自然が相手な釣りにおいてボウズは避けて通れる道。ただあまりにもボウズが続きすぎて万年スキンヘッドなあなたは釣り方が悪いだけかもしれません。

磯野波平が一本の髪にこだわるように、一つだけ残された希望と言えなくもない釣り方があるかもしれません。波平ヘッドがスキンヘッドになる前に、なぜ釣れないのか知る必要があります。
周りがオールスキンヘッド状態のなかで釣り上げれば、あなたはドヤ顔の波平さんになれるかもしれません。もしくは海平さん。

あるいはマツケンのごとくチョンマゲをゆえるくらいには髪が増えるかもしれません。(※アジングの話です)
今回はアジが釣れない原因12選とその対策をご紹介します。この内容を知っておけば堤防人類ボウズ化計画を阻止することができるかもしれません。
季節とポイントによっては釣れるわけがない
根本的な話ですが、そもそもそのフィールドにアジはいるのでしょうか? 場所によっては季節や条件によってはアジが寄りつかないこともあります。
わかりやすいのは適正水温。アジは19〜23度が適正水温とされています。(データによっては16〜26度と言われています)
アジは人間と違ってオール裸族です。水温変換は時には命に関わります。だから氷締めとかいうものもあるのですから。
適正水温から外れてしまうと、アジは沖の深場に潜ってしまいます。こうなると釣れる確率はかなり低くなります。沖と言っても広いですから、遠投リグでも届かない場所にアジが移動したならボートでなければ手も足も出ません。
この水温低下による影響で有名なのは大阪あたりの海。あのあたりの冬はかなり海水温も低くなるので冬は基本オフシーズンとなります。
しかし海水温がギリギリのタイミングなら、時間帯を工夫することで釣れるタイミングで釣り場に立てるかもしれません。
例えば寒いなら昼から夕まづめのタイミングで釣り場に立つなど。夜になってもしばらくは太陽光によっては温められた海水が残っているのでアジが残っている可能性が高くなります。
逆に暑すぎる場合は早朝の暗いタイミングなら長時間太陽が出てない分海水は冷やされてるはずなので接岸しているかもしれません。
自分のフィールドが釣れているかどうかは近くの釣具店に聞いてみると適切なアドバイスがもらえるでしょう。
さらに季節が間違いなく、アドバイスも受けてなおアジがいないなら、ラン&ガンで足を動かしましょう。たった1mで釣果が全然違うなんてこともあるので、少し移動したら釣れるかもしれません。

釣りてぇならテメェの足を動かしな。オフシーズンでも工業廃水で海水が温められ、ピンポイントで釣れるポイントがあるかもしれねぇぜ。
狙う場所が悪い&プレッシャーが高い
ここからは、その場所にアジがいるのは間違いないといった前提でお話しします。
さてアジはベイトフィッシュにしても、ゴカイにしても、プランクトンにしてもアジは基本、流れの先にいることが多いです。
ゴカイ、プランクトンは遊泳力がないため流されてきますし、小魚を捕食しているアジを狙う場合も「弱ったベイト」や「アミを捕食しにきた小魚」にイミテート(似せる)わけですから、必然的に流れの先にいるアジにワームを届けるように狙います。
その際、アジのいそうな場所に直接狙うのではなく、その場所よりやや上流側にキャスト。流される弱々しいベイトを演出しながら食わせます。
また、狙う場所が悪いという意味では釣り人によるプレッシャーの可能性が考えられます。その場合、釣り人が多い場所からやや下流側からアプローチし、警戒して距離を取っているアジを狙い撃つか、その場所は諦めていっそ場所を移動した方がいいかもしれません。

魚でも警戒するんだね

生きていくのに必死なのは、おめぇさん達人間だけじゃねぇ。生死って意味じゃ、あちらさんの方が一枚も二枚も上手なのかもしれねぇな
時間帯が悪い
アジングは夕まづめ、ナイトゲームが定番の時間帯となります。
ただし、状況によってはこれも当てはまらない場合があります。
わかりやすいのは猛暑の夏。この場合、夕まづめのタイミングだとまだ海水温が高すぎる可能性が出てきます。その場合は深夜や朝まづめの方が釣れるかもしれません。

うぅ~。そんな時間、絶対眠たいよぉ

お子様には辛い時間かもしれねぇな。辛いときは、無理せず眠ることも大事だぜ
ベイトパターンが違う
アジの基本的なベイトは以下の通りです。
・アミ(プランクトン)パターン
・小魚パターン
・ゴカイパターン
このうちデイゲーム、まづめで多いのは小魚パターン。ほかの肉食魚も同じですが、まづめのタイミングでは大半の魚の活性が上がります。アジングでリフト&フォールではなくタダ巻きの方がよいといわれているのも、この小魚パターンです。
また、プランクトンパターンとゴカイパターンも微妙な違いがあります。どちらも流されやすいベイトですが、微妙な比重の違いやサイズの違いがあるため、ややアクションやルアーを変更する必要があります。
ゴカイパターンでは細長いワームを使い、表層を漂わせるように意識してみるといいでしょう。
プランクトンパターンではゴカイパターンよりは小さめ。表層だけでなく中、ボトムまで幅広く狙う必要があります。

わかってるかわかってないかじゃ、攻略法も変わってくるぜ
流し方が違う
ベイトパターンと内容がややかぶりますが、流し方が悪いとアジに違和感を与えてしまう可能性があります。

例えばドリフト。横の流れを利用してトレースコースをカーブさせる多くのルアーゲームで使われるテクニックですが、トレースコースとベイトパターンが合っていないとうまく食わせることができなくなります。
特に、足元でアタリが来ている場合で上図のように動かすと、ヒットゾーンにくるときは流れに逆らって動かしてしまうことになります。ベイトフィッシュなら悪くありませんが、プランクトンを意識するなら不自然な動きです。

なのでこの図のように流れに沿うようにアクションした方が良いでしょう。
無論、ベイトパターンによってもこの考え方は大きく変わります。どう動かせば一番自然にアジに見られるか考えながらアクションさせてみましょう。

うぅ~。なんだかややこしいよぉ

難しいなら、とにかくゆっくり誘ってみるこったな。手返しは悪くなるが、潮の流れの反対に流したとしても、ある程度釣りやすくなるぜ
ジグヘッド選びが悪い
スローフォールをさせるにはジグヘッドを軽くするのが一番わかりやすい方法。しかし、ジグヘッドを軽くするだけだと攻略仕切れないパターンもあります。
たとえばヒットゾーンがやや沖側で活性が低い場合。この時はジグヘッドの重さがある程度あり、かつ重量のわりに沈下速度が遅いジグヘッドを選んでみましょう。
流れが速く、どうしてもジグヘッドの感覚が伝われないなら、ジグヘッドを重くして自然になるようにアップクロスにキャスト。流れに合わせてワームを動かしてみましょう。

どんなジグヘッドを使えばいいのかわかりません……

いろいろ試すためにもスナップを使った方がいいだろうな。ジグヘッドの交換時に結び直す必要がないから楽だぜ。最も、結ぶスピードも鍛えたいならスナップを使わない手もあるがな
ワーム選びが悪い
ワームのカラーは「なんでもいい」という人がいます。これは間違いでもあって正解でもある言葉です。
アジは結構いろんな色のワームを捕食するので、この色が一番釣れるっていうのはあまりなかったりします。ただ「なぜかこの色しか釣れない」といったタイミングはあるのです。
僕の場合は以下のようにワームカラーを振り分けて上から順番にアピール力の高いものと考えてローテーションを組んでいます。そしてアタリカラーを見つけるまでローテーションを続けます。
①:グローカラー
②:ラメ入り半透明
③:半透明
④:ラメ入りクリア
⑤:クリア

黄色とかピンクとかいろいろあるけど、どれを選べばいいの?

どれでもいいといえばいいですが、僕はオーソドックスなレッドラメやピンクを主体にカラーローテーションを組みます。ピンクがダメならチャートカラー、それがダメならクリアや青ラメとかですかね?

ようするにアジに見られればいいんでしょ? だったら、見た目派手なのでやればいいじゃん

残念ながら人間から派手に見えるからって魚からしても同じとは限らないんですね。そもそも空気中で見るか水中で見るかという違いもありますし、魚と我々では目の中にある錐体細胞……色を見るための細胞の構造がまるで違います。なので、僕らからしてみれば無色透明でも魚からしてみれば派手な色であるケイムラカラーというものもあるんです
また、ワームの形状や大きさによってもフォールスピードは変わります。
リブが深いものやパドルなどの水抵抗が高いものはフォールスピードが落ちますし、同じ形状でも、ワームサイズが大きくなるとと体積が増えるわけですから比重が小さくなり、フォールスピードを落とすことができます。

ルアーフィッシングの基本は、ルアー選びにある。どんなにいいルアーを持っていても、選べなきゃ宝の持ち腐れってやつさ
流れが強すぎる
海は広い。ゆえにどこにアジがいるかはわからない。とはいえ、予測はできます。
ある程度の潮通しがよい場所は、アジングの好ポイントと言われていますが、だからといって流れが速すぎるのもよくありません。アジは小型魚の中では遊泳力が高い方ですが、高速で流れるプランクトンを追いかけるほど、もの好きではありません。
この場合は、障害物(テトラなど)や堤防の形状による流れの変化を意識してみましょう。プランクトンが溜まりやすく、アジも寄り付きやすくなります。

アジも楽したいんだね

エサが向こうからやってくるならそれに越したことはねぇからな
流れがなさすぎる
流れがなさすぎるのも問題です。アジングの場合、カーブフォールによるスローフォールによって沈んでいくプランクトンをイミテートしますが、流れがなさすぎる、つまりプランクトンはほとんど流されないので、ワームをどう動かせばいいかが分かりづらくなります。
対処法は、まずジグヘッドを限界まで軽くする方法。そして、ワームはテールが長く広いパドルテール、もしくはリブが深く水噛みのいいワームを使うこと。
もしくは、フロートリグで浮かせることでスローフォールにするという方法があります。

流れがあった方がいいのか、なかった方がいいのかよくわかんないよぉ

こういうのは経験がものを言う。最初は潮汐とか関係なくとにかく竿を出してみるこったな
アタリを逃している
アタリはあるが乗らないという場合の原因はいくつか理由が考えられます。
・アワセが遅い。
・ショートバイトでハリに口が届いていない。
・ハリが大きすぎる。
このうちショートバイトとハリの大きさはこの次に説明するとして、アワセのことに関してお話しします。
アジは捕食したものがエサではないとわかったら、0.3秒という早技で吐き出すとされています。状況判断が早い!
なのでアワセ遅れたらまず釣れません。といっても0.2秒なんて、もはや人間がどうにかできるレベルでもありません。
なので以下の対策方法があります。
・ハリ先を鋭くして初期掛かりを完璧にする。
・オープンゲイプのタイプを使用して、刺さりやすくする。
・いわゆる汁物を使用して味をつけてニセモノのエサとわかりづらくする。
・それでも掛からなければ、フォール中に徐々にロッドをあげて向こうアワセにする。
ともかくまずはジグヘッドのハリの管理を徹底すること。これだけでも初期掛かりするので、吐き出そうとしてもうまくいかず、フッキングする余裕が生まれます。

ちなみに楓はこの前は20回くらいアタリを逃してたな

そんなに!?
ショートバイトでアワセている
ショートバイトとは、何かしらの原因でワームを咥えたのに、ハリは口に入らなかった状況。考えられる原因は以下の通りです。
・アジがミスバイトしてうまく咥えきれていない。
・ハリもしくはワームが大きすぎてハリまで届いていない。
・横から咥えようとした結果偶然そうなった。
一つ目のケースはフォールスピードを抑えることで解決するかもしれません。ジグヘッドを軽くしたり、オモリの形状を変えたり、ワームのサイズや種類を変えれば解決するでしょう。
二つ目はワームサイズを小さくしたり、ゲイプ幅が狭いものを選ぶことで解決するかもしれません。先ほど紹介したオープンゲイプもある程度ゲイプ幅が大きくなりがちなので状況によってはマイナスとなるケースがあります。
また、アシストフックを使用することで、ショートバイトされてもアジにハリをかけることができるようにする戦略もあります。一見解決方法がなさそうに見える三つ目のパターンもアシストフックでハリを掛けることができるかもしれません。

まぁ、ショートバイトを見逃して本アタリだけを掛けるなんてことそう簡単にできることじゃねぇ。最初はとにかく違和感を感じたらアワセるこった
無駄に遠投している

釣りにおいて遠投は基本有利に働きます。これはアジングでも原則的にはそうです。
ただ、これはきちんとレンジを管理できる場合、理論上はそうなるといった意味になります。
カウントダウンである程度のレンジを管理することはできますが、まったく同じ水深を完璧にキープしている人はまずいません。

「アタリは水深15.87m。潮流1m/s、やや向かい風の風速の……」
なんてデータテニスならぬデータアジングできる人はマンガの世界の住人だけでしょう。
実際のトレースコースは人それぞれではありますが、多くはカウントダウン後、やや沈み気味のレンジを通りながら足元までやってきます。ちなみに僕はフォールの時間を長めにとることが多いため、落ち気味になります。
上の例の場合だと、表層がヒットゾーンで着水点と釣り人の間に距離があるとすると、ヒットゾーンを外して群れの下を通している可能性があるわけです。
それならあえてショートキャストすればヒットゾーンで長くフォールアクションが演出できるので釣れる確率が高くなるわけです。
また、遠投しすぎは手返しの悪さにもつながります。足元で誰でも簡単に釣れるような状況で無駄に遠投していては、ヒットゾーンにたどり着くまでに時間がかかるため、釣れる数が少なくなる可能性が高くなってしまいます。

遠投がすべてじゃねぇ。それがアジングの奥深ささ
まとめ 釣れるパターンを見つけろ!
いかがでしたか? 今回のまとめは以下の通りです。
・季節のパターンを意識しろ! 冬はオフシーズンの地域もある。
・ベイトパターンを見極めてどういうふうにアジに口を使わせるか考えること!
・流れを意識してエサがどう流れてくるか予測する!
・アタッても乗らないときはジグヘッドやワーム形状、アシストフックを使うなどの工夫をしよう!
・遠投すれば釣れるというわけではない。アタリがあった場所によってはショートキャストの方が良い場合もある。
ポジティブに考えればそれだけ打開策があるという意味でもあります。
この記事がみなさんがアジに出会える機会となり、アジンガー全波平さん計画が完遂することを願います。※釣果の話です。

……私、べつに波平さんにはなりたくないんだけど

そう思うなら、数釣るんだな

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