陸地でのアジングでは、ある一定の限界があります。
わかりやすいところで言うと季節性の問題。人間ですら熱中症、凍傷があるのですから、それより体が小さく弱い存在であるアジが水温の増減による死亡リスクがないわけがありません。
しかし、そんな季節性をガン無視で釣果を安定する釣り方があるのです。それがボートアジングです。今回はボートアジングの特徴や気をつけないといけないことをご紹介します。
ボートアジングは、なぜ季節を問わずに釣れるのか?
アジングで主にオフシーズンと言われるのは、真冬と猛暑日から数日後。地域差がありますので絶対ではありませんが、大体この辺り。
理由は主に水温の問題で、適正水温から外れると、アジにとっては死活問題になってしまうから。
でもさ。人間と違ってエアコンとかないわけでしょ? じゃあ、アジはどうやって暑さや寒さを凌いでるの?
基本的には気温の影響を受けづらい深場に潜ります。
最近深海でアジが見つかったことがニュースになりました。これも一説では地球温暖化による水温上昇が影響しているのではないかと言われています。
アジングにおけるオフシーズンとは、主に水温上昇により、陸からは狙えない深い沖まで避難したケースを指します。
そっか! だから地域差があるんだね
そういうこった。地域によって水温は大きく違う。だからオフシーズンにも差が生まれてしまうんだ。底の地形にもよるしな
しかし、オフシーズンだからと言って、アジは絶食しているわけではありません。陸上生物と違って冬眠の必要もないので、陸から届かないだけで海中のどこかで元気にしているはず。
届かないならこっちから向かえばいい。だから、ボートアジングがオールシーズンで狙えると言われているわけです。
ちなみに船でのルアー釣りを総称してオフショアと呼ぶ。ショアが岸の意味だから、それから離れる(オフ)ことからそう呼ばれてる。
じゃあじゃあ、堤防で飛びながら釣ったらオフショアってことになるのかな?
……やれるもんならやってみな
注意 ライフジャケットが全部使えるわけじゃない!!!
小型船舶には、ライフジャケットの着用義務があります。車で言えばシートベルトと同じ。無視すれば船長は免停処分を受ける可能性もあります。
しかし、ライフジャケットならなんでもいいというわけではありません。特に安価なタイプのライフジャケットは基本的にボートでは使えません。
また、いわゆるゲームベストも基本的には使えないものが大半です。ライフジャケットが膨らまない固定式ライフジャケットでボートにも使えるものは、そのほとんどが救命胴衣的なものです。
ライフジャケットを持っていない場合は、遊漁船予約時に相談してみるといいぜ。レンタルでライフジャケットを貸し出してくれるところも多いからな。
勘違いポイント! 桜マーク付きが全部使えるわけじゃない! TYPEに注目!
ふふん。島っ子を舐めないでもらいたいもんだね。ライフジャケットって、桜マークがついてるものが、遊漁船でも使えるんでしょ?
……自信満々で答えてる所すまないが、ちょっと不正解だ
そう。ライフジャケットを評価する上で注目される桜マーク。これがあるだけでどんな遊漁船でも使えると思ってる人が結構いますが、これは大きな間違いです。
桜マークは、いわゆる品質保証みたいなもので「このマークがついてると一定の審査に通った証なので安心ですよー」ってだけ。これが遊漁船で使える海域まで保証できるかどうかって話は別問題なのです。
ライフジャケットには桜マークの他にタイプという表記があります。桜マークだけではなく、タイプ表記で使用しても問題ないライフジャケットのみ、ボートで使用できます。
タイプ別 使用可能な船舶
TYPE A:すべての小型船舶
TYPE D:陸岸から近い水域のみを航行する旅客船・漁船以外の小型船舶
TYPE F:陸岸から近い水域のみを航行する不沈性能、緊急エンジン停止スイッチ、ホーンを有した小型船舶(水上バイク等)でかつ旅客船・漁船以外のもの
TYPE G:湾内や湖川のみを航行する不沈性能、緊急エンジン停止スイッチ、ホーンを有した小型船舶(水上バイク等)でかつ旅客船・漁船以外のもの
なんだかごちゃごちゃしてきましたが、ぶっちゃけ船釣りで使えるライフジャケットは、タイプAのみのところが大半。タイプBまで使えるところもあり得なくはないけど、稀有な存在と言っていいでしょう。
まぁ、船釣りで使うならライフジャケットはTYPE A一択と思った方がいいだろうな。
陸地でもできる限りTYPE Aのライフジャケットは持っておきたいもんだな
ボートアジングをする時は、船長の言葉をしっかり聞こう
上下社会な日本では上司の命令は絶対。当然船の上では船長が一番……というわけではなく、単純に命に関わるケースも多いため、船長の言う通りにすることは絶対です。
それは、仕掛けを投げるタイミングについても同じです。陸のアジングでは準備ができた人間から勝手にワームを投げますが、船では船長に合図に合わせて全員同時に投げ始めます。
他にも仕掛けの回収やジグヘッドの重さなどに決まりがあるケースがあります。結構大事な要素なのでボートを予約するときに確認しておきましょう。
ボートアジングならショートロッド必須なわけ
ボートアジングに限ったことではありませんが、船の釣りは基本ロッドは短い方がいいと言われてます。
これは一言でいえば取り回しがいいから。堤防と違い船では釣り人が密集しているわけですから、竿同士がぶつかったりするトラブルを避けるためにもショートロッドは必須級です。
また、攻略という意味でもショートロッドは大きなポイントです。
船の場合は魚群探知機を使うわけですが、魚群探知機は基本船の真下の反応を見ることができるものであり、周囲を見ているわけではないからです。
つまり、自分の真下にターゲットがいる可能性が高くなるわけですが、ここで竿が長いと真下を狙おうとしても長くて狙いづらくなります。
そっか。堤防と違って水面から陸地まで高低差があるわけでもないから、ロッドを下に向けにくいんだね。
番外編 免許不要! ボートを自分で買う手もあり?
よし! じゃあ遊漁船の予約を……うぇっ!? さ、3万円!?
そうなんです……遊漁船は結構お高め。差がありますが大体1〜3万円くらいが相場です。
安く済ませるなら団体申し込みという手もありますが、最終手段としてもう一つ、いっそボートを買っちゃうという荒技もあったりします。
免許不要となるボートの条件としては以下の通りです。
1. 長さが3メートル未満であるもの(登録長)
※注:「登録長」は、概ね「船の全長×0.9」となります。(なお、船型によって「登録長」の定義が異なりますので、詳細は運輸局等に
ご確認ください。)2. 推進機関の出力が1.5kw(約2馬力)未満であるもの
3. 直ちにプロペラの回転を停止することができる機構を有する船舶、または、その他のプロペラによる人の身体の傷害を防止する機構を有する船舶
引用:国土交通省HPより
ボートアジングなら、一応この程度のボートでも十分楽しめます。
ただしこの程度の出力だと、できて波の落ち着いた湾内や近海程度。それより外海は素人には無茶だぜ。
まぁ、どの程度が危険なのかの知識も必要になるわけで、結局はオフショア初心者は遊漁船の利用をおすすめせざるをえません。
ただ船の操縦そのものに興味がある人は、小型船舶をよってしまうという手もありますね。
まとめ ボートアジングを初めてみよう!
いかがでしたか?
ボートアジングは近年オフショアの中でも人気が出てきており、遊漁船によっては「あれ? ここボートアジング専門だっけ?」と思っちゃうくらい何度も船が出ています。
釣果としても安定しますし、サイズを狙いたい人にもおすすめです。ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
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