釣りビギナー向けとしてよく取り上げられるアジング。しかしSNSをみてみると、どこもかしこも「アジングは難しい」という言葉ばかり。
それもそのはず。昔はともかく、近年のアジングはどんどん難易度が上がっているのです。
どうしてこんなことが起きるのでしょうか? 今回はアジングの現状をメインにお伝えします。
ちょっと厳しい? アジングの現状
結論から申し上げますが、アジングは現在釣りの中では難易度が高めです。
というのも、アジングのリグが問題で「アジ狙いに特化するなら、少なからず1gアンダーのジグヘッドを操ることはほぼマスト」だからです。
このリグ重量は釣りの中でも最軽量といって過言ではありません。ブラックバスのノーシンカーリグでも5g弱はあるのですから。ワーム自体の重量も相まって、投げにくく、操りにくい仕掛けとなってしまっています。
「フライは?」という声もあるだろうが、あれはそもそもフライラインというフライを飛ばすためのラインがあるからな。それを仕掛けと含めるかどうかで意見は分かれるだろうな。
アジングタックル、代用ならトラウト、メバリングタックルならまぁ1gアンダーくらいなら投げられますが、それでも「操作してて何してるのかわからない」という人は割といます。
釣りは年数が立つと難しくなる?
仮に動かし方がわからないでも、まったくアジングができないってことはなくない? 親方も前に「最悪釣り糸を垂らしゃあ、アジも釣れらぁ」って言ってたよね?
まぁな。確率論ど返しにして1%でもアジが釣れる可能性をいえば、足元にワームを落とすだけでも十分釣れる。
しかし最大の問題はその確率なんだ
そう。アジングの難易度が高くなってる原因として大きな問題は「アジが釣れる確率が年々減ってきている」ことにあります。
アジに限った話ではありませんが、魚は「釣りが確立してから数年経過すると釣果が減る」という傾向にあります。
事実アジングは昔、軽いジグヘッドをわざわざ使わなくても、アジのいるタナにワームを送れば釣れる時代があったそうです。まったく羨ましい。しかし、年数を計画するごとに、釣果はどんどん減っていったそうです。
現代のアジングで軽量リグが主流になっているのもそのせい。釣り人がどうにか確率を上げられないかあれこれ試行錯誤した結果、軽量リグでスローフォールさせた方が釣れやすいという結論に至ったわけですね。
なんでアジは釣りづらくなっていくの? やっぱ温暖化?
お、楓の割には勉強してるじゃねぇか。確かにそれも理由としてあげられる一因だな。
が、実は年数が経過するごとに釣りづらくなるのは、なにもアジに限った話じゃねぇんだ
そう。アジに限らず、大抵の魚は年数を追うごとに全体的な釣果が減るものです。有名なのはブラックバスですが、チヌやシーバスも釣りが確立した当初からは考えられないほど釣れなくなっているそうです。
仮説としては以下のものが挙げられます。
・生存本能により仕掛けを見抜く個体が多くなった
・温暖化により、群れが岸の浅いエリアより沖の深いエリアを好むようになった
・個体数が少なくなった
実際にどれが正解かは何とも言えないところですが、少なくともアジに関しては温暖化の可能性が非常に高く、近年今までいないとされていた深海でアジが発見されています。
一匹の満足感も影響してる?
やや個人的な意見ですが、一匹の満足感もアジングの難易度を上げている要因と思います。
アジはそんなに大きい魚ではありませんし、シーバスやチヌ、タイと比べれば釣果一匹の満足感はやはり小さい。
なのでアジングの場合、サイズ狙いよりは数釣りがメインとなるわけですが、そうなると一匹じゃ満足できない人たちも増えるわけです。
自然相手なので一匹も立派な釣果であり、決して嘆くような釣果ではないのですが、それでもアジンガーの大半は数を釣りたいと考える傾向にあります。
アジ狙いに拘らず、ライトゲームと考えれば難易度はかなり低め
じゃあ釣具店とかが「アジングは初心者向け」って言ってるのは嘘ってことだね! ひっどーい!!
待て待て。確かにアジングは難易度が高いことは事実だが、あくまで「アジを釣ること」に限定した場合だ
そう、ここがアジングが初心者向けかどうかというお話の分かれ目です。
アジを釣ることに特化した場合、前述した通り確かに難易度は高め。しかし、これがアジだけでなく「アジングで何かしらの魚を釣る」と考えた場合は極端に難易度は下がります。
アジングの主なゲストは以下のような魚です。
・サバ
・カサゴ(ガシラ)
・メバル
・ハゼ
・キス
また大型魚も含めると……
・シーバス(主にフッコと呼ばれるサイズ)
・チヌ
・ヒラメ
などが挙げられます。
このいずれかの魚なら釣り歩いているだけで、よっぽど運がないか、極度の悪条件でなければ、確実にどれかが釣れます。
これまで語った傾向もあってか、最近はアジングを「アジを主に狙うライトゲームの総称」として扱う人も多く、アジが来なくても引きが楽しめればそれでいいというポジティブな思考で親しまれています。
確かに、アジングロッドはチヌやシーバスを釣るには不向き。だが、その分小型でも強烈な引き味と細糸のスリルを味わうことができる。
ラインが細いからゴリ巻きで寄せるのは厳禁。だから竿捌きとドラグ調整が大事になってくる。そんな理由から別の釣りのスキルアップとしてアジングをやる人もいるくらいだ。
別の釣りへの応用って意味では、バスのフィネスタックルの扱いを覚えるために、アジングをしているって人もいましたね。
いろんな釣りに応用できるって意味では、確かに初心者にうってつけの釣りかもしれません。
道具集めの難易度は低め
道具集めが楽なのもアジングのいいところ。
基本的にアジングロッドであれば長さだけ気をつければまず失敗はないし、竿の柔らかさも種類が多いのはごく一部のメーカー(がまかつ、メジャークラフトなど)だけで、大半はUL〜Lのどちらかで合わせてくれているで最初から気にする必要はありません。
長さだけでテキトーに選んでも、だいたい何とかなるというのは、おそらくアジングくらいなもんでしょう。他の釣りとなると、使うルアーの重量に幅ができる分、竿の硬さも幅広いですし、割と使い勝手が違います。
アジングルアーもジグヘッドとワームだけでも何とかなるし、フロートやプラグは2の次で構わないです。仕掛けも超単純でスナップがなくても十分対応できます。
同じソルトルアーでもシーバスだとタックルだけじゃなく、スナップ選びも割と大切だし、竿の硬さやルアーのサイズ選びも知識が必要だ。そういう意味での難易度は、確かにアジングが一番簡単だろうな。
まとめ とりあえず難しいことは置いといて楽しむことを第一に
いかがでしたか?
確かにアジを釣ることだけにこだわると、難易度が高いと言わざるをえないアジングですが、それにこだわらなければ、かなりお手軽に楽しめると思います。
アジにこだわるのは、その後のスキルアップで十分。趣味なのですから、あまり深く考えすぎず、ポジティブにいきましょう。
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