細糸ほど釣果がいい。……と、ビギナーほど言いますが、本当にそうでしょうか?
実はこれよくある落とし穴。別に釣果がいいから細糸を使うわけではないのです。
今回はラインの太さについて考えてみましょう。
そもそもなぜ細糸を使うのか?
そもそもなぜ細糸をみんな使うのでしょう?
ビギナーはともかく、テスターも細っせぇラインを使う以上、理由はあるはず。
細糸の利点は、なんと言っても飛距離。ルアーはラインを引っ張り出しながら飛ぶわけですから、ラインの重さは当然飛距離に影響します。
特にアジングのような軽量リグを使う釣りにおいて、ラインによる影響はどうしても大きくなります。
またラインが太ければ太いほど風や潮の影響を受けやすくなります。潮が当たる面積が大きいほど流れの影響を受けやすいのは当然でしょう。

風の影響を受けやすいということは、飛距離も風の影響を受けやすいのでしょうか?

鋭いな。その通りだ。あとはアタリ感度にも影響してくるから、アジングは釣りの中では細いラインを使うことが多いんだ
本当に細糸=上級者なのか?

じゃあ細ライン一択じゃん!

待て待て! そう考えるのは早計だ
そう。細糸にメリットがあるのは間違いありません。……が、だからと言って細糸だけでいいというのはいかがなものか。
細糸のわかりやすい弱点としては、やはりラインブレイクの可能性。大型ゲストはもちろん尺アジをラインブレイクで逃してしまったらショックで寝込んでしまいそうです。

でも、細糸でもテクニックである程度取り込むことはできますよね?

そうだ。しかし、細糸で大物を取り込むためには、どうしても太糸よりドラグを緩くせざるを得ない。そうなると取り込むまでに時間がかかり、手返しが悪くなるし、暴れているうちに根ズレを起こす可能性もある。
また、先ほど話した細糸のメリットは仕掛けが重くなるほど影響を受けなくなっていきます。
僕は最初の頃PEの0.4号と太めのラインを使ってましたが、ジグ単はともかく5gのメタルジグだとほとんど飛距離が変わりませんでした。
1g前後だとさすがに影響は出ますが、釣れないほどのマイナスではなく、普通に使えます。
細糸は見つかりにくいは嘘?

細糸のメリットは魚に見つかりにくいことじゃないの?
ところがどっこい。近年はあまり関係ないという意見が多いです。
少なくとも、見つかりにくいからという理由で細糸を選ぶのは間違いです。

なんで? 細い糸ほど気づきにくいなんて当たり前だと思うけど……

じゃあ、彩夏に答えてもらおうか。フカセ釣りで使うラインは何号くらいだ?

大体ナイロンの1.25〜3号。ハリスで細い方だと1号と言ったところでしょうか?

じゃあ、そのフカセ釣りの代表的な外道といえば?

フグなどもいますが、やっぱりマアジですね。

あ、あれ?
そうなんです。
アジングで使うラインで一番太めのものなら、リーダーなら1号。メインラインでみてもPEの0.6号といったところ。ここまで太くしてもフカセよりは細いんです。

とはいえ、たとえ少ない確率でも太糸は気付かれやすいと考える人はいるだろう。そう言った個人的なこだわりで細糸を使うならいいんだが、少なくとも他人に押し付けるようなことではないな。
太糸が持つメリット
っていっても、理由なんてそりゃもうラインブレイクの少なさでしょう。特にエステルはラインブレイクが多いですからね。
僕は以前ジグ単用のラインを0.25号メインで使ってましたが、0.3号まで上げました。それでもアジは釣れてます。飛距離も申し分ありません。
さらに小型のエイくらいなら普通に足際まで寄せられます。……さすがに取り込みはネット必須ですが。

細くてもファイトをうまくやれば取り込みまでいけるんだが、それをもって上級者と呼ぶかどうかは微妙だな。

ネットの意見ですが「むしろ太糸で違和感なく口を使わせる方がすごい」という話もありましたね。まぁ前述の僕の意見とは対立する意見ですが、細糸=上級者よりまだ説得力があります
太すぎるのもNG

じゃあ、いっそシーバスタックル級にぶっとくして絶対に切れないようにすれば……
みなさん。もう美穂のボケにツッコめるようになってると思いますが、さすがに太すぎるのはNGです。

ぼ、ボケ!?
一番の問題は飛距離。これは言わずもがな。
さらにラインの比重に引っ張られてアクションが破綻する可能性。アイが小さすぎて可動域が少なくなる問題。などなど、太すぎるとさすがにいろんな問題が発生します。
あくまで適切なちょうどいいラインを選ぶことが大切です。
細糸と太糸を使い分けるための考え方

太糸も優秀なのはわかったけど、細糸にも利点はあるんだよね? だったらどう使い分ければいいの?
一番無難なのは、地域のアベレージ(平均)サイズによって選ぶこと。
平均サイズが小さめだったら、1gアンダーを使うシーンが多くなるため、細めに。
逆に大きいならラインブレイク対策に加えて高切れ対策として太めに。使う重さも1g以上のものが増えてきますし、なんならメタルジグの出番もありますからね。場所によってはエステル非推奨。PE一択です。

とまぁ、ここまで語ってきましたが、釣りは自分で考える方が面白いものです。あまり固定観念にとらわれず、自由に号数を選んでみましょう。

あくまでアジングラインの範囲内でだがな。それ以上だと釣りが成立しない可能性もあるぜ
まとめ プロほど他人の釣りにあれこれ言わないもの
いかがでしたか?
基本的に太糸も細糸も理由をもって使うもの。だから経験者ほどよっぽどおかしいライン選びでない限り「太いからダメ!」とは言わないものです。
まずは自分なりのメソッドを見つけること。それがライン選びには重要なことなのです。


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