黒潮大蛇行の終息とその影響 海と気候、そしてアジングへの影響を追う

黒潮大蛇行 雑談・考察

先日2017年8月から続いていた「黒潮大蛇行(くろしおだいだこう)」が終息に向かっているとの報告が、海洋研究機関や気象庁から発表されました。

ニュースで「黒潮大蛇行が終わる」という言葉を耳にして、「それってどういうこと?」と疑問に思った方も多いのではないでしょうか。

では、黒潮大蛇行とは何か。それがもたらす影響。そして終息によって何が変わるのかについて、アジングへの影響も含めて、わかりやすく解説します。

黒潮とは?そして「大蛇行」とは何か

黒潮大蛇行

黒潮とは、フィリピン近海から日本列島の南沿岸を北東へ流れる強い暖流のことを指します。

太平洋の中でも特にエネルギーの強い海流で、年間を通じて豊富な暖かい海水を運び、日本の気候や漁業資源に大きな影響を与えています。

「大蛇行」とは、この黒潮が通常の経路を大きく逸れ、蛇のようにうねるような流れを見せる現象を指します。

特に紀伊半島の南方沖で発生する蛇行が長期化すると、これを「黒潮大蛇行」と呼びます。

なぜ黒潮は大蛇行するのか?

黒潮大蛇行の原因は複雑ですが、海洋内部の渦や風の変化、エルニーニョ現象、地球温暖化などが複雑に絡み合っていると考えられています。

2024年に観測された黒潮大蛇行は、2017年から続いていた長期蛇行に次ぐ大規模なもので、漁業者や沿岸地域に住む人々にとっては深刻な事態でした。

黒潮大蛇行がもたらす影響

黒潮大蛇行が発生すると、最も顕著に影響を受けるのが「海の生態系」とそれにともなう「漁業の不漁」です。

暖流が沿岸から離れることで、水温が通常より下がり、魚の回遊ルートが変化したり、餌となるプランクトンが減少したりします。

プランクトンが減少すれば子アジに影響があるのはもちろん、小魚を捕食するサイズであっても食物連鎖が起きづらくなるため、全国規模でアジ漁に影響を及ぼしていました。

現に近年アジの個体数が少なくなっており、通常いないはずの深海域で見つかったというニュースがありました。これの主な原因は温暖化による海水温上昇と考えられていますが、黒潮の影響も十分あり得る話です。

美穂
美穂

でも黒潮大蛇行の原因として考えられるものの中に温暖化もあるんだよね? うーん複雑すぎて混乱しそう……

だいふく
だいふく

そもそも環境問題は地球温暖化だけってわけじゃないし、温暖化の原因も温室効果ガスだけが原因ではないことはとっくにわかっている話で複雑に原因が絡み合ってる状況だ

アタホタヌキ
アタホタヌキ

そもそも環境問題は複数の原因が重なっているのが当たり前。一つ原因を見つけたからといって別の原因が否定されるほど単純なものではないのです。SDGsで語られているものも、人間が対応可能なものを抽出しただけですしね

彩夏
彩夏

事実、黒潮大蛇行は人間でどうにかできるものではなかったから、一般人はほとんど知りませんでしたしね……

大蛇行の終息とアジングの展望

2025年春、海洋研究開発機構(JAMSTEC)や気象庁の観測によって、黒潮が通常の流路に戻りつつあることが確認されました。

これにより、沿岸の海水温が徐々に安定し、アジやカマスなどの回遊魚の行動パターンも例年通りに戻ると予測されています。

アジングにおいては、以下のような変化が期待できるでしょう。

アジの接岸タイミングの回復:例年通り春〜初夏にかけて安定した群れが沿岸に入ってくる見込み。
釣果の安定化:水温・潮流が平常化することで、夜間の回遊パターンも読みやすくなり、釣りやすくなる。
ベイトの増加:小魚やプランクトンの増加によってアジの反応が良くなる可能性。

アジングは、水温や潮の流れに非常に敏感な釣りです。アジは基本的に水温15〜22度前後を好むため、黒潮大蛇行によって沿岸の海水温が低下すると、アジの接岸が遅れたり、群れが沖に留まったままになることが多々あります。

特に伊豆半島や紀伊半島、四国などのアジングの好ポイントでは、「毎年釣れていた時期に全然アジがいない」という声もありました。

また、通常なら夜間に漁港周辺に回遊するアジが現れず、釣果ゼロというケースも珍しくなかったのです。

だいふく
だいふく

逆に水温が高くなりすぎてアジが寄りづらくなる釣り場もあるだろう。近年アジングで有名になっていた大阪は冷水渦の近くなはずだが、近年好調だったことも踏まえると……

楓

そっか、大阪湾の場合、冷水渦が適度に海水を冷やして過ごしやすい水温になっていた可能性もあるのね

アタホタヌキ
アタホタヌキ

実際にどうなるかは蓋を開けないとわからないので、釣果情報をチェックしていきましょう

まとめ 海の流れが釣りの未来を決める

いかがでしたか?

黒潮大蛇行は、単なる海流の逸れではなく、日本の自然・産業・生活全体に影響を与える大規模な現象です。そしてその波は、釣りという趣味の世界にも確かに届いています。

今回の終息傾向は、自然の回復の一端を示すものであり、アジングファンにとっても嬉しい知らせとなる可能性があります。

もちろん絶対に吉と出ると保証できるわけではないのですが、少なからず例年よりは大きな期待ができるといっていいでしょう。

楓

アジが釣りやすくなるなら、またアジングブームが来るかもね。楽しみだなぁ

コメント

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