ベイトアジング最初の難関はキャスティング。実際スピニングと同じような注意点をいう人が多いんですが、やってみるとスピニングとはキャストの感覚が全く違うことがわかります。
では、具体的にはどういうところがスピニングと違うのか? ベイトアジングのキャスティングはどこに注意すればいいのでしょう?
今回はベイトアジングのキャスティング方法についてのお話です。
ベイトアジングの難関 キャストの違い
キャスト方法がしっかりしていないと、どんなに優秀なリールやロッドを持っていてもそりゃバックラッシュします。ブレーキ全開でバックラッシュするケースは、ほぼ全部キャストミスによるものと考えていいと思います。

キャストなら任せてよ! スピニングリールできっちり覚えたから
残念ながら、スピニングリールのキャスティングとベイトリールのキャスティングは、同じ名前のキャストでも完全に別物と思った方がいいです。というのが、ラインを放出する仕組みがまるで違うんですよね。
スピニングリールはベールを返せば完全にフリーになるわけですけど、ベイトリールはラインを放出するためにはスプールを回す必要があります。
ライン放出のシステムが違うということは、同じ方法で振っても同じように飛んでいくわけではないわけです。それによって指を離すタイミングやロッドを振る感覚が若干違うわけです。
その結果、スプールが止まっていないのにラインが緩んでしまい、バックラッシュしてしまうわけです。

同じオーバーヘッドキャストでも、まったく別のキャスト……むむぅ、ややこしい

いきなり理屈を覚える必要はないぜ。漠然と「スピニングとベイトは投げ方が似てるようで違う」とだけ覚えるだけでいい
スピニングタックルとのキャストの違い その1 指を放すタイミング
スピニングタックルとベイトタックルでは、指を離してラインを解放するタイミングが違います。

スピニングタックルは主に時計でいうところの10~11時まで振りかぶり、大体1~2時のあたりで指を離します。

ただし、ベイトタックルの場合は、ラインの放出時に緩やかな抵抗が生まれるため、若干下に引っ張られるように飛んでいくこととなります。その為、スピニングと同じ1~2時のあたりで指を離すと海面にドボンします。当然バックラッシュするわけです。
その点も考慮してベイトタックルではテイクバックを大きめに取り、スピニングでいうとテンプラ気味になるような感じで投げる必要があります。
時計で例えると9時くらいまでテイクバックを取り12時くらいで指を離す感じです。その後、勢いに任せて竿を前に向けるわけですから、スピニングより大げさに投げるようになります。
スピニングタックルとのキャストの違い その2 サミング(フェザーリング)の重要性
サミング(厳密にいえばスピニングではフェザーリングですが、ここでは同じものとします)のしやすさ自体はベイトの方が簡単。親指で軽く押さえるだけですから。スピニングだとスプールまでに指が届きにくいって人もいるので。
ただ、サミングの重要性でいえばスピニングよりベイトの方が大事。着水時にちゃんとサミングしないと、ラインの放出は収まっているのにスプールは回転しているわけですからバックラッシュとなるわけです。
コツは完全に押さえつけるというより、触れるか触れないかくらいの力で出来るだけ早めに押さえておくこと。当然抵抗がない方が飛ぶわけですが、力加減をマスターすればある程度飛距離は出せますし、何よりバックラするよりはるかにマシです。

車の運転でブレーキを踏むときと似てますね。安定して停車したいなら、ゆっくりブレーキを踏むでしょ? サミングも同じで少しずつ止めるとバックラッシュなしでキャストできるようになるわけです。
スピニングタックルとのキャストの違い その3 ロッドの振り方
ロッドを振るコツも少し違います。これいろんな言い方する人がいますが、分かりやすいのが、スピニングはテイクバックの反動を使って弾くようにキャストするとされていますが、これやるとバックラッシュしやすくなります。初速が早すぎてスプールが高速回転しかえってバックラッシュしやすくなるわけです。
ベイトリールの場合、テイクバックの遠心力でロッドを曲げ、ロッドの反発力で自然と前に出るような感覚でキャストします。この感覚がつかみづらい人は、テイクバックを強くして、前に押し出すときはゆっくり、やや大げさに前に出すよう意識してみましょう。
素振りをするのもコツをつかむための練習におすすめです。素振りをしてルアーの重みでテンションが抜けてガタッという感覚が手元に伝わってくるなら失敗。スムーズに前後に曲がるなら正解です。
まっすぐ投げるのも重要な要素。後ろに振るときと前に出すときはまったく同じコースになるように意識してみましょう。
スピニングタックルとのキャストの違い その4 持ち方はワンフィンガーグリップ

タックルの持ち方も重要です。基本的にはロッドのトリガーに人差し指のみを引っかけるワンフィンガーグリップを使います。この方が手首の可動域が増えるので投げやすくなります。
さらにサミング時に親指の先で微調整できるので、サミングがめちゃくちゃやりやすいのです。
ちなみに、ツーフィンガーグリップを推奨している人もいます。首の可動域は制限されるし、個人的にはあまりおすすめできません。

どうしてツーフィンガーグリップをやるのでしょう? 何か利点があるんですか?
ツーフィンガーグリップは、リトリーブ時に持ち替える必要がないことが利点とされています。
というのもワンフィンガーグリップは投げるときにはやりやすいのですが、リトリーブやアクションをする場合はロッドが固定されなさ過ぎてちょっとやりづらい。
なのでワンフィンガーをする場合は、パーミング(スリーフィンガーグリップ)に持ち替えてからリトリーブもしくはアクションをします。この持ち替えがめんどくさいということで、ツーフィンガーグリップを使うわけです。
ただベイトアジングの場合は着水からアクションまでフリーフォールで落とす時間があるので、どのみち持ち替えるくらいの時間は生まれます。だったら中途半端になりやすいツーフィンガーよりは、ワンフィンガー&パーミングできっちり切り替えながらやった方がいいと僕は思います。

ちなみにバス釣りの場合はミノーやクランクベイトなどの着水後すぐに巻くものが多いため、手返し重視でツーフィンガーグリップをやる人も多いです。ただし、これについても、持ち替えは慣れれば一瞬で終わるので、利点となっているかどうかは懐疑的ですね
ベイトアジングは右巻き? 左巻き?
ベイトリールには右巻きと左巻きがあります。どちらがキャストしやすいのでしょう?

基本的には利き手側にハンドルがある方がキャストしやすいと言われています。つまり右利きなら右巻きですね。
これは、ベイトリールの左右の重量差によるものです。
ベイトリールはキャスト時に90度傾けます。これはスナップを活かしやすいなどの理由がいくつかあるのですが、この時利き手側にハンドルがある場合、ハンドルは上側についていることになります。
ベイトリールで一番重たいところはハンドル側なので、重量バランスが上側になるため、かなり投げやすくなります。重量バランスが下だと、キャスト後下に引っ張られるような感覚があり、失敗につながりやすいのです。
……とキャストだけで語れば右有利なのですが、ことベイトアジングに関しては、着水後のアクションのしやすさの方が大きいです。だって、右巻きということは左手側でロッドアクションをつけることになっちゃいますから。
キャストのしにくさについても別に意識すればなんとでもなるので、それが理由で僕は左巻きを使ってます。ただ個人差もあるので、「どっちが上」という話ではありません。皆さんが使いやすいと思う方を使えばいいかなと思います。

うぅ……覚えることが多いよぉ

キャストのコツは早く振ろうとしないこと。力まないことだ。まずはこの二つだけ覚えておくといいぜ。
まとめ ベイトキャストは楽しい!
いかがでしたか?
ぶっちゃけベイトアジングの何が楽しいかというとキャスティングだと思います。投げているだけでもめちゃくちゃ楽しい。
もちろん釣れればもっと楽しいですが、ただ投げるというだけでもある程度の難易度があるため、それがうまくいったときはめちゃくちゃ気持ちいいです。スピニングはへたくそでもある程度は飛びますからね。
車の運転で、オートマよりマニュアルの方が好きな人がいるのと一緒です。難しいは楽しいんです。
皆さんも、難しいことを楽しんでみませんか?
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