オフショア初心者でも楽しめるバチコンアジング入門

オフショア……つまり船からのアジングは主に二種類あります。バチコンアジングと、ボートアジングです。

そのうちボートアジングは正直そのまんま。船の上からやるだけで基本は陸地のアジングと変わりません。ではバチコンアジングとは何なのか？

今回はバチコンアジングの仕掛け、タックル、釣り方について、初心者でも分かりやすく解説します。

バチコンアジングとは？

バチコンとは「バーチカルコンタクト」の略。基本的には投げずに船から垂直に仕掛けを落としてアジを狙うという釣り方です。

それはどうでしょうか？

そもそも陸地と違い、遊漁船には魚群探知機が装備されています。しかも遊漁船船長はその道のプロ。人間魚群探知機といっても過言ではないほどの経験と知識を持っているため、アジの群れを見つけるのはお手の物です。

そもそも陸地でキャストする理由は、アジの群れがどこにいるかわからないので、広く探るためという意味合いが強いです。しかし、そもそも足元にアジがいるとわかっているのであれば、キャストしなくても狙えるわけです。

それに、狭い船内で行う釣りですので、参加人数によってはキャスト自体陸地のようにはできません。人数によってはアンダーキャストのみ可能という場合が大半です。そういう意味でもバチコンアジングは、オフショアと相性がいい釣り方と言えるでしょう。

タックル

ロッドは大体6〜7ft前後のバチコンアジング専用ロッドがあるとベストです。代用品としてティップランやSLJ（スーパーライトジギング）用のロッドが使えます。

船となると尺アジどころかギガアジも狙えますので、ロッドの硬さはL～Mあたりがあるとファイトしやすいです。通常のアジングロッドでもできないわけではありませんが、柔らかすぎるのでちょっと厳しいですね。

リールについてはスピニングでも問題ありませんが、ベイトリールがあると便利です。というのもバチコンはキャストをしないわけではありませんが、あまり行いません。基本は上下の誘いで狙うからですね。

スピニングリールだと、フォールさせる際にベールを返す必要があり、基本的にスプール一周分ごとに落とすしかありません。ですが、ベイトリールの場合はクラッチを切ればすぐフォールさせることができ、しかも、微調整しながら好きな距離をフォールさせることができます。

スピニングリールなら2000～3000番程度。ベイトリールなら小型ならどれでも大丈夫ですが、フォール距離を簡単に図ることができるカウンター付きモデルなら最高ですね。タイラバとかで使われるものと同じで大丈夫です。

ラインは0.4号前後のPEラインが200ｍ程度巻ければＯＫ。リーダーは1～2号程度。陸と違い岩による根ズレの可能性が高くなるので捨て糸は一ヒロあるといいですね。そんなに岩場が多くない場所なら30㎝でもOK。

また、リーダーは細糸と太糸の二種類を用意しておくと便利ですよ。細糸の方は普段陸のアジングで使っているリーダーでも問題ありません。

バチコンアジングの仕掛け

おすすめは三又サルカンを使用したダウンショットリグです。バチコンアジングでは、もっともオーソドックスな仕掛けで、サルカンが回転するので糸ヨレが少なく、絡みにくいのが特徴です。

仕掛けも作りやすく、調整も聞きやすいので、ビギナーにもおすすめです。

シンカーは大体5～10ｇ程度、ジグヘッドは0.5～1ｇ前後を使いますが、使用するシンカーの重さは遊漁船の船長に必ず聞いておきましょう。

というのも船の釣りでは、他の釣り人と仕掛けが絡みにくいよう、船内の釣り人全員ある程度重さを合わせるという決まりがあるのです。なので予約の際に確認しておきましょう。

完全初心者でも簡単に作れる！　バチコン仕掛けセット

まぁ、エサ釣りよりはシンプルとはいえ陸のジグ単よりはやや複雑。さらに船の上ではラインを結ぶのも大変。

こんな時は、最初からある程度結ばれている仕掛けセットが便利です。

バチコンアジングの釣り方

もっともオーソドックスな釣り方は、陸と同じリフト＆フォールですが、バーチカルな釣りになるので少し陸とは違います。

まずはオモリを海底まで落とします。陸のアジングと違い、仕掛けに重さがあるので、ある程度はわかりやすいです。着底させたらすぐに糸フケを回収し、狙いのレンジまで巻き上げます。この時カウンター付きベイトリールなら、遊漁船の船長が大体どのくらいの水深に群れがいるか教えてくれるので、その距離にあわせて落としてあげればOKです。

アタリを感じたら、軽くアワセを入れ、一定のテンションで巻き上げましょう。決して無理に上げてはいけません。特にバチコンだと大型のアジが掛かる可能性が高いため、アジ自体の重量で口切れの可能性が高くなっています。だからと言って緩めすぎるとバレる可能性が出てしまうので、一定のテンションを保ちながら、海面近くに上がったら抜きあげられるサイズ以外はタモで掬ってもらいましょう。

釣果を伸ばすコツ

釣れないときにどうするか。基本的な考え方は、陸のアジングと同じです。ワームを見切られないようにある程度誘って食わないなら仕掛けを回収してワームを変えたり、ジグヘッドの重さを調整したりしてみましょう。

さらに基本的にキャスティングはしないといいましたが、キャスティングが無意味というわけではありません。キャスティングで広範囲を探ることで、より群れに当たりやすくなるでしょう。

この場合はベイトリールより、キャスト距離を稼ぎやすくフリーフォールの際の抵抗が少ないスピニングの方がよかったりします。

まとめ　船酔いには注意

いかがでしたか？

バチコンアジングは、比較的簡単なオフショアデビューにもおすすめな釣りです。今回紹介した内容を参考に、ぜひバチコンアジングにチャレンジしてみてください。

……船酔いには注意しておきましょう。