釣り人には「雨で釣りをしないなど甘えじゃ!」「雨天こそ志向」と考えるファイターが一定数存在します。
特に雨が多い梅雨だと、同じ釣り人でも釣行回数が大きく変わります。
まぁ雨だと足を滑らす可能性も増えるし風邪をひくかもしれないから家で大人しくしてた方がという人もいるでしょうが、釣りにおいて雨が釣果に影響を及ぼすのは間違いない話です。
ただ同じ釣りでも、アジングにおいて梅雨とはどんな時期か? これはしっかり把握しておく必要があります。
今回は梅雨のアジングがどういうものか考察していきます。
雨を抜きにすれば微妙なシーズン
まず、一度雨という要素を除いて6月とはどう言うシーズンになるのか? と言えば、正直微妙と言わざるをえません。
というのも、ちょうど春シーズンと夏シーズンの分かれ目となるため、地域にもよりますが春と考えると水温が上がりすぎる可能性があるし、夏と考えると豆アジも育ち切っていない可能性が高いです。
無論水温は気温だけでなく黒潮などの要素もあるため、普通に春パターンの延長線と考えることもできますが、場合によっては、早生まれの豆アジが食ってきてショートバイト祭りになることも。
要するに、釣れるけどシーズンかと言われれば超微妙。地域差の微妙な違いも発生するし、見極めが必要な気難しいタイミングなのです。
雨によるアジの効果は?
うーん。微妙な時期なら雨に濡れてまでやる必要ないのかなぁ?
と、思うのも無理はありませんが、ちょっと待った。雨特有の利点というのも忘れてはいけません。
雨の日、悪天候の日は釣れる。とよく言われますが、アジングにも一部ではありますが当てはまる項目があります。
では、雨にはどんな利点があるのか解説していきましょう。
雨は小魚を浮かせる
低気圧という言葉をよく天気予報で耳にすると思いますが、なんとなく雨が降りやすいと把握している人が多いでしょう。
言葉の通り、大気中の気圧が低い状態を意味するわけですが、気圧が低いと海にはどういう影響を与えるのか?
海面は、常に大気圧によって押さえつけられています。高気圧だとより強く、低気圧だと弱く押さえつけられているという事になります。
気圧がいつもより弱いと、どうなるかと言えば、小魚やプランクトンは比較的浮きやすくなります。アジも基本的には小魚の部類なので、浮きやすくなるという事になります。まぁ、アジの遊泳層を抜きにして考えても、エサがプランクトンや小魚なので、表層や中層で釣れやすくなる。という事になります。
水温の上がりすぎを抑える
春から夏にかけて気温が上がると水温が上昇しやすくなります。気温が上がってもすぐに海水温が上がるわけではありませんが、何日も経てばいずれ上昇します。
アジの適正水温は16~26℃とされています。場所によっては6月でも海水温は26℃を超える所もあります。
そんな時雨が降ってくれれば、海面のみではありますが海水温を落としてくれます。その為、活性が上がる効果が期待できるわけです
アングラーにステルス効果を与える
魚というのは案外、陸地の釣り人をよく見ています。
よくエサを求めて鯉が群がってやってくる光景を見たことがある人はいると思いますが、あれと同様に、釣り人が近くに行くと、ターゲットである魚は逃げていきます。
しかし雨が降っていると、表層が荒れるのでその分陸の釣り人が見えづらくなるのです。
溶存酸素量を増加させる
ご存じとは思いますが、ほとんどの魚はエラ呼吸で水中の酸素を取り込んで呼吸をしています。この海中に溶け込んだ酸素の量を、溶存酸素量と言います。
山頂だと空気が薄いのと同じように、海中も酸素量の多い場所と少ない場所があります。主に水温によって決まるのですが、基本的に水温が低いほど溶存酸素量が高くなります。
さらに、雨が海面を打ち付けることによって空気が混ざるため、雨が降ると溶存酸素量が増える。というわけです。
行き過ぎた雨は逆効果?
じゃあ、雨の日は釣れるんだね! だったら楽勝じゃん! 嵐でもなんでもやってこーい!
ちょ、ちょっと待った! 雨は確かに利点になることも多いが、嵐とまでくれば話が別だぜ!
親方の言う通り。「台風のあとは釣れる」という言葉もありますが、それはシーバスなどの大型魚の話。アジングの場合はかえって釣れない原因となることもあります。
まずはシーバスや青物の活性が上がるパターン。非捕食者にもなるアジにとって天敵が増える環境ではおちおち食べてもいられません。結果釣果が下がりやすくなります。
次に、波が強すぎるパターン。極端な例ですが、嵐のあとの荒波ではいくら何でもアジはまともに泳げませんし、ワームのアクションもうまくいきません。一応ヒラスズキなどの活性が上がる魚も例外的に存在しますが、アジングの場合、危険な上釣れないという最悪な状況なので、やめておきましょう。
無論、相手は自然だから絶対釣れないと言い切れるわけでもないがな。ただ、無理してまで行くほどの価値はないと思うぞ
まとめ 総合すると梅雨は釣れる?
いかがでしたか?
梅雨は基本的に春アジングの終了と思っている人も多いですが、案外釣れる要素もある時期です。
レインジャケット必須とはなってしまいますが、一度雨の中のアジングを楽しんでみるのもいいかもしれませんね。
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