釣り禁止場所の増加はとどまることを知らず、加速度的に増えています。その中でも釣り人にとって衝撃的な事件だったのが田子漁港でしょう。
僕も、この事件はかなりショックを受け、今後静岡に行くことがあっても、田子漁港で釣りができることはないだろうなと思っていました。
それほどまでに衝撃的な事件だったにも関わらず、なんと田子漁港が条件付きではあるものの釣りができるようになりました。そんなミラクルを起こしたアプリが、「海釣りGO」なのです。
今回はなんと、「海釣りGO」を開発したの株式会社ウミゴー代表取締役社長 國村大喜さんからお話を聞くことができました!
今回は海釣り業界の新常識になるかもしれない。この取り組みに迫りたいと思います。
田子漁港の釣り文化を終わらせかねない衝撃の事件とは?
ところで、田子漁港の事件って……なに?
最近釣りを始めた美穂は知らないようですので、どんな事件だったかお伝えしましょう。
2022年、とある釣り人グループが田子漁港で仕掛けを出していたところ、漁師さんの船が戻ってきました。
そこで、釣り人の仕掛けが、船のスクリューに絡まり、釣竿一式が巻き込まれてしまったのです。
この時点で、釣り人側のありえないマナー違反だ。漁師の船が壊れたら高額弁償ってこともありえるぜ
そうですね。車で例えると道路にマキビシを巻いているようなもの。車が通る前にマキビシを回収すればトラブルも起こりませんが、パンクさせたら大変なことになるのはわかりますよね。
しかし、この釣り人グループは予想の斜め上をいき、なんと釣竿の弁償を求めてきたのです。しかもその額20万。
えぇ!? サイテーっ! なんで漁師さんが弁償する側なの?!
結局漁師さんも押し切られて、半額の10万を払ってしまったのです。このトラブルがきっかけとなり、釣り禁止となってしまったのです。
漁港はあくまで漁師さんの職場であり、漁業組合をはじめとした関係者の良心で解放されている場所だ。たった一人でもこういうトラブルが起きれば閉鎖されるのも必然だぜ
そうですね。それだけに田子漁港が解放されることは永久にないと言われていました。
事実、田子に限らず、一度釣り禁止になった釣り場で、再度釣り場として復活した事例はほぼ0。再解放なんて奇跡でも起きなければ無理という状況でした。
奇跡を起こしたアプリ「海釣りGO」とは?
そんな奇跡を起こしてしまったのが「海釣りGO」というアプリです。
川の釣りを知っている人なら遊魚券のシステムに近いと言ったほうが分かりやすいでしょうか?
アプリ内で釣りたい漁港を予約。当日、巡視員にアプリを見せて釣り開始となります。
このアプリで支払われた料金の一部は、漁港関係者に還元されます。さらに駐車場の予約や、釣具のレンタルもできます。
他の漁港でも環境整備費として有料制を導入したところがあるものの、漁港関係者が料金を徴収していたから回収効率が悪く、トラブルも起きていた。
だが、このシステムなら巡視員もいるし事前に回収するわけだから効率もいいな
現時点では静岡の西伊豆。田子漁港と仁科漁港のみで運営されてますが、今後どんどん広がって欲しいですね。
有料化はデメリットだけじゃない
でも無料でできていた釣り場が有料になっちゃうのは残念というかなんというか……
まぁ、そういう意見も当然発生するでしょう。ただ有償化はデメリットばかりではありません。
まず、釣り場の混雑をある程度避けられること。元々釣りがコロナ禍で注目されたのは密が避けられるためでしたが、現状釣り場の減少と釣り人の増加というミスマッチにより、人口が圧迫されています。
その点海釣りGOなら予約制ですから、いつが混雑しているかをある程度把握することができます。
さらに駐車場が予約できるので、確実に駐車スペースを確保できるのも嬉しいポイント。
また、ライフジャケットなどの道具をレンタルできるところもメリット。
何より、漁業関係者への理解を得やすいのが最大のメリットといえるでしょう。
まぁ、「今まで無料で職場を貸してもらえていたことがありがたい話で、感謝すべきことだ」って、島の漁師の厳さんが言ってたっけ
ただし有料になったとしても、あくまで漁港は漁業関係者の善意があってこその釣り場ということだけは、忘れてはダメだな。マナーはしっかり守るべきだぜ
「海釣りGO」開発の株式会社ウミゴー代表取締役社長 國村大喜さんにメールインタビュー!
さて、今回株式会社ウミゴーさんにメールで相談したところ、代表の國村さんがメールインタビューに答えてくれることになりました!
さっそくチェックしてみましょう!
このサービスを生み出すことになったきっかけを教えてください。
移住してきてすぐに、近くで一番おおきな漁港の田子漁港が釣り禁止になったことがきっかけです。
釣り場がなくなるのが悲しくて、それが原動力となりサービスを作りました。
釣り場がなくなっちゃうのはやっぱり辛いよね。
でもそれで動いてしまうなんて行動力すごいよ!
漁業関係者からの反応はいかがですか?
当初は奇異の目で見られて反対意見も多かったです。
特に田子漁港については1年間以上説明を続けてきた結果、地域にプラスの効果をもたらす仕組みということをご理解いただきました。
1年以上も!? 本当にすごい努力家だね
まさに、釣り人魂だな
巡視員問題は雇用形態などの問題があると思いますが、どのように解決したのですか?
海釣りGOは、決済などシステムができることは全てアプリサービスが担い、人でしかできないことを巡視員業務としています。
巡視員は、純粋にお客様対応と釣り場案内に集中できるため、うまく回っているのだと思います。
確かにこれならうまく回るかもね!
アジングをする利用者は多いですか?
(田子漁港と仁科漁港は)アジが群れで入ることもありますが、いつも必ず回遊しているわけではないため、アジングは期間限定になりがちです。
ただし、エステルラインを使うような超ライトタックルの釣りなら利用者はかなり増えています。
オキアミジグ単などは、大きい魚も小さい魚もバンバン連発します。五目どころではなく十目釣りも狙えるので、かなりおすすめです。
最近(ウミゴー側で)作ったこちらの記事も、アジングタックルメインでした。
オキアミジグ単?
このサイトではマイクロテンヤの名前で紹介したことがあるな。アジングタックルでワームの代わりにオキアミやイソメをつける方法だぜ
そうですね。西伊豆近隣の釣具店に僕が問い合わせてみたのですが、やっぱりアジングは回遊待ちになり、近年は特に厳しくなってるそうです。
ただ、あくまでワームを使って挑むのもおもしろそうです。根魚は多めらしいので、ボトムメインで狙うのもよさそうですね。
次に展開したい地域はどこでしょうか? できる範囲でいいので教えてください。
本社が静岡ということもあり、東海・関東エリアが取り組みやすいですね。
その中でも特に要望の高いエリアで、現地との関係構築ができた場所から取り掛かることになりそうです。
一気に拡散だーーーー……って言いたいところだけど、やっぱなかなかうまく行かないですなぁ
一つずつ懇切丁寧に。焦ってもうまく行かないぜ
最後にアジンガーのみなさんに一言お願いいたします。
私も横浜在住時は、横浜沖堤などでアジングをしていましたが、伊豆に越してきてからは、アジングワームをオキアミつけ餌に変えて、タックルはそのままに五目釣りを楽しんでいます。
ぜひ遊びに来てください!
アジは回遊してきた時に楽しむ流れになりそうだな。まぁ地域性はある程度仕方ないものだ。それに、今後アジングが盛んなエリアで海釣りGOが導入されることもあるだろうし、応援すべきとも思うぜ
まとめ 必要なのは、釣り人のマナー向上!
いかがでしたか?
釣り人一人一人のマナーが大事なのは当然としても、残念ながらバカはどの業界にも存在します。そういう意味では、仕方ない流れだと僕は思います。
ただ、例え海釣りGOが導入されたとしても、マナー違反は絶対NGです。ここだけは心に止めておきましょう!
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