夜釣りメインのアジングという釣りにおいて、明かりは超重要な要素。その定番が常夜灯と言えるでしょう。
そのため、アジングでは常夜灯近くは一級ポイントになりがち。ですが、どんな堤防にも常夜灯があるわけでもありません。暗闇でも釣らなければならない場合もあります。別に暗闇の状態でも全くアジが釣れないというわけではないのですが、やっぱり常夜灯がないよりはある方が有利。
そんなときに便利なのが集魚灯。今回は集魚灯の効果と選び方を解説します。
なぜ集魚灯に魚が集まるの?
そもそもなんで光にアジが寄るの?
わかったかも! 虫が光にたかるのと一緒なんじゃない?
残念。違います。
なぜ光に魚がよせられるか。これは光ってるから魚が近づくのではなく、プランクトンが集まるから光に魚が寄ってくるのです。
海が光で照らされると、まず物性プランクトンは光合成をします。光合成をすると植物性プランクトンは増殖します。その植物性プランクトンをアミなどの動物性プランクトンが捕食をし、その動物性プランクトンをベイトフィッシュが捕食し、そのベイトを魚が食べる。いわゆる食物連鎖が起きるわけです。
この食物連鎖を誘発するために使うものが集魚灯というわけです。
集魚灯はすぐに効果が出るわけじゃない!
ん? ……ってことはさ、集魚灯ってすぐに効果が出るわけじゃないの?
よく気づきましたね! その通りです!
先ほども申し上げた通り、集魚灯はあくまで、植物性プランクトンの増殖を促すものです。
といっても、遊〇王じゃあるまいし「魔法カード! 『増殖』発動!」という風に、超スピードでプランクトンが増えるわけではありません。
増殖するまでにはある程度の時間がいるし、食物連鎖が起きるまでにはさらに時間が必要です。
まぁ、だからといって何時間も必要なわけではありません。集魚灯の効果が出るまでに大体30~40分と言われています。
え!? そんなすぐに増えちゃうの?
人間や猫のような細胞の集合体ではなく、単細胞の植物だからな。その分簡単に増えていくってわけだ
注意! 集魚灯禁止の地区もある!
結構見逃しがちなのが、集魚灯を焚くのが禁止されている都道府県もあるということ。特に関東方面は顕著で、東京や千葉は禁止です。九州方面だと熊本が禁止ですね。(2023年現在)
詳しくは下記の水産省のHPを参考にしてください。
なんで禁止にしちゃうんだろ? どうやって釣ろうが釣り人の勝手じゃない?
海洋資源にも限りがある。漁師にとってはアジも大事な商品だ。それを勝手に乱獲されちゃ食っていけなくなるだろ。だから、乱獲を防止するために地域によってはこういう決まりがあるのさ
なぜ集魚灯が重要? 近年のアジング事情と合わせて考えよう
集魚灯は近年その重要性が高くなっています。場合によっては必須級といってもいいくらいの状況と言えるでかもしれません。
というのも、近年は釣り禁止の漁港が加速度的に増えているからで、磯はもちろん常夜灯がない漁港でも貴重な釣り場になりかねないのです。
そういったエリアも攻略するなら、集魚灯の役割はかなり大事になってきます。プランクトンを自発的に増やせるわけですからね。
集魚灯には二種類ある!
集魚灯には大きく分けて二種類存在します。それぞれの特徴を見ていきましょう。
水中投入タイプ
まずは水中に入れておくタイプの集魚灯。海中に直接投入するので光が届かないということがなく、ロープが届く限り確実性に照らすことができます。
問題点はそのめんどくささ。どんな形であれ、海に落とすということは濡れるものが増えるということですし、常にコードや回収用の紐が足下にあるのも結構邪魔です。
私の小遣いで買えそうなやつもあるね。お試しで使うのもいいかも
地上置きタイプ
地上置きタイプは、濡れ物が増えないことと、明暗の境目を自分で作ることができるのが大きなメリットです。
ただ、地上から照らすということはそれなりの出力が必要になるため、どうしてもお高いものが多くなること、さらに足場から海面までがあまりにも遠い場合、十分な効果が期待できない可能性が発生します。
明暗の境目を自ら作り出すことができるのは大きいな。
光らせればいいってもんでもない! 集魚灯を使う上で大事なこと
よくわかんないけど、光らせりゃ釣れるってことっしょ!?
残念ながらそういうわけでもありません。
集魚灯の効果はプランクトンを増やすことにあることは先に説明した通り。
プランクトンは基本遊泳力がありません。したがって、潮が悪ければ結局流されすぎて集魚灯の意味がないということもあるのです。
さらに言えば、常夜灯の有無も重要な要素です。常夜灯下では集魚灯の意味がないとまでは言いませんが、魚を集めたいエリアから、外れた場所に魚が拡散する可能性は否定できません。
また当たり前ですが、アジがいない、もしくは寄りづらい状況なら集魚灯も意味を成しません。集魚灯が有効なのは別にアジだけではありません。タチウオやシーバスも寄ってきます。その結果、アジが寄りづらくなってしまう可能性も考慮しておくべきです。
要するに「集魚灯を使えば何も考えずとも釣れる」というわけではないってこった。潮を読み、効率よく自分に有利な場所に魚を集められるかを考えることが重要ってわけだな。
結局大事なのは、地道な知識と経験ってわけね
光の色にもこだわってみよう
魚の目と我々の目は違います。その代表例ともいえるのは、錐体細胞の量でしょう。
錐体細胞というのは、簡単にいえば色を判別するために必要な視細胞のこと。有名な光の三原色も人間の錐体細胞が三種類だからR(赤)G(緑)B(青)という風に分かれているのです。
実は人間には錐体細胞が3種類あるのに対し、魚にはそれより多い4種類あるといわれています。
魚すげーー! 人間より色が見分けられるってことだね!
ところが完全にそうとも言えねぇのさ
そうですね。実際魚には赤色の光が人間より見えていないとされています。ヘッドライトに赤いランプがつけられている理由は、これが根拠となっています。
赤色の光に弱い代わりに、人間は見ることのできない紫外線を魚は見ることができます。ケイムラカラーとは、紫外線に反応する特殊な塗料ですので、この特性を利用しているわけです。
なお、この影響からか、魚が一番反応する色は、緑から青の光(波長でいうと500nm程度)と言われています。
まぁ、これはあくまで人間の研究の結果と予測でしかない。実際にはちょっと違うのかもしれないが、本当のところどうなのかはアジになってみないとわからないな
余談ですが、人間が見える光の波長は380~780nmの範囲まで。うち380nm以下の波長をもつ光を”紫外線”。780以上の波長をもつ光を”赤外線”と言います。
追記 あの「釣りって、学べる」で本記事の動画版が公開されました!
な、な、なんと! あのチャンネル登録者7万人を超える超人気釣りYoutuber「釣りって、学べる」チャンネルさんが本記事とコラボ! 動画版として公開してくれました!
いやーありがたい話です。お話をいただいた時は本当にびっくりしました。
同じ北九州の釣り仲間として仲良くさせていただいておりますので、ぜひこの記事を見た方は動画の視聴と高評価、そしてチャンネル登録をお願いします!
タヌキと違って真面目な授業スタイルの動画が多いし、わかりやすい解説と物腰の低い丁寧な解説が特徴だ。アジング以外にもいろんな釣りを幅広く紹介しているぜ。
まとめ 集魚灯で新規開拓!
いかがでしたか?
近年は釣り禁止場所が増えているため、新規開拓も重要な要素となっています。そういう意味では、今後は集魚灯の重要性がさらに拡大する可能性があります。
それに、新規開拓でもっと釣れる場所が見つかるかもしれません。こういった楽しみ方も、宝探しのようで楽しいですよ。
コメント