当たり前ですがラインがなければ釣りはできません。
釣具店でラインを購入した場合、大抵お店の人にラインとリールを渡せば巻いてくれます。が、ネットでラインを購入した場合はそうはいきません。
その場合は自分で巻くか、お金を払ってお店の人に巻いてもらうかとなるのですが、自分で巻くのは案外テクニックが入ります。
では今回はリールにラインを巻く方法を解説します。
ビギナーはお店の人に必ず巻いてもらおう
ラインを巻くだけでしょ? そんなの適当にやればいいだけじゃないの?
実際こういった考えは多く、現在でも道具を使わずにスプールに鉛筆刺してラインを巻く人が案外います。
ただ僕はこの方法はおすすめしません。少なくとも初心者に推奨できることではありません。
理由はライントラブルが頻発する可能性。ラインがバラバラのテンションで巻かれているわけですから、上手く飛距離が出なかったり、バックラッシュが頻発する可能性が生まれます。
道具を使わずにライン巻きをしている人は、こういったトラブルに気付かずに使っているか、熟練者で道具なしでもテンションを十分掛けているかのどっちかです。
じいさんの時代は道具なんて上等なもんはなかったから色々工夫してたが、若いもんがそんな苦労をする必要はねぇぜ。そのためにじいさん達の技術があったってもんだ
ポイントはテンションを掛けながら巻くこと
ラインをリールに巻く上で大事なのは、一定のテンションを掛けながら巻くことです。
このテンションがゆるすぎると、さまざまなライントラブルが発生して、釣りどころではなくなったりするわけです。
またスプールやリールはできるだけ固定するか、リール側にロッド(リール側に一番近いガイドまであればOK)を装着してから巻くこと。下手に動く状態で巻くとテンションが抜けたり強まったりして上部は巻きすぎ、下部は巻かなすぎというアンバランスが発生する可能性もあります。
だからってキツすぎるテンションを掛けながら巻くのもよくない。ラインが偏って巻かれたり、巻きグセがつきやすくなったりするからな。
道具があると楽に巻ける
一定のテンションを掛けながら巻くって、どうすればいいの?
スプールに鉛筆ぶっさすしかなかった時代は、色々工夫してテンションを掛けていたそうですが、時代は令和です。道具を使いましょう。
有名どころだと第一精工の高速リサイクラー2.0。DRESSのマキシマムワインダーEVOでしょうか?
こういった道具があるとテンションが調整できるので、ラインを巻きたいならぜひ活用しましょう。
ラインを買う時はリールのスペックを必ず確認しよう!
よっしゃ! ラインを巻く道具が揃ったぞ! 早速ラインをネットで買っちゃおう!! ここはあえて太めのラインを……
ま、まてまて! ちゃんとリールのスペックを考えて買えよ
リールには糸巻き量というものがあります。簡単な話ラインって太くなるほど巻ける量も短くなるよねって話で、ラインが太くなるほど大きなリールが必要になるわけです。
エステルやPEのアジング向けラインを買うなら、クッソ細いので特に問題ありませんが、これがナイロン、フロロの汎用ラインとなるとちょっと気をつけた方がいいですね。
リールによって巻けるラインが違うなら、ラインによってリールって使い分ける必要があるの?
原則としては1000〜2000番ならアジングラインのどのラインも使える。余っても切ればいいだけだからな。ただ、2000番で極細ラインを使うってことは、それだけ下巻きが必要であり、重量が上がる可能性もある。基本的にはアジング専用と考えるなら、1000番の方がいいだろう。
逆に2000番はアジング以外にも使える汎用性が魅力。太いラインも使えるから、シーバスとかが混じるエリアや、ビギナーで主に使うラインがナイロンやフロロの場合、フロートなどの遠投リグで少し太めのPEラインを使いたいなら2000番がおすすめです。
準備するもの
・ラインを巻き替えたいリール
・糸巻き機
・交換したいライン
最低限必要なのは上のアイテム。これだけでも物理的には巻けるのですが、下巻きもできるとなおいいです。
下巻きって?
ラインは太さが違うだろ? 太さが違うということは最後までラインをスプールに巻き切った時に、かさが少なすぎるケースがあるんだ。少なすぎると、飛距離が出なかったり、ライントラブルにつながることがある。そういったトラブルを防ぐためにちょうどいい位置に調整するかさ増しを、下巻きというんだ。
なお下巻きに必要なアイテムはこちらです。
・下巻き用ナイロンライン(使い古しでOK)
・空のスプール
また下巻きしやすいようにこんなアイテムもあります。活用してみましょう。
スピニングリールにラインを巻く方法
まずは今ついているラインを空のスプールに巻き取ります。今回は劣化も考えて全部捨てちゃいますが、使えそうなら残しておいてもいいですよ。
ベイルを開いてスプールにユニノットでラインを結びます。
先に大きな輪っかを作っておいて結び目を作ってからスプールに結びつけると簡単だぜ
ラインのテンションを掛けない状態で数回軽く巻きつけます。回転しないように指で押さえながら手で巻いてもいいですよ。何回か巻いたらラインテンションを掛けても空転せず巻き取れるようになります。
そっか、何度巻き付けても空転するからどうすればいいんだろって思ってたよ
あとはラインのテンションをかけてラインを最後まで巻き取ります。
下巻きをしよう!
なーんだ。ラインの巻き付けって簡単じゃーん。
いいえ。ここからがちょっとめんどくさいんです。下巻きをしないといけません。
正直上の写真だと結構いい位置にきてるので下巻きはいらないとは思いますが、今回はより理想を求めて少し下巻きしようと思います。
このリールの場合は大体スプール上部の黒と赤の境目、ギリギリ黒い部分が見える程度。かつラインストッパーの内側の溝にラインがかからないくらいが理想だな。
でも、それってどのくらい巻けばいいの?
計算する方法もありますが、微妙な誤差が発生する可能性もあるので確実な方法を教えましょう。
まず、下巻き用ラインとメインラインを結びます。僕はあまり結びコブを作りたくないという理由でFGノットにしてますが、正直あまり変わりませんので、トリプルエイトノットでもいいと思いますよ。
そして、下巻き用のラインを巻いて、目標のところまでラインを巻きます。ラインが透明なのでわかりづらいですが、
「大体こんなもんでしょう」というところまで来たらラインを切断します。
ここで下巻き用ラインをどこまで巻けばいいかを図るわけだね
不安なら2〜3回転分巻く量を増やせばいい。もし多すぎてもその分ラインを切れば、巻きなおす必要がないからな
そうですね。これがタイラバとかなら長距離下に沈めるので最初から長くラインを切るのはリスクがあるのですが、アジングですので、ラインの劣化が気になり始めたときには結構残っているもんです。なので、少し多めに切ってもまず困ることはありません。
さて、このままではメインラインが内側にあるので使えません。なので、下巻き用ラインを内側、メインラインを外側に入れ替える必要があります。
なのでせっかく巻いたラインですが、元のスプールに戻しちゃいます。
ああ……せっかく巻いたのに……
そして、スプールに巻いたラインを別のスプールに巻き取ります。この時写真のように大きめのスプールを土台として棒を突き刺し、スプールを入れておくと便利ですよ。
また、先ほども紹介しましたがラインを逆転させるためのアイテムも販売されてますので、試してみてもいいかもしれません。
そしてようやく最後の糸巻き。同じようにベイルを開いて結び、ラインを巻き取ります。
これで完成です。
ひえぇ……こんなに手間がかかるんだぁ。アタシにできるかな?
意外となれると簡単だぞ。単純作業だから動画や音楽を聴きながらできるしな
ベイトリールへの巻き方は簡単
ベイトリールへのラインの巻き方はスピニングよりはるかに簡単です。
というのもベイトリールは巻き過ぎによるライントラブルはあるものの、巻かなすぎることによるデメリットは少ないからです。
デメリットというレベルでもないかもしれんが、フロロカーボンやエステルの場合はライン自体の硬さがあるため、巻かなすぎるとバックラッシュしやすいというデメリットを訴える人はいるな。ただ、フィネスリールはそもそもスプールが小径だし、下巻きによるかさ増しでこれが解決するかといえば、懐疑的だな
トラブルが不安ならPEを使えばいいだけだしね
お、楓の言うとおりですね。実際僕もベイトアジング初釣行でエステルを使いましたが、ここまでバックラッシュすんのかと思うくらい苦戦しました……一応サミング含めキャスト制度が上がるとだいぶなくなりますがね。
だからベイトアジングの場合、糸巻き量で解決すると考えるよりは、ラインの素材とかで解決していくべきですね。いっそフロロを使うという手もありますし。
ベイトリールにも下巻きは必要?
じゃあ、ベイトリールは下巻き必要ないの?ラクショーじゃん!
ところが、ベイトリールに下巻きが必要という人は結構います。僕もないよりはあった方がいいと思います。
特にPEラインなのですが、ご存じの通り滑りやすいため結束強度が低い。それゆえに何が起こるのかといえば、スプールの内側でPEラインが空転する事故が発生することがあるのです。
これは大きなリスク! ……といいたいところなのですが、正直アジの引きでそこまでの問題が発生するのかというと少し疑問が残ります。
正直大きな問題リスクともいい難いので、僕はスプールの内側にナイロンラインを1~3往復くらいでざっくり巻くくらいでいいと思います。
なんか飛距離が変わるかもって話もあるけど……
そうですね。円周の長さが変わるため、スプールの外側の方が内側より抵抗が少なく飛距離が出るとされています。
ただ、じゃあ、下巻きするかしないかでどのくらい伸びるのか? となるとかなりビミョーです。そもそもベイトアジングは飛距離不利のタックルなので、飛距離を求めるなら最初からスピニングリールを持った方がいいでしょうね。
テープは使うな!
楓……結ぶのがめんどくさいからってスプールの内側にテープを貼るな
え? でも釣具屋さんがスプールにテープ張って巻いてたよ?
結構いるのですが、ベイトリールにラインを巻く際、結ぶのが面倒ということでスプールにセロハンテープを貼っちゃう人がいます。これ、メーカー非推奨です。
特にフィネスはそうなのですが、テープを貼るだけでもスプールの重量バランスが変わり、バックラッシュの確率が上がったり、飛距離が安定しなかったりすることがあるのです。
一応テープを貼っても普通の感覚で使えるので、「誤差の範囲」と判断してテープを使ってラインを巻く人は結構います。ただ、テープを使うなら非推奨であることを承知したうえでやってください。
そして「なんか異音がするな」と思ったらテープが原因と考えていいです。
シマノの修理担当者の話では「異音がするという話で修理を受け付けたら内側にテープが貼られていることが原因だった」ってことはよくあるそうだ。やはりできる限り推奨されているやり方で道具は使うべきだろうな
まとめ ラインセッティングは覚えると簡単
いかがでしたか?
結構めんどくさいと思ったかもしれませんが、意外と簡単にできます。ぜひこの機会に覚えてみてはいかがでしょうか?
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