アジングはワームが主役とあらゆるメディアは語ります。無論当サイトでも基本はワームの方が有利という点は否定しません。
しかし、決してハードルアーが劣っているというわけではなく、むしろ状況によってはプラグの方が有利になることもあります。しかも、意外なことにベイトフィッシュを捕食しない夏も、状況によってはプラグが活躍をしてくれます。
今回はプラグの利点と弱点、使いどころについてお話します。
プラグの定義
まず、初心者アングラーの方のために、プラグとは何かという事をお話します。
プラグと聞くと電源を引くあれとか、エヴァのエントリープラグを想像している方もいるかと思いますが、それとはまったく関係なく、プラスチックのルアー全般を指します。
あ、私も見たことある形のルアーだ!
そうですね。美穂を含めて、プラグの方が一般人のルアーのイメージに近いと思います。
ただ、バス釣りやシーバス釣りで使うプラグとは少し違い、アジングで使うプラグは小さめのもので、透明度の高いものが多くなります。この理由はこの後口述します。
なお、金属製のルアーは厳密にいえばプラグとは呼べないのですが、この記事においては同様に紹介します。
ハードルアー(プラグ)の種類
でもハードルアーってワーム以上に種類が多いよね……どう使えばいいんだろ?
たしかに、かなりの種類がありますね。ただ、ワームよりは簡単に明確に大別することが可能です。
ミノー
ミノーとは小魚という意味で、その名の通り小魚のような見た目をしています。一番の特徴はリップと呼ばれる泳ぎを制御するためのパーツが、魚で言うところの口のあたりに装着されていること。
アジングに限らず、ルアーの代名詞とも呼べるルアーで、レンジキープ能力が非常に高く、タダ巻きで使える初心者に優しいルアーです。
ちなみにアジングではあまり見かけませんが、本体とリップが一体型になった、リップレスミノーというものもあります。
ペンシルベイト
ミノーからリップを取り除いた形をしたプラグです。
ミノーより波動が落ち着いており、よりナチュラルにアピールしたいときに使います。さらに、リップがない分、ミノーより飛距離を出しやすいことが特徴です。
ミノー&ペンシルはフローティング、シンキングを使い分けよう
ミノーとペンシルベイトにはさらに「フローティング」「シンキング」の二種類が存在し、それぞれ「フローティングミノー」「シンキングミノー」「フローティングペンシル」「シンキングペンシル(シンペン)」と呼ばれています。
そのままの意味で、巻かずにそのままにしておくと沈むものをシンキング。浮かぶのをフローティングといいます。
うぅ……なんかいっきに種類が増えて使い分けろと言われても難しいよぉ
そうですね。では僕なりの使い分けのポイントを紹介しましょう。
フローティングはとにかく表層を攻めたいとき、さらに浅瀬で根掛かりが怖いときに使います。
浮かんでくれるという特徴のおかげで、根掛かりした時は少し止めておくだけで簡単に根掛かりが解消できるし、ある一定以上は沈まないので安定して表層を狙えます。
一方、シンキングは飛ばして広範囲を狙いたいとき、表層というよりはやや中層も狙いたいときに使います。
フローティングよりは重たいので、その分飛距離が稼げますし、沈むのでドリフトさせながらゆっくりフォールさせる誘い方が得意です。
なお、たまに同じルアーでシンキングとフローティングがわかれる商品の違いという質問をみかけますが、基本的には重さの違いのみ。中にあるシンカーをの重さを調整しているだけです。
メタル系も使ってみよう
プラグの定義とは少し外れますが、メタル系もアジングではよく使われます。
スプーン・メタルジグ
まず代表例とも言えるのはメタルジグとスプーンでしょう。
ちょっと似ている二つのルアーですが、定義づけるなら、スプーンはその名の通り薄いスプーン型のルアー。メタルジグはスプーンより太めの金属製ルアーと言ったところでしょうか。まぁスプーンは金属製だけでなくプラスチック製のものも存在しますが。
ハードルアーの中ではボトムを狙いやすいルアーで、メタルジグの方が若干フォールスピードが早めです。小魚を演出しやすいルアーです。
ちなみにアジングという文化が確立するまえは、スプーンも普通に使われていたそうです。
バイブレーション
多くの釣りで活躍するバイブレーションもアジング向けのものがあります。
波動が強く、フラッシング効果も相まってアピール力は最強クラス。広範囲どこにアジがいるかわからない時に使えます。
いろんなルアーがあるんだね! なんだかキラキラしてるしかわいい!
ハードルアー(プラグ)の利点
でもさ。アジングと言えばワームって言われるんでしょ? 利点なんてあるの?
もちろんあります。それも結構な量。ではご紹介しましょう!
波動が強い
これまでの紹介でも度々出てきた波動。波動とは水の中をものが通るときに発生する水の流れの事ですから、本体が軟らかいワームより、ハードルアーの方が強い波動を発生させます。
波動が強いという事は、その分気付かれやすいという事ですから、広範囲を探りやすくなるという事です。
また、ベイトフィッシュパターンの場合はワームのような微波動は、状況によっては違和感になるかもしれません。そういう意味でもハードルアーは使えます。
手返しがいい
基本プラグは手返しがいいという利点があります。ミノーやペンシルの場合は沈めるためのカウントもほとんど必要ありませんしね。
まぁメタルジグやバイブレーションはカウントで沈めるのですが、ワームよりはフォールスピードが早いため、狙いのレンジに届くまでの時間が短くなります。同じタナを沈めるとしても、ワームよりは手返しが良くなります。
さらに、ある程度のルアーに重さがあるため、ワームよりは投げやすいことも手返しをよくするポイントです。
……ところで手返しってなに?
手返しってのは、ルアーを回収してから投げるまでの時間の事だ。これがいいって事は、テンポよく広範囲を探ることができるというわけだ
へぇ~。そういう意味だったんだ
お前には何度も教えたはずなんだがな……
遠投性能が高い
ワームより重たく、空気抵抗も少ないハードルアーは遠投能力がずば抜けています。当然アジのいるエリアにルアーを通しやすいという大きなが生まれるわけです。
もちろんワームも遠投リグがあるので、それを使えばいいと言えなくもありませんが、手返しや次に紹介するレンジキープ能力を総合して考えると、プラグという選択肢も大いにあります。
レンジキープ能力が高い
この利点は主にプラグの話ですが、レンジキープ能力がずば抜けて高いです。ある一定の層を泳がせて使う分については、ワームよりはるかに優れています。
そのためアジがどのあたりにいるかわかっているのなら、プラグの方が優秀な可能性すらあります。
まぁ、メタルジグについてはレンジキープが難しいが、不可能ではない。どちらにせよ、使いこなしが重要だな。
ハードルアー(プラグ)の弱点
ハードルアー利点ありすぎ! 最強じゃん! ワームなんて古い! これからはハードルアーの時代だね!
そう簡単にことが済めば、みんなハードルアー使ってるぜ。ちゃんと弱点もあるんだ
波動が強すぎてワームのようなナチュラルな攻めが難しい
ハードルアー最大の問題点は波動が強すぎること。
アジはワームですら強弱が分かれるくらいには微波動好きです。まぁ、アジもまた非捕食者のため、どうしても逃げながらエサを食べなきゃいけないので、強い波動が起きると、襲われると思って逃げてしまうかもしれないという問題もあるわけですが。
そのため、どうしてもワームよりはプラグの方が出番が少なくなるのです。
ちなみに、カサゴやメバルを狙うときは結構プラグも使います。メバルプラッギングという言葉もあるくらいですしね。
深いレンジが探りにくい。あるいは探れない
プラグについては当然ですが、どうしても深いレンジが狙いづらくなります。一応シンキングタイプを使って沈める方法もないわけではありませんが、そもそも巻いた段階でルアーが浮き上がってしまうため、かなり狙いづらくなります。
だったら、メタルジグやスプーンを使えばいいんじゃない?
確かに、メタルジグやスプーンならボトムも狙えます。
しかし、ワームよりは根掛かりが多いルアーのため、ちょっとボトムを通しづらいという問題があります。慣れればできるんですけどね。
ハードルアー(プラグ)の使いどころ
う~ん。結局ハードルアーってどういうときに使うの?
表層から中層を攻めたいとき
ミノーやペンシルベイトなどのプラグ限定ですが、表層から中層を攻めたいときが当てはまります。
使うプラグがどのくらいのレンジで活躍するかはパッケージやメーカーHPに書いてあるので、それを参考にしてみましょう。
ベイトフィッシュパターン
小魚に似せた形のハードルアーは、小魚に似せやすい特徴があります。
メタルジグなどの金属製ルアーは、ウロコの反射に似せやすいので、ハマればかなり釣れます。
ちなみに、長崎県のアジングの聖地、壱岐島の島民はワームよりメタルジグを使うという話もあるくらいポピュラーだ。あの辺はキビナゴが多いから、それらを捕食するアジがたくさんいるんだろうな。
意外とベイトフィッシュパターンじゃなくても活躍する?
でもさ、こんなに小魚な見た目なら、小魚を食べてるときにしか使えないんじゃない?
確かに、ベイトフィッシュパターンで活躍するプラグですが、ルアーの透明度が高いため、プランクトンに見せかけることも可能です。
プランクトンが浮かんでいる夜の常夜灯パターンで、流れに乗せるようにドリフトさせると、ルアーより小型の魚ですら食いついてくることが結構あります。
さらにワームよりフックが多いので、フッキング性能が高いため、どこから食われても大抵どこかに引っ掛かることも大きなポイントです。
フグ対策
釣り人の嫌われ者ともいわれるフグ。アジングの場合はさらに厄介です。
なぜなら、アジングで演出するエサのほとんどはフグも食べるし、基本スローなものの動きに反応するフグは、同じくスローな演出に反応しやすいアジも好みの動きとなりやすい。結果アジングをしていると結構な数ワームを噛み千切られます。
対して、ハードルアーならそうそう簡単に噛み千切られず、アクションも速いため、フグ対策にもってこいです。
まとめ 使いどころを見極めれば強い味方に!
いかがでしたか?
ワームとハードルアーをうまく使いこなすと、さまざまなパターンで攻めることが出来ます。
うまく使い分けて、効率よく攻めましょう!
コメント