数ある釣りのターゲットとして定番中の定番といえるアジ。
狙い方は「サビキ釣り」をはじめ「フカセ釣り」「カゴ釣り」と複数の釣り方がありますが、エサを使わずルアーだけで狙う釣りを「アジング」と呼びます。
小さくてどこにでもいる魚のはずなのに、簡単には釣らせてくれない奥深さを味わえるアジングは人気大爆発中! 特に、必要な荷物が少ないので、仕事帰りに楽しむ人も多いです。
では、そのアジングを楽しむにはどうすればいいのか?
この記事では、アジングのすべてをわかりやすくまとめています。この記事を読めばアジングがすぐにでも始められます。
でも私、専門用語とか一切わかんない。フィート? エステル? なにそれ?
というように、どうしても理解が追い付かない楓のような人のために、さらにかみ砕いた内容を紹介している記事も一緒に紹介します。
どんな人でも自分のペースで覚えられるので、ぜひこの機会にアジングを始めてみませんか?
意外と知らない? アジの特性を知ろう
日本人でアジを食べたことがない人はほとんどいないと言い切れるほど、ポピュラーな食卓の魚。ちなみに、アジの語源は味からきており、ご存じの通りそのおいしさは格別です。
が、アジがそもそもどんな魚か。どんな特徴があるかは意外と知らない人も多いです。
そこで、アジの特徴をざっくり説明していきましょう。
よく釣れる時間帯はまづめと夜
アジングの定番となる時間帯は、まづめと呼ばれる日の出日の入り前後1時間、そして夜です。
基本的に比較的光量が少ない時間に捕食を行う魚で、その理由はブリなどの天敵からなるべく見つかりづらい時間帯で身を隠しながら捕食とされています。
昼間もまったく釣れないわけではなく、外海から小魚を食べにくる個体は昼からまづめのタイミングに近づいて捕食しているパターンが多いです。が、初心者はとりあえず夕方から夜のタイミングに竿を出すといいでしょう。
回遊型と居着き型の二種類いる
アジには外海を広く回遊している群れと、一つの堤防近くの海しか泳がない居着き型がいます。
回遊型は体表が黒く「クロアジ」とも呼ばれる個体が多く。このタイプは、ルアーをあまり見たことがない個体が多いため、群れに遭遇すればかなり簡単に釣れます。
居着き型は体表が黄色みがかった個体が多いことが特徴で、「金アジ」「黄アジ」と呼ばれています。脂がのっていて非常に美味ですが、一つの場所に長く居着いているため、ルアーを何度も見ています。その為、回遊型よりは釣りづらくなりますが、一定の場所によりつくため、攻略パターンを見つければかなり安定して釣れるようになります。
アジング入門の定番は、やっぱり堤防
アジングの定番フィールドはやっぱり堤防。これは初心者に限ったことではありません。
堤防は常夜灯近くで、光合成による植物プランクトンが増殖しやすく、食物連鎖が発生しやすいフィールドです。プランクトン自体は水場ならどこにでもいますが、どこに多く発生しているかは経験や知識による予測が必要です。
その点堤防なら、常夜灯が光っていれば「ここで釣れそうだ」と初心者にもわかりやすく、経験者としてもいい目印になります。
また、磯やサーフでもアジングは行われますが、必要な道具も多いため、最初の釣り場としてはオススメできません。
まぁ、磯釣り常連の中には最初のフィールドが磯ってやつもいるらしいがな。そう言うのは例外だ。
まずはタックルを選んでみよう!
アジングロッドの基本的な長さは5~6ft台。近年は5ftのショートロッドの人気が高まっています。理由は1g以下の軽量ジグヘッドがはまるパターンが多くなっているからです。
メバリングでは2~3gのジグヘッドも使われますが、アジの場合、あまり重たいジグヘッドを使うとバイトミスが発生しやすくなってしまいます。そのため、軽いリグが使いやすいショートレングスに人気が集中しているわけです。
リールは500~2000番。特にエステルやPEの細糸を使う場合は1000番以下のものを使います。
特にシマノは最近500番の超小型リールを推奨しているようだな。ソアレシリーズでは2000番の下は1000番を飛ばして500番をラインナップしてやがるぜ。
ラインの太さは0.4号前後。ちなみに僕はエステルの0.25号。PEは0.4号をメインで使っています。またエステルやPEを使用するときはショックリーダーを結ばなくてはいけません。フロロカーボンの0.8号(2lb)前後のものを選びましょう。
もしリーダーがまだ結べないなら、フロロカーボンラインがオススメです。その場合は2000番を使いましょう。フロロカーボンラインなら3lb前後を選びましょう。
ルアーはジグヘッドにワームを付けただけの仕掛け、俗にいうジグ単をメインに使います。ほかにもいくつかリグはありますが、アジングのメインとなるのはこのジグ単の釣りです。
うぅ~……専門用語が多くて覚えられないよぉ
まったく……しゃーねぇな。楓のようなニュービーのために、噛み砕いた説明をしてる記事を紹介してやる。専門用語をまったく知らなくてもわかるようになってるから、安心しな
キャスティングを覚えよう!
まず、スピニングタックルは基本的に利き手でロッドを持ちます。中指と薬指の間でリールフットを挟みそのまま軽く握ればOK。これをツーフィンガーグリップといいます。一度ロッドを持ったら、基本的に利き手はもう離しません。キャスティングするときも、アクションを付けるときも、利き手は離さず持ったままです。
タラシは30㎝前後確保してキャストするのですが、アジングタックルでキャストする場合は、ちょっとコツが必要です。
シーバスなどの他のルアータックルやエサ釣りなどの場合、仕掛け自体が重いためそこまで意識しなくても十分飛びますが、アジングの場合、仕掛けが非常に軽いためアジンガーの力でロッドを曲げてその力でジグヘッドを弾くように飛ばす必要があります。
コツは腕の力より、手首のスナップでロッドを振ること。後方にしっかり振ることでロッドをしっかり曲げ、その勢いを利用して前方に戻すと同時に指を離してはじき出します。
ブラックバスの経験がある人は、それと同じ投げ方で問題ありません。
スピニングリール自体使ったことねぇなら。さらに丁寧に紹介している記事を教えてやる。もちろん専門用語を知らなくても問題ないぜ
ライントラブル防止のコツはフェザリングにあり
細いPEやエステル、フロロもそうですが、アジングで使うラインはスピニングリールでもバックラッシュなどのライントラブルが発生しやすくなります。
これは糸フケが発生している状態で巻いてしまい、スプールに緩まったラインが巻き込まれてしまうことで引き起こされるトラブルです。
これらを防ぐためには糸フケが発生していない状況でラインを巻き取ることが大切です。そのためには、まず着水したらフェザリングで余計なラインスラックを作らないように調整することが大切です。
どうしてもバックラッシュが起きてしまう場合は、ベイルを戻して巻き取る際に、ロッドを一度立ててから巻いてみましょう。これによってラインが引っ張られ、糸フケをスプールに巻き込む事故を防ぐことができます。
カウントでレンジコントロールをしよう
ジグヘッドが着水したらすぐにベイルを返さず、数を数えてレンジを図ります。狙いのレンジまで沈んだら、ベイルを戻してルアーにアクションを加えて誘います。。
この動作を「カウントダウン」といいます。またラインをフリーにしてルアーを沈めることを「フリーフォール」と呼びます。
フリーフォール中、ジグヘッドはほぼ垂直に落ちます。対してベイルを戻してラインを張った状態でワームを落とすと「テンションフォール(カーブフォール)」となり、徐々に手前に落ちていき、フリーフォールよりは仕掛けがゆっくり沈みます。アジングではこのテンションフォールで誘うことが肝心です。
仕掛けを動かすコツは、「チョンチョン、スー」のリフト&フォールが基本
アジはタダ巻きでも釣れるときはありますが、基本的にリフト&フォールの方がバイトする確率が高くなります。
やり方は簡単で、穂先をチョンチョンと軽く引いてラインスラックを巻き取り、そのままテンションフォールで落とす。これを繰り返すだけです。
アジは主にテンションフォールでのアタリが多い魚です。仕掛けを沈ませているときは、アタリに神経を集中させましょう。
実戦も交えて教えて欲しいなら、この記事で解説してやる。実際にどこに投げたらいいか最初の内はわかんねぇだろうからな
親分って何かと優しいよねー。普段はじじくさいけど
これは貫禄っつーんだよ
違和感を感じたらとにかくアワセろ!
アジが海中で捕食する際は、全周囲どこから食ってくるかわかりません。そのため、「コツ」っとわかりやすいアタリもあれば、ラインがふわっとするだけの非常にわかりにくいアタリもあります。
しかも、アジは捕食したものに違和感を感じたら0.2秒という早業で吐き出してしまいます。実際には、ワームについた臭いや味によってハリに気付きにくかったり、、初期掛かりによって吐き出しにくくなるため、もっと遅く吐き出すのですが、どちらにせよすぐにアワセないとバレてしまいます。
なので、アジングの基本は「アタリがあったらとにかくアワセる」ことが肝心です。
この時、強くフッキングを入れる必要はありません。手首の軽い力だけでフッキングを入れてあげれば、十分掛かります。
スリル満点 口の横に気を付けて!
フッキングがうまく決まって上アゴを貫通すればいいのですが、もし、口の横に掛かった場合はちょっと厄介です。
アジの口の横は、薄い透明な膜しかなく、ここに掛かるとバレる確率が非常に高くなります。
この口が裂けることによるバラシを防ぐためには、以下のことを守ればある程度取り込める確率が高くなります。
ジグヘッドの鋭さを一定に保つこと
ハリがなまっていたら、上アゴにうまく掛からず滑ってしまい、貫通しやすい口横に掛かるか、最悪口からハリが出てしまいます。
ハリの鋭さを試すためには、ジグヘッドのハリ先を立てて爪に軽く置くように刺し、爪の表面をハリ先が滑るかどうか確かめてみる方法があります。
釣りバリは消耗品です。ハリ先が丸くなったらすぐに交換しましょう。
アワセを早く入れること
アワセが遅いと、アジの口の中でジグヘッドが暴れ、口横に刺さることがあります。そのためにも早アワセが大事になるのです。
もし、ショートバイト(ワームの尻尾部分だけを食うなど、ハリが口に入らないアタリのこと)でアワセてしまったとしても気にせずそのままアクションを入れましょう。大アワセしたならともかく、軽くアワセを入れてルアーが上下するだけならリフト&フォールでサビくのと大差はありません。
ラインのテンションを緩めないこと
アジの口の横に刺さったとしても、ラインをしっかり張った状態でファイトすることで、バラさず取り込むことができます。
ただ、だからと言って単純にゴリ巻きしてもダメ。アジがジャンプした反動でハリが外れたり、口裂けでバラしてしまう可能性があります。
ラインのテンションを一定に保ちながらやり取りしてみましょう。
特に大物を取り込むときは慎重に。アジの重量があるため、自重で口が裂ける確率が高くなります。尺クラスのアジにはランディングネットを使用しましょう。
釣れないときは仕掛けのローテーションをしよう!
一通りのレンジを試してアタリなどの反応がないなら、ルアーチェンジ、もしくは場所を移動するタイミングです。
ワームの色や形を変えることで、ヒットルアーを試していくことになるのですが、基本的には釣れないときは、比重を軽くしてワームの透明度を上げて目立たなくすることがセオリーです。
どんな仕掛けから使えばいいの? もし釣れなかったらどんな風に変えたらいいの?
その時の状況にもよるが、基本的にアタらなければワームカラーの透明度を下げ、ジグヘッドを軽くするパターンが多い。初心者は1gのジグヘッドなら動かしている感触も伝わりやすいから、最初はそのくらいから始めればいいんじゃねぇか? あとは経験がものをいうぜ。
アジングのベイトパターン
アジは主に以下のエサを捕食しています。
・プランクトン
・ゴカイ
・小魚
このうち、堤防で一番多いパターンはプランクトンパターン。そのため、アジングの最初の壁はこのプランクトンパターンになります。
プランクトンは遊泳力が少ないので、潮に流すように狙うことが基本となります。潮がどのように流れているかよく観察し、上流側から無力に流されてくるプランクトンを意識してみましょう。
まとめ 難しいが楽しい サビキ釣りにはない楽しみとは?
「サビキでアジは簡単に釣れるのに、なぜわざわざルアーを使うのか」と問われたことがあります。確かに、サビキで釣れはコマセで魚を簡単に寄せられて、アジングでは難しいパターンになりやすい豆アジシーズンでも高い釣果が期待できます。
しかし、アジングにはサビキにはない面白さがあり、いくつかの超えたくなる壁が存在します。ゲームで言うところのやり込み要素ですね。
「豆アジ」「冬アジング」「ツ抜け(10匹を超える釣果のこと)」「尺アジ」などなど、それを超えた後も、サイズ、数ともにやり込み要素が盛りだくさん。まだ未開拓な釣り方を見つけるのも面白いかもしれません。
アジングの魅力は難しさと達成感だと僕は思います。
アジングを始める皆さんは、まず「最初の一匹」という壁が待っています。僕も最初の一匹を手にしたときの喜びは今でも忘れられません。
皆さんもぜひ、格別の一匹を味わってみてください。
なに先輩面してんだ……? お前もまだ初心者だろ
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