どんな釣りでも重要とされ、必ずと言っていいほど話題に上がる潮目。しかし、同時に勘違いしている人も多いのもこの潮目です。
なぜ潮目が釣れるのか正しく認識しなければ、狙いがズレてしまい、得られるはずの釣果も減らしてしまいます。
今回は潮目の基本を解説します。
潮目 潮境の基本知識を解説!
よく、潮がぶつかっている=潮目と思っている人もいますが、これは少し違います。潮がぶつかっているだけなら、堤防の際でいくらでも発生してますしね。
ただしくは潮目とは「別々の水質を持った水の塊(水塊)の境目の表層部分」のことをいいます。ちなみに表層以外の水塊の境目を潮境と言います。
わかりやすい例を紹介すると、例えば河口近く。ご存じの通り川の水と海の水では塩分濃度がまったく違います。つまり、別々の水質を持った水という事になります。この同じ水質の集合体を、「水塊」と呼びます。
この二つの水塊が完全に交わるには、ある程度かき混ぜないといけません。カフェオレで言うところの、牛乳を入れた直後混ぜない状態と同じですね。この別々の水質を持った水が完全に交わっていない状態の境界線が表層から見える状態になっているものが潮目です。
潮目が発生する理由として、工業廃水やプランクトン量、塩分濃度や溶存酸素量、水温など多くの要素があるため、全部は語り切れません。
ただ、河口の例のように流れがぶつかるような状態になることが多いため、いくつかのメディアでは流れのことだけをいうことがあります。しかし厳密にいえばこれは間違いというわけです。
潮目が釣果に与える影響とは?
プランクトンの種類が多い
プランクトンは通常、一つの水塊には同じようなプランクトンが集まります。
この理由も河口と海を例にするとわかりやすいですが、河口にいるプランクトンと海にいるプランクトンが別の種類なのは容易に想像できると思います。つまり、本来海には存在しないプランクトンも河口によってできる潮目にはいる可能性があるわけです。
いろんな種類のプランクトンが集合しているわけですから、広い海の中でも潮目に魚が集まるのも当然というわけです。
プランクトンが育ちやすい
また、潮目は植物性プランクトンが育つ環境が整っているため、食物連鎖が起きやすいという点も大きなポイントです。
なんで潮目だと植物性プランクトンが育ちやすいの?
まず、太陽光はおよそ90%が海面で反射し、残り10%が減衰しながら海中を照らすとされています。その為、表層であればあるほど、光合成しやすく、プランクトンが育ちやすいという事になります。
しかし、植物性プランクトンが成長するには栄養塩という要素も必要になります。栄養塩はその性質上海底に溜まるのです。
光を得るには海面でなければならず、栄養塩は海底にある。これでは遊泳力のない植物性プランクトンは育ちにくくなってしまいます。
ここで活躍するのが潮目、というよりその下の潮境です。例えば海水温が違う二つの水塊がある場合、水温が高い方が海水は軽くなるため、上の図のような上昇水流が発生します。温かい水塊の上昇水流によって底の栄養塩が表層まで運ばれていき、プランクトンが成長、増殖しやすい環境が生まれます。
この例以外にも、流れの変化による上昇水流が発生しやすく、プランクトンが育ちやすい環境が整っているというわけです。
潮目を見極める方法
潮目は海面の変化である程度見極めることができます。
わかりやすいのが写真のような例。上昇水流によって海面が鏡のように反射するため、変化がわかりやすいですね。この潮目の事を通称「鏡」と呼んでいます。そのままのネーミングですね。
ほかにも、泡立っていたり、ゴミなどが表層で固まっていたりする場所は潮目になっている可能性があります。試しにルアーを通してみるといいでしょう。
潮目だけでなく海中の潮境も意識しよう
アジングの場合、潮目というより潮境を見極めることが大切です。というのも、アジングはどちらかというと表層より中層、ボトムを狙うパターンが多いからです。
しかし海面の潮目はなんとか見れますが、水中の潮境を視認することは不可能です。
なので、ルアーを動かした際の、水の抵抗で推し量る必要があります。潮境は流れが違うケースが多いため、潮境を通り過ぎた段階で引き抵抗が若干変わります。この違いを見極めるわけです。
また、潮境は潮目からまっすぐ境界線が引かれることはほとんどなく、斜めだったり、複雑な形になったりしています。自然相手だから当然ですよね。
そのため、潮境にルアーを通そうとした場合、潮目より遠くへキャストするのがベスト。届かなかったとしても、潮境近くならアジが回遊している可能性が十分あるので、すぐにあきらめず狙ってみましょう。
アジングにおける潮目の重要性とは?
潮目にプランクトンが集まるという事は、アジも当然集まるという事。特にアジは回遊魚のため、潮境やカケアガリに群がりやすいので、当然アジングでも潮目は重要です。
潮目や潮境を把握していれば、常夜灯がなくても釣果を得ることができるため、デイや闇アジングでも釣果が上がるはずです。
問題は潮境をどうやって把握するか。これはもう経験としか言いようがなく、手元にくる引き抵抗を感じ取るしかありません。海面の変化を見て、釣り座を決めて、引き抵抗で詳しい潮目をおしはかり、なるべく長めに潮目を通す。
これができれば、確実にアジングの腕がアップするはずです。
まとめ アジングで潮目をマスターしよう!
いかがでしたか?
潮目はあらゆる釣りにおいて超重要なポイント。特に、プランクトンをイミテートするアジングでは、どこにプランクトンが多いかきちんと把握しておく必要があります。
潮目について正しい知識を得て、アジングの腕をさらにアップさせましょう!
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