「フォール制す者はアジングを制す」とボクシングや某バスケット漫画と同じようなことがアジングにもいえます。
現にアジング系の雑誌で語られるアクションのほとんどが「リフト&フォール」が前提となっております。
しかし、すべてのフォールまったく同じかといえばそんなこともなく、微妙な違いがあるのです。今回はアジングを極めるための、各種フォールの使い分けをご紹介します。
フォールは主に三種類
アジングに置いてフォールの種類を大きく分けると三つ存在します。
フリーフォール、テンションフォール、そしてゼロテンションです。それぞれの特徴を見ていきましょう。
リアクションバイトも狙える フリーフォール
まずはフリーフォール。なんか横文字でカッコよくいってますが、めちゃくちゃ単純で、ただ落とすだけです。
より厳密にいえばラインのテンションをかけず、ベールを開いた状態で落とす。あるいはワームが落ちる速度より早くロッドを下げて、急に沈む誘いを入れる方法もあります。
基本的な使い方はキャストして着水後、狙いのタナまで落とすときに使います。流れなどの外的影響を除けばまっすぐ落ちていくので、狙いのタナを長く探ることができるというわけです。
また、フリーフォールはリアクションバイトを誘うときも使えます。どうしても活性が低いときは、わざとロッドを下げて早いフォールを演出することで、慌てて口を使わせるというわけです。
なお、厳密にいえばロッドを下げる方法はフリーフォールと定義するのはやや難しい。なので、ほとんどのメディアでは「フリーフォール気味に誘う」などの表現を使う。
この記事ではわかりやすいようにフリーフォールの分類に入れていますが、僕も基本はベールを開く方法以外はフリーフォールではないという解釈です。なので、他の記事では多分他のメディアと同じフリーフォール気味を使うと思いますので悪しからず。
フリーフォール中にもアタリはくる!
リアクションバイトにフリーフォールが使えるっていうけどさ、でもフリーフォールは食わせるのには向かないって聞くよ?
そりゃフォールが早いからな。仮に食ってくるとしてもバイトミスの可能性は高いだろうぜ
しかし、何事にも例外はあります。実際フリーフォール中のアタリはまれにあります。まれにあるということは、それを拾えるようになれば釣果がまた上がるということです。
なので、フリーフォール中はフェザーリングなどで余分なラインを出し過ぎないように注意しましょう。
ラインのテンションが緩んでるのにアタリがわかるものなの?
ほとんどわかりません。ですが違和感を感じることくらいはできますよ。例えば、ラインが横に走ったり、急に緩んだり、妙に早く沈んだり。ある程度のテンションが保てていればラインが触れている部分にコンッというアタリを感じることもありますよ。
アタリを取りやすい基礎中の基礎 テンションフォール(カーブフォール)
とはいえ、アジングのアタリは、ほとんどこのテンションフォール中に発生します。
ラインを張った状態で落とすため、穂先の先端を円の中心として回転するように落ち、フリーフォールよりスローに落ちていきます。そのためミスバイトが少なく、ラインが張っているので小さなアタリも見逃しにくくなります。
その代わり、フォール中どんどんワームは手前にやってきます。なので、ワームの進行方向をよく考えないと、アジにとっては違和感につながります。
聞きアワセはアクションにも活かせることを知れ
聞きアワセとは、フォール中徐々にロッドを上げることでラインのテンションをしっかり張り、小さなアタリを逃さないようにする方法ですが、徐々にロッドの先端が上がる分、フォールスピードをさらに落とすことができます。
僕はタングステンなど、沈みが速いジグヘッドのフォールスピードを調整するときに、よくこの手を使います。
もちろん引っ張る分手前に来るスピードも速くなってしまいますので、ケースバイケースで使い分けましょう。
アジングの極み 誰もが目指すゼロテンション(モデレートテンションフォール)
そして、アジングでよくテーマになる「張らず緩めず」のフォール。通称ゼロテンション。ゼロテンの略称でよく呼ばれていますね。
ちなみに、Youtuberであり、ダイワなどと契約をしている釣りプロの岩崎林太郎(りんたこ)さんはモデレートテンションフォールと呼んでいました。
ラインを張り過ぎず、緩めすぎず、ギリギリアタリが取れるくらいのテンションでアタリを待つ。こうすることでできる限りワームを自然に潮の流れに乗せ、違和感を消し、アタリを弾きづらい食わせの技となるのです。
なんだか、すっごく簡単そうなんだけど……
言葉にすればな。だがそう簡単じゃないから厄介なんだ
そう。問題はその難しさ。
ラインのテンションを張りすぎるとテンションフォールと一緒。まぁ釣れないことはないけど、ゼロテンションとは呼べません。
逆にテンションを緩めすぎると、単純にアタリが取れない。その微妙なラインをつくわけですから、そりゃ難しい。
しかも、活性や状況によってはテンションフォール。あるいはフリーフォールも織り交ぜたリアクションバイト狙いの方が釣れる可能性もあるので、使い分けも大切です。
ゼロテンションはトレースコースを常に意識せよ
テンション調整が大事なゼロテンションは、流れに身を任せたドリフトとの相性が抜群です。
なので、まずはトレースコースを意識することが大事です。流れをしっかり把握し、アジがいそうな場所を通すようにワームを操りましょう。
また、アタリもただの違和感レベルのものが多くなります。逆をいえばゼロテンションを極めれば、手元の感覚ではわからないアタリを拾うことができるようになるわけです。
難しい環境でも釣れるようになれば、釣りのプロだって夢じゃないぜ
まとめ フォールを極めれば一人前
いかがでしたか?
ここまで偉そうに語ってきましたが、僕もまだ完全ではありません。ゼロテンションは常に意識していますが、ロッドが下がり過ぎてややフリーフォール気味になったり、逆に張り過ぎていたりと後から気づくような日々を送っています。
ですが、ゼロテンションを意識し始めたら釣れ始めたという意見は非常に多いです。
皆さんも、極めるといきなり肩の力を入れるのではなく、なんとなく意識するくらいの気持ちでチャレンジしてみるといいですよ。
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