早速タックルを手に入れても、最初の一匹まで時間がかかる人もいる。これが釣りの辛いところです。
「タイミングが悪かった」「釣り方が悪かった」。理由はわかりませんが、少なくともビギナーズラックが通用しなかったことは事実でしょう。
現に僕も最初の一匹まで苦戦した1人です。始めた時期が「アジは九州から居なくなったのでは?」とすら呟かれる絶不調の年。しかもアジングの基礎がわからずアジがいてもなぜ釣れないのかがわからない。
そんな辛い思いをみなさんにもしてほしくない。絶対に釣れるようになる方法はないものの、確率を爆上げすることはできます。最初の一匹に繋げるためのアジング入門をお届けします。
タックル選びから見たい人は以下のページをご覧ください。
……別の記事を読むのもめんどくさい
……そうは言わずに読んでほしいですが、どうしてもこの記事だけでアジングを覚えたい人のために、「ダイワの月下美人入門セット」をご紹介します! とりあえず下のアイテムがあればアジングをスタートできます!
もちろんダイワだけでなく別のメーカーも素晴らしいアイテムがあるのですが、最初はミーハーになって有名ブランドでそろえると、間違えて選ぶこともないので安心です。
時間帯は夕方から夜。特に夜は初心者におすすめ!
アジングで定番の時間帯は夜。ナイトゲームは狙うポイントもわかりやすいのでおすすめです。
さらに日の出、日の入りの前後1時間程度はまづめといって、釣り全般で釣果が上がりやすいタイミングです。
そのため朝、つまり朝まづめもアジングには適切な時間なのですが、最初は「夕方から夜まで」おすすめします。
なぜなら朝まづめだと時間制限ができてしまうから。人間は時間制限をかけるとどうやっても焦るものなので、判断ミスや行動が雑になりがち。夕方から夜までなら、気合い次第では夜が明けるまで釣りができます。そのかわり後日、足が棒になりますが。
ポイントは常夜灯が目印。特に堤防の先端ならなおよし!
初心者でもわかりやすいアジングポイントは常夜灯。理由はプランクトンが集まりやすいから。
夜の常夜灯では植物性プランクトンが光合成で増殖し、動物性プランクトンが浮いてきて、それを食べるアジなどの小型魚が集まり、シーバスやブリなどの肉食魚がそれを食いにやってくる。いわゆる食物連鎖が起きるわけです。
そんな肉食魚の目の前で好物であるアジを掠め取る。これがアジング最大の愉悦というわけです。
もちろん、釣って食べるだけではなく、リリース(釣った魚を帰すこと)してもOKです。
つまり弱ったアジを、飢えた肉食魚の目の前に投げる行為。これがリリースです。
……さて、無駄話は置いておいてポイントの話に戻ります。
常夜灯に加えて堤防の先端や角ならなおよし。流れに変化が生まれることによってプランクトンが溜まりやすく、それを捕食するアジも集まりやすいということです。
もちろん、常夜灯がすべてではありません。近年では闇アジングという常夜灯のない場所でもポイントになることが判明しています。現に僕も潮の流れや釣り人の量によっては、あえて常夜灯を外す釣り方をします。
ただ、そういった経験がなくても釣果を得やすいポイント。それが常夜灯下というわけです。
大事なのはルアーの流し方
さてアジングにおいてプランクトンパターン攻略が大切なことは、ここまで何度もお話してきましたが、厳密にいえばアジのベイトパターンは以下の三つです。
・プランクトンパターン
・シラスパターン
・バチパターン
無論釣果を伸ばすためにはシラスパターンやバチパターンも攻略しなくてはいけませんが、堤防、特に常夜灯下の夜となると、大半はプランクトンパターンの攻略になります。これはシーズンを問いません。最初の一匹を取るうえでプランクトンパターン攻略は必須科目です。
なのでここからは入門に最適な、「堤防の常夜灯下のナイトゲーム」という前提でお話していきます。
その場合、攻略の要点となるのは以下の通りです。
・潮が流れている方向へキャスト。
・狙いのレンジまで数を数えながら落とす。
・チョンチョンチョン、スーーッ。のアクションがコツ。
使う仕掛け(リグ)はジグヘッドとワーム。この仕掛けのことをジグ単と言います。ジグヘッド単体だからジグ単ですね。
軽い仕掛けでももちろんいいですが、最初は慣れるためにも比較的使いやすい1gから使い、アクションに慣れてきたら徐々に軽くしていきましょう。
潮が流れている方向へキャスト
まず潮の流れを見ます。本来は目に見える流れだけでなく中~下層の流れも把握できるようになるのがいいですが、最初はそこまで気にせず、ただ表面で見える流れだけを意識してみてください。
確認したら上流側の壁ギリギリに仕掛けを投げましょう。ラインに指をひっかけてベイルを起こしてキャスト。遠くへ飛ばす必要はありません。むしろ下手に飛ばすと効率が悪くなることもあります。
アタリがなかったら今度は少し沖の方へキャスト。こうして扇状に仕掛けを投げて探ります。
流れの反対側に投げても釣れないわけではありませんが、プランクトンは基本的に泳ぐ力がないため、潮に流されるだけ。つまりアジからしてみれば流れの反対からやってくるプランクトンは違和感があるわけです。
流れの反対側にわざと投げて誘う方法もあるのですが、プランクトンパターンなら軽いジグヘッドでゆっくりアクションする必要があり、ちょっとだけ難しくなります。
なので、最後にまっすぐキャストしてそれでもアタリがないなら少しだけ移動するようにしましょう。こうやって移動しながら狙うことを「ラン&ガン」と言います。
狙いのレンジまで数を数えながら落とす
ワームを投げてベイルを返さずにそのまま待ちます。着水したら5秒数えてそのレンジを探る。次は10秒、その次は15秒と5秒ずつ増やしてフォールさせます。
このやり方を「カウントダウン」と呼びます。
本当は何秒で底につくのか把握しておいた方がいいのですが、アジングで使うような軽量リグで底をとるのは難しいですし、根掛かりする危険性も増えます。なので最初は、表層から順番に探ることを覚えた方がいいです。
チョンチョンチョン、スーーッ。のアクションがコツ(リフト&フォール)
カウントして狙いのレンジまでたどり着いたら、チョン、チョン、チョンと三回軽くロッドを引いて、リールを一回転させて止める。スーッと3秒くらいフォール、つまり沈めさせます。
これが基本的なリフト&フォールのやり方です。イメージとしては音楽の指揮者がちょんちょんと指揮棒を動かしているような感じです。軽い力でチョンチョンと動かしてみましょう。
ココが重要!!
アクション中は、常にラインがしっかり張っていることを確認してください。チョンチョンしているときも、フォールさせているときもずっとラインは張った状態にします。
ラインが張られていないと……
糸電話をイメージしてみてください。糸電話の糸はピンと張った状態でなくては声が聞こえません。
それとまったく同じです。アジのアタリもまったく同じ仕組みで釣り人に伝わります。
ここで豆知識の用語解説!
ラインのたるみの事を「ラインスラック」もしくは「糸フケ」といいます。
このラインスラックを調整、管理することを「ラインメンディング」と呼びます。
アジングのテクニックなどの解説でよく出てくる単語だから覚えておこうね。
基本は上記の通りですが、アジの反応が悪ければ、ロッドをあおる強さや回数を増やしたり、落とす秒数を増やしたり、いろいろ試してみます。
この時大事なのは「チョンチョンチョン」というアクションの時に、ジグヘッドを引っ張ってる感覚をしっかり確認することです。感覚がないならルアーは想像以上に流されている可能性があるので、ラインを巻き取って張っておきましょう。
アタリがあったら小さくアワせる
アジは基本的にフォール中に食ってくることが多いです。アジのアタリは小さいので少しでも反応があったら即アワセを入れましょう。
このとき、やってしまいがちなのが大きくアワセを入れてしまうこと。アジは口が柔らかく、特に口の横は薄い膜があるだけなので、簡単に口が切れてしまいます。
なので、アワセは手首だけで行い、コンパクトに小さくやるだけでOK。これで十分刺さります。何ならアワセを入れなくてもいいくらいです。
間違ってもバス釣りや青物釣りのようなダイナミックな大アワセは厳禁。地味にクイッと上げるだけで大丈夫です。
まとめ 最初の一匹はもう目の前!
いかがだったでしょうか? 今回のポイントは以下の通りです。
・時間帯は夕方から夜。特に夜がおすすめ。
・常夜灯下が一番わかりやすいポイント。堤防の先端や角ならなおよし。
・流れてくるプランクトンを演出しよう。
・アワセは小さくコンパクトに。
釣りには正解がありません。アジングも同じです。なので、どんな状況でも確実に釣り上げる方法はありません。プロでも釣れないことはよくある話です。
ただ、確率を上げることは可能です。僕の場合は「流れてくるプランクトンを演出する」ことを意識したら、格段に釣れる確率がアップしました。
皆さんもかわいいアジに早く会って……。
灼熱の油でカラッと揚げるか
切り刻んで生で捕食するか
原型がなくなるまで切り裂いてやるか
はらわたを引き裂いて体を半分に引き裂いて干し物にするか
あえて海に帰し文字通り魚のエサにするなり……
好きに料理して楽しんでくださいね!
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