも用意しよう
漁港と違い常夜灯はおろか街の明かりも届かない可能性がある磯で夜を過ごすのは危険です。……が、アジングの本番が夜なのは皆さんもご存じの通り。
となると、明かりは多めに用意した方がいいでしょう。ヘッドライトは言うまでもありませんが、ランタンも用意しておいた方がいいでしょう。
真っ暗な磯場では、タックルボックスを見失うことも考えられます。ランタンを用意しておけば、近くに置くだけで見失わないで済みますしね。
タックルボックスに反射板やケミホタルをつける人もいますよ。
服装はウエットスーツがマストアイテム
濡れてもいい服装が必須なのは言うまでもありませんが、普通のTシャツでは濡れるとそのまま水を含んでしまい重くなり、動きづらくなります。
さらに、肌の露出はトゲトゲしい岩が多い磯場では絶対避けましょう。最低でもアームカバーやレッグカバーは装備しましょう。
……特に初心者二人。絶対肌出すなよ。
は~い。 ……でもかわいい服着たいのになぁ
だよねぇ。……でもまぁ、ケガは怖いから、磯場でかわいいコーデを選ぼう
……本当は磯場以外でも露出は控えてほしいんだがな……
……そうなんですけどね。普通の釣り場でも、釣り針によるケガを防げるし、日焼け対策にもなるから肌の露出は最低限にすべきです。……まぁ、自己責任でオシャレする分については堤防ならいいでしょう。磯場はダメですが。
ビギナーはヘルメットも着用しよう
えぇ!? ヘルメット?! そんなのつけてる人見たことないよ?
確かに、多くの磯釣り師はヘルメットを着用していませんが、それは大半の人が磯場に慣れて足腰がしっかりとしているからコケることがないからです。特にメディアに映ることが多い磯釣り師は、足腰鍛えないと商売になりません。
なのでまだ足腰が不安定で慣れていないうちは、ヘルメットを着けてコケても頭だけは守れるようにしておくほうがいいでしょう。
もちろん、これは推奨なので強制はしません。ただ、せめて帽子は着用しましょう。紫外線を防ぐだけでなく、頭部を釣り針から守る効果も期待できます。
遠投リグは必須級! 最低でも重めのジグヘッドは用意しておこう
さて、ようやく釣り方のお話に入ります。
まず、磯場は堤防と違って自然でできた土地なので、手前に深さがない場所が結構あります。それに海に近づくといっても限度がありますので、海から数メートル離れた場所からキャストしなければならないこともしょっちゅうです。
なので、必ず遠投リグ、最低でも重めのジグヘッドやタングステンは用意しておきましょう。流れも漁港よりは荒々しいので、これらは必須級です。
リーダーは長めにしよう
岩場が多い磯ではリーダーを長めに取りましょう。1mから一ヒロ(1.5m)はほしいですね。
なんで岩場が多いとリーダーを長めにするの?
エステルはもちろんだが、強度の高いPEも完璧ってわけじゃない。PEはより糸だから原糸一本一本は細いため、岩場に擦ると簡単に切れてしまうんだ。だから岩場のような引っかかりが多い場所ではリーダーを長めにとるのが重要なんだ。
ちなみに、これはテトラを攻めるときも考慮に入れるべきだな。
また、キャスト時にリーダーの結び目がガイドを通ることになるため、結び目の細いFGノットは覚えておきたいですね。
流れのよどみを見逃すな!
アジは遊泳能力が高いものの、エサはプランクトンや流されたベイトフィッシュなので、基本狙うのは流れのよどみです。
ただ、直接よどみに入れるよりは、流れの先から流されてきたプランクトンを演出した方が効果的ですね。どう流れているかをしっかり確認して、効率的に通しましょう。
また、漁港よりは魚食性の高いアジが潜んでいる可能性があるので、その辺も意識してアクションしてみるといいでしょう。
明かりが少ないので集魚灯を使うのも効果的ですよ。
まとめ 釣り方の前に装備!
いかがでしたか?
今回釣り方より装備を長めにしました。それだけ磯場では装備が大事ということです。命をなくしてしまっては本末転倒もいいところです。
それに、釣り方については磯アジングに挑戦するほどアジングに向き合ってきたあなたです。なら自分の釣りがある程度確立しているはずなので、ヒントさえもらえたら十分磯アジングを楽しめるはずです。
安全を第一に、楽しい思い出となるように磯アジングを楽しみましょう。
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