夏の暑い季節は海に限る。白い砂浜、青い海。そして漆黒の竿と「暑くねぇの?」と言われそうな重装備! これが俺らの海スタイル。
さて、サーフ(砂浜)での釣りだと、フラットフィッシュ(ヒラメやマゴチ)やキス釣りが有名ですが、アジもたくさんいます。夏の場合海水温の上昇に気を付ける必要がありますが、他の魚も同時に狙うと考えると結構楽しいシーズンです。
今回は、サーフアジングについてご紹介します。
場所選び前にチェック! 釣り禁止エリアに注意しよう
サーフアジングを紹介する前に、場所選びに注意しなければならないことをお伝えしておきます。
というのも、砂浜は明記されていなくても釣り禁止である場所がまれにあります。堤防と違い柵で大きく囲むことができないため、気が付かないというケースが多いのです。
潮干狩り禁止なのに、看板に気付かないというニュースがたまに流れますが、あれの釣りバージョンと考えてみてください。当然迷惑行為に当たるのでやめましょう。
また、当然ですが海水浴場で釣りをするのは禁止です。人を釣るなんて冗談にもなりませんし、人が居なくてもクラゲやサメ避けの網に引っ掛けて壊してしまうというトラブルも存在するため、海水浴場の近くでは絶対釣りはしないでください。
具体的にどこがサーフの釣りに適しているかは近隣の釣具屋に聞いてみるといいぜ
釣りは格好から 堤防釣りにはない服装や靴の注意点
堤防で慣れているアジンガーには気付きにくい問題。それが身だしなみです。堤防とサーフでは、必要な装備がまったくと言っていいほど違います。
そんなの私でもわかるよ。だって濡れちゃうもん。だから、水着姿で釣りするのが正解だよね
ちょちょちょ、ちょっと待った!
それは一番最悪だ!! 絶対やめろ!!
濡れる、という美穂の考えは間違いではありませんが、水着はサーフの釣りではNGどころか、命の危険すらあります。絶対やめましょう。(美少女が水着姿で釣りをするというのは性欲的にはありですが……まぁかなり危ないです)
というのも、サーフで被害が多いアカエイの存在があるから。
サーフだと海の中に入って狙うこともあります。そんな時、浅瀬まで登ってきたアカエイをもし間違えて踏んでしまうと、毒針に刺さってしまいます。アカエイの毒は最悪アナフィラキシーショックでの死亡事故につながりますし、即死しなくてもそのまま溺れて死亡。なんてこともあります。
海に入らない場合でも、長靴くらいは用意しておきましょう。
アカエイの毒針はとてつもなく鋭く貫通力があり、カエシもあって簡単には抜けない構造になっている。長靴程度なら簡単に肉まで貫通する。装備が揃わないうちは海には絶対入らないことだな。
そして、肌の露出は最低限に抑えておくこと。水着なんてもってのほかです。海で泳ぐのとは違い、常に貝や岩など尖っているものが、たくさん隠れている場所で釣りをするのです。海水浴場とは違うことをしっかり認識しましょう。
暑くても冷感インナーやアームカバーでしっかり露出を押さえましょう。
海に入る場合の必須アイテム
堤防とサーフの最大の違いは、足元にあります。堤防はどんなに浅い場所でも足元で数mの深さがありますが、サーフは物理的に魚が入ってこれない場所も当然あります。
そのため、海に入ってウェーディング。あるいは遠投で対応しなければいけません。
もちろん海に入る場合は前述した通りアカエイなどの対策は必須級です。
そこで”ウエーディング”に必要な装備をご紹介します。
ウエーディング
まずはウエーディング。いろんな種類がありますが、靴も一体型となった胸までガードできるものがいいでしょう。
え? でも胸までつかるくらいの場所までいったら危なくない?
その通り。確かに、胸まで沈むほどの場所に行くと、簡単に人間は流されてしまうので避難するのが鉄則です。高くても腰近くまでにしておきましょう。
ただ、胸までガードできるウエーディングを選ぶのは、そこまで潜るという意味ではなく、波を被るからです。ウエーディングは水を通さない性質のため、中に水が入ると当然重くなり、動きにくくなります。
なので、入る予定の場所より少し上くらいのものを選ぶのが鉄則となります。
まぁ、「ひざ下までしか入らない」という人もいるでしょうが、一応胸までの大きさのサイズを選んでおくと、河口などの深場でも使えるので便利です。
エイガード
前述した通り、エイの被害は恐ろしいものです。その為、エイガードという毒針を貫通しにくいフットギアが存在します。
エイガードには、靴下のように着用するインナータイプ、ウエーダーの上から着用するアウタータイプがあります。どちらか使いやすいものを選びましょう。
ウエーディングスタッフ
さらに、エイ以外にもウエーディングには危険が存在します。それは、カケアガリです。
ウエーディングは常に足元が見えないので、落とし穴のように急深なエリアが存在するかもしれません。
そういう時に役立つのが、ウエーディングスタッフ。歩く前にこの杖でその地面が安全か確認してから動くことで、危険を回避することができます。
また、エイ避けの意味もありますので、ウエーディングの必需品として持っておきましょう。
帽子は顎ひも付きで
アジンガーの頭を怪我から守る。日差し避けの効果が期待できる帽子も、忘れがちですが大事なポイントです。ただ、一度風で帽子が流され、海に落ちてしまうとそのまま流されていってしまいます。
落下防止の意味を兼ねて、顎ひも付きのものをチョイスしましょう。
遠投必須 フロートリグを活用しよう
サーフで遠投は必須級。特に浅瀬が続くので、フロートリグは絶対に用意したいリグです。
特にサーフではカケアガリを狙うのが重要なので、その近くでゆったりと停滞させるなら、フロートリグがぴったり。スローシンキングタイプも用意しておきたい所です。
また、深さによってはキャロライナリグも活用できるので、ぜひ持っておきましょう。
狙い目は離岸流……ってなに?
海広すぎ! どこ狙えばいいんだよー!!
確かに堤防とは違い、サーフは明確な狙いどころがないので、どこに投げればいいか分かりづらいですね。
そこで、サーフでの釣りで最強とも言えるポイントを紹介します。それが離岸流です。
通常サーフの波は、皆さんがご存じの通り陸に向かって流れ、勢い余った分の引き潮が沖へと流れていきます。
ただ、この流れが逆転する場所、つまり「基本沖に流れていく潮」が発生する場所が一部存在するのです。これが離岸流です。
離岸流は、ベイトフィッシュやプランクトンが集まりやすく、流されやすいので多くの魚で釣りやすい最高のポイントとして知られています。もちろんアジングでも基本は同じです。
ただ、離岸流にはアジの天敵でもあるヒラメやマゴチもたくさん待ち構えているので、フラットフィッシュの活性が高そうなら、見切りを付けることも必要です。
離岸流の見つけ方
沖に流れる所って言っても……私には全然わからないよ
離岸流の見つけ方は、波の流れ方のパターンを見つけることが重要です。
たとえば波をよく観察していると、一部のエリアで波が発生しない場所があります。これは通常の波と違い、沖に払い出している流れが発生しているため、波が発生しずらいためこのようなことが起きます。
また、波打ち際の砂のえぐられ方にも注目してみましょう。離岸流が発生するという事は、底の砂はどんどん沖に流されていくことになります。その為、離岸流が発生しやすい場所は、他のエリアより底が深いはずです。
離岸流を見つければ、かなり釣れる確率が上がるので、ぜひ探してみましょう。
注意 離岸流は怖いところでもある
よーし! それなら離岸流を見つけてウエーディングだーー!!
ば、バカ! それだけはダメだ!!
そう、離岸流は釣れるポイントであると同時に、プロも恐れる死亡事故の多い場所でもあります。
なぜなら、流れが常に沖に流れるという事は、一度人間が流れに捕まると一気に沖へと流されて戻れなくなるという事でもあるからです。ウエーディングは装備も多く、一度流されたら簡単に陸地には戻れませんし、溺れる可能性が非常に高いです。
経験がある人でも危ないのに、どの程度の流れで体が波に引っ張られるかもわからないウエーディング素人が、いきなり離岸流に入るのはもはや自殺行為です。絶対にやめましょう。
相手は自然であることを忘れず、絶対に無理をしないように気を付けましょう。
当然だが、ライフジャケットは絶対に着用しよう。特に海の機嫌は急に変わるからな。念のための行動が、釣りの原則だぜ
まとめ いつもと違う釣りにチャレンジしてみよう
いかがでしたか?
サーフは危険も多いし、アジングの場合は堤防で行う人が大半なので、今回危険なエリアを重点的に解説していきましたが、その代わり、楽しさもたくさんあります。
注意点をしっかり把握したうえで、サーフアジングを楽しみつくしましょう!
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