アジングの面白さの一つは、スリリングなファイトにあります。身近にいて小さな魚なのにバレることが多く、なんとも言えない難しさがあり、アジンガーを熱くさせてくれます。
そのファイトを成立させるために必要な技術がドラグ調整。ただ、大体の釣り雑誌や書籍だと、「ドラグはゆるゆる」としか書いてなく、どの程度緩めればいいのかよくわからなくなります。
ではタヌキ流のドラグ調整を解説していきましょう。
そもそもドラグってなんのためにあるの?
ドラグは本来、ラインブレイクを防ぐために付けられている機能です。
魚が泳ぐ力は、多くの人の想像よりさらに上といっても過言ではありません。
体の構造が泳ぐのに適しているとはいえ、常に外敵のいる海を渡り歩いてるのです。当然筋肉も見た目以上に発達しています。それはアジとて例外ではありません。エステルのような細糸、本来なら速攻でぶち切られてしまいます。
うーん。でもサビキ釣りとか、アジングでそんな力感じたことないけどなぁ
それは竿が曲がって元に戻ろうとする力、復元力が加わってるからだ。腕の力だけで引っ張り上げるのは結構大変だぜ
そんな魚にラインを切られないよう「ある一定以上の力が加わると、ラインが出るように設定する機能」がリールには搭載されており、これがドラグというわけです。
またアジング特有の理由もあります。
アジは魚の中でも口が切れやすい魚です。その為、強い力で引っ張ると口が裂けてしまう可能性があります。そう言った理由から、通常の釣りよりもドラグを緩めるのが基本という事になっています。
ドラグの調整はどうやるの?
ドラグはスピニングリールの場合、スプールの頂点にあるドラグノブを時計回りに回すと締まり、反時計回りに回すと緩まります。
ちなみにベイトリールの場合はハンドルの内側にあるスタードラグを回してドラグを調整します。
アジングではドラグはアジの重さくらい?
さて、実際にどのくらいの力でドラグが出るのが一番いいのでしょうか? よく言われるのが「手で引っ張れば出るくらい」という奴ですが、人間その気になれば、かなりドラグを締めてもラインは出ます。
基準としてはアジの重さ(大体200gくらい)で引っ張ると、じりじりとラインが出てくるくらいがちょうどいいとよく言われます。(もちろんアジンガーによって意見が違うため、諸説ありますが……)そのくらいに調整しておけば、あとは竿がパワーを吸収してくれるからブッコ抜いても引き上げられるはずです。
大体缶コーヒーの重さが約200gですので、「缶コーヒーを持ち上げるくらいの力で引っ張ると、ラインが出てくる程度」と想像してもらえるとわかりやすいかと思います。
ゆるすぎてもダメ!? 意外な落とし穴
そんなにドラグをゆるゆるにした方がいいんだったら、思いっきり緩めちゃえ
と、考えてしまうのは少し安易すぎるかも。
アジとはいえ、上アゴは結構硬い。ここに刺すことができれば高確率で釣果になるため、アジンガーは必死こいて感度を上げたりするわけですが、上アゴを貫通できない理由の一つにドラグの緩めすぎというものがあります。
あくまでちょうどいい範囲で調整してあげるのがベストです。
現場で再調整しよう
釣り場でドラグ調整をしているアジンガーを見たことはないですか? いきなりジジジ……というドラグ音が響いて「釣れたの⁉」って反応したら、ただのドラグ調整だったというあれです。
先ほど200gくらいがちょうどいいよとお話しましたが、これはあくまで目安です。実際には現場のアジの様子を見ながら微調整してあげなければいけません。
僕の場合、釣れたアジのフッキングしたハリの位置や掛かり具合でドラグを調整しています。口横や目裏に刺さりがちなら、上顎を滑っている可能性が高いのでドラグを少し締めます。
また、フッキングしても掛からないときは、アタリを弾いているか、口切れを起こしている可能性が高くなります。この場合はドラグを緩めます。
ただし、ドラグを調整する前に、ハリがなまってないか確認すること。ハリ先が丸まっていれば、どんなに完璧なドラグ調整をしても、フッキングがうまく行くわけありません。
今流行りのパッツン系穂先は特にドラグ調整がシビア
服に流行があるように釣りにも流行があります。アジングの場合はいわゆるパッツン系の穂先でしょうか?
感度抜群、アクションもつけやすく自ら掛けるのが楽しいアジングだと最高の組み合わせではありますが、同時にドラグ調整がシビアになります。
でも、アジングロッドの竿の柔らかさは、ほぼ全部ULからLなんだよね? 穂先が変わったからってそんなに違いなくない?
そうでもねぇぞ。同じライトロッドのメバリングロッドだと穂先から竿に至るまでがしなやかだからアタリを弾きにくいのに対し、パッツン系のアジングロッドはアタリを弾きやすいという声は割と聞くぜ
まぁ、どんなロッドであれドラグを調整するに越したことはありません。「アタリはあるけどなかなか掛からないな?」と思ったらこまめに微調整してみましょう。
まとめ ドラグチェックはマメにしよう
いかがでしたか?
アジングに限った話ではありませんが、ふとしたことでドラグノブが回ってしまい、ドラグが締まっていた。あるいは緩みすぎていたというのはよくある話です。
アジングをする前や、仕掛けを変更した後の一定のタイミングでラインを引っ張り、ドラグチェックをしてみましょう。
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