一見すると他の色や透明と変わらない色合い。なぜか魚には抜群のアピール能力を誇るケイムラカラー。アジングでも大活躍する汎用性の高いカラーです。
しかし、一体ケイムラカラーとは何なのでしょうか?
今回は透明なのに目立つ、ケイムラカラーの仕組みについてお話します。
ケイムラカラーとは
ケイムラカラーとは、紫外線に反応して発光する紫の蛍光色のことです。蛍光紫……ケイコウムサラキ……ケイムラというわけです。
人間は可視光の反射によって色を認識しますが、ケイムラは紫外線に反応して色を放つため、紫外線を可視化することができない人間には普段色として認識できないのです。なので、ケイムラカラーには元となる色は人間には見ることが出来ません。
なのでケイムラカラーは紫外線に反応する蛍光色なので、普段は透明なのですが、紫外線を当てると青白く光るというわけです。
ケイムラカラーって、無色だからケースに入れておくと「どれがケイムラだったっけ?」ってなるんだよねぇ~
そういうときのためにUVライトを持っておくといいぜ。グロー系ワームの蓄光にも使えるしな
そもそも紫外線ってなに?
紫外線はお肌の大敵! ……ってのは聞いたことあるけど……そもそも紫外線って何?
紫外線を説明する前に、光の三原色をご存じでしょうか?
人間が感知できる光の色の範囲は、赤(R)と緑(G)と青(B)の三色あるとされており、その三色の範囲から外れた色光……つまり人間が見ることができない光の色を、紫外線、もしくは赤外線といいます。
紫外線は人間に有害な光とされており、お肌の大敵と言われるのはこのためです。
あのアイザック・ニュートンもケイムラカラーに(間接的に)関係している!?
ついでに、もう一つトリビアを付け加えておきましょう。
実は太陽光が放つ光が複数あることを証明したのは、あの万有引力で有名なアイザック・ニュートンなのです。
プリズムというガラスなどからできた透明な三角柱道具を利用し、暗い場所で太陽光を屈折させて分析したところ、七つの光に分かれることが判明。これらを集めると白色の光になることをニュートンが証明したのです。
そこから三種類の色光で色を表すことができると証明され、印刷の場合は光の反射を利用するため、シアン、マゼンタ、イエローに黒を交えた四色で表すようになり、光が人間が認知できるもの以外も存在することがわかり、紫外線や赤外線の存在がわかり、やがてケイムラカラーの誕生となるわけです。
歴史をたどるのも面白いね! ニュートンって引力のことが有名すぎて知らなかったよ
釣りは生物学を含めた多数の科学の結晶だ。事実、万有引力も釣りとは完全に無関係ってわけじゃないしな。
確かに。そう考えるとなかなか奥深いですね。
ケイムラカラーのアピール力が高い理由
ケイムラカラーが紫外線に反応するってのはわかったけどさ。問題はなんでそれで釣れるのって話じゃない?
そうですね。そろそろ本題に戻りましょう。
皆さんもご存じの通り、水深が深いほど光は吸収され減衰していきます。この光の透過率は色光の属性についても違いが発生します。
赤色の光は水に吸収されやすく、水深が深くなるにつれて一気に減衰しますが、紫外線~青色の光は海中を透過しやすいということがわかっています。
海が青いのもこれが理由だ。海水は赤の光を吸収し、青系統の光を透過する。透明なものは主に透過する色光の色に見えるんだ。だから濁りのない綺麗な海ほど鮮やかな青にみえるってわけだ。
ただし、水たまりのような浅い場合は青くならないがな。この辺の仕組みは説明すると長くなるから割愛するぜ。
ですね。話をお魚視点に戻しましょう。
魚は我々人間と違い、紫外線を見るための錐体細胞があるとされています。深い場所でも光が届きやすい青~紫外線は、魚にとってはものすごく目立つ色なのです。
また、ケイムラカラーはわずかな光量でも反応するため、月の光だけでも十分効力を発揮します。
ケイムラカラーが逆効果になることも……
紫外線に強く反応するケイムラカラーですが、万能というわけではありません。
わかりやすい例で行くと、デイゲームのよく晴れた日。深場ならともかく、浅場だとめっちゃ目立ちます。「こんなギラギラしているエサなんて存在しない!」と見切られては、本末転倒です。
デイに限らず、特定のカラーに反応しているパターンもあるので、しっかりカラーローテーションをしましょう。
まとめ 色を知るのも楽しい!
いかがでしたか?
色の仕組みを知ると、カラーローテーションのヒントにもなります。ぜひ皆さんのカラーローテーションにもケイムラカラーを入れてみてください。
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